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そうじゃない



「どうしたの、ハル?」



ふんわりとした声にわたしとツヴァイ、テオドールが振り返る。


そこにはレナとレオの姿があった。


2人は一緒にいたんだ…


レナの言葉を思い出して、並んだ2人の姿に心がズキっとする。



「その方たちもお友達?」



レナの言う"お友達"とは、ヒーロー候補のことを言ってるんだろうな。


わたしはレナに頷いてみせた。



「魔術の国、テオドールだ。

よろしく、姫君」


「知識の国出身のツヴァイ」


「天界出身のレイナです、よろしくお願いします」



3人が話し始めたことでわたしは厄介コンビから解放されたことに安堵のため息をついた。


レナには悪いけどせっかくのレオ以外のことを知る機会だし、このままこっそりこの場を離れちゃおう…



「なんでアイツらといたんだ」


「たまたま会っただけだよ。

レオこそレナと一緒にいなくていいの?」



レナの隣にいたレオは会話に入らず、わたしの隣に移動してきた。


2人が一緒にいたことに不安になったけど、まだわたしのことを気にかけてくれてる。


よかった…



「お前探してたらレイナに会っただけだから。

会場広いし心配するから先に戻るなよ」


「うん」


「よし、このまま戻ろうぜ。

アイツら話盛り上がってるみたいだし」



…盛り上がっていると言うか、レナに対するテオドールの口説きにツヴァイが呆れて、レナは固まっちゃっているだけに思えるけど。


でも、ごめんなさいレナ。


なるべくレナからレオを離したい気持ちの方が勝つ!





「あれ、ハルちゃん、戻るの?」


「殿下…

皆さん楽しそうだったのでお邪魔したら悪いかな、と」


「"ハルちゃん"?」



こっそり抜けようとしたら、よりによってテオドールに気付かれるなんて。


王子を無視することは罪だから、嫌でも笑顔で返さないといけない。



「いや、何か勘違いしてねぇか?

俺とハルが話してたのをジャマされたんだ。

ジャマなのはソイツらだ」


「ちょ、ツヴァイっ!?

相手は殿下だよ!?」


「"俺とハル"?」


「まぁ僕は心が広いからこの学園内での失言は見逃してあげるよ。

ティアラと我が魔術の国が結ばれたら覚えておくことだ」


「勝った気になるなよ、知識の国が結ばれるかもしれねーだろ」



いやいやお2人さん!?


その肝心のティアラが目の前にいるんですけど…!


そんな姿見せちゃだめなんですけど!!!


せっかくレオから逸らせると思ったのに!!!



「なんでお前と一番付き合い長い俺がハルカで、会ったばかりのアイツらはハル呼びなんだよ」


「え、そこ!?」


「当たり前だろ」



目の前ではテオドールとツヴァイがお互いに張り合って、それに挟まれたレナは震えてて、わたしの隣いるレオンは距離感の違いに嫉妬をしている。



な、なんだこの状況はーーーー!!!


こんなイベント全然聞いてないよ!!!





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