表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創生の魔術師  作者: 伊崎畢
5/28

予定外

四章 予定外


日野椿


それから俺たちは各々準備をし車に乗り込んだ。


「ここまでお願いします。急ぎで。」


それを了承するように運転手が微笑む。


任務の時の移動は基本的に車。

運転手は魔対の人間だ。

様々な場面でサポートしてくれる。


移動の間にやることをやってしまおう。


「雪、萊人、作戦立てるぞ。

まず準特は俺が相手する。

魔獣とか魔邪師に対する階級判定って

結構ガバガバだから多分俺一人でもいける。

で、お前らには周りのたくさんいるのを

やって欲しいんだけど二級の奴らだけでいい。

準一も俺がやる。」


「何でですか。」


萊人が不満そうに言う。


「お前らまだ準二級だろ。

二級はまだしも準一はきついぞ。」


「先輩だってそうでしょう。

準一くらいはやれます。」


ますます不満そうにそう言う。


「いやだから…」


もう一度説明しようとした時雪も声をあげた。


「先輩、僕らを見くびりすぎですよ!

勝てます!絶対に!」


あーあ。


この二人が結託しちゃうと頑固なんだよな…。


「分かった、準一級も相手してくれ。

ただしやばかったらすぐ呼べ。いいな?」


「はい!」


「到着しました。ご武運を。」


現場付近に着いたようだ。

不気味な魔力を感じる。

車を降りて魔力の感じる方へと向かう。

正面に数体魔獣が見えた。


「とにかくお前らは自分の命優先な。」


そう言い残し一番でかい準特級の所へと飛んだ。


取り敢えず一発入れとくか。


(そう)


手を前にかざしそう唱えると槍状の炎が飛んでいく。

命中。どうだ?


「グァァァァァ!!」


結構食らってるっぽいな。

これ不明確だから特級にしたけどほぼ準特級のやつだな。

そこまで強くない。

次で終わりだな。


(えん)


炎の塊が魔獣に命中する。楽勝だったな。

一級ぐらいしかないんじゃねぇの?


さて助けに行こう。そう思い雪と萊人の方を見る。

「おっ。結構倒してるじゃん。」


萊人と雪は本人達の相性も魔神の相性も良い。

萊人は雷神。雪は雪神。

正直雪神の火力は高いとは言えない。

壁を作ったりするなど結構サポート的な部分が多い。

だが雷神と合わせた時かなり強くなる。

雪神は雪を好きなとこに好きな量出せる。

敵がそれに当たれば魔力的にダメージも喰らうし何より濡れてしまう。

そこで雷神が技を撃てばその火力は絶大だ。

そういうコンビプレー今まで教えてきた。

健斗がいるともっと強固になる。


(かく)!」


そう唱えると地面に雪が広がっていく。


「萊人!今だ!」


「言われなくても分かってる!雷景!」


その雪の上をものすごいスピードで雷が走っていく。


ここまで成長が早いとは。

準一級も含めた十体以上の魔獣を撃破してしまった。


「すげぇなお前らもう終わったんだ。」


「そちらこそ。準特級じゃなかったんですか?」


萊人が不思議そうに尋ねる。


「いやまぁ雑魚だったよ。...?」


大きな魔力を感じる。

なんだ?全部やったはずだ。

魔力の感じる方へ目をやる。

五十メートル以上先の木に人型の魔獣が一体。

話に聞いていたのと見た目が違う。

完全に予定外の魔獣だ。

あのサイズでこの魔力量。

確実に特級だ。


「雪、萊人お前らは退いて…」


一瞬だった。


目の前にその魔獣が来る。

腹を蹴られ吹っ飛ぶ。


「…っ!!」


咄嗟に受け身を取る。

まずい。雪と萊人が危ない。

そう思い顔を上げると二人も吹き飛ばされ木に激突していた。

かなりの量の血。

それを見ると吐き気がした。

と同時にとてつもない怒りを感じた。


「ぶっ殺してやるよ、クソ魔獣。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ