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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私は私に恋をした

作者: Amia

私は私に恋をした


私は他人とは少し違う、世間で言う普通ではない。


私の幼少期は悲しいものだった、私の母さんは昔から病弱だった、そんな母に父は付きっきりだった、私は幼少期の寂しさを抱えながら、それでも元気になって欲しくてお世話をした、そんな母さんが亡くなった、その事で父は気を病み引きこもり、私を見て母さんと比較した。


私は母さんと父さんの唯一無二の子供なのに。私は私を保てなくなった、私自身が何であるのかが分からなくなった。そんな想いがふと頭によぎった時、ソレはもう居た。


ふと頭のセカイに引き込まれる、まるで誰かに誘われるかのような ..

そこには私と同じ背丈の女の子がいた。髪は私と違うショートカットだった。その綺麗な髪に私は見惚れた。

私は短い髪が好きだ。だが母さんが長い髪のせいか父さんは切らせてくれなかった。

そんな中現れたその子に目を惹かれた。だがここは何処なのだろう..。そう思った途端その子が口を開いた。


ここは貴方の思考のセカイ 貴方は私、私は貴方。貴方の強い思いから私は産まれたの。

セカイ..?思い?よく分からなかった、するとまた口を開き貴方は幼い頃からずっと寂しかった、だから孤独を埋める何かを求めた、求めて求めて足掻いた、その結果私が生まれたのよ、

そう言われた途端妙に心にスっと入っていく。あぁ、私寂しかったんだ、とようやく自覚する。その途端意識が途切れて現実世界に引き戻される、そこにはその子は居なかった。


そして私が生活している間にちょくちょく出てきて私の思考と交代する、そして私はその間その子が現実世界でしている事を見る事が出来る。

その子は冷静沈着だ、クール?って言うのかな、落ち着いていて、優しくて、でもとても勇気がある、私が言えないことなんてスラスラ言ってしまう。


でも何処か切なくて、儚い、どこか触れられない所がある。

そんな彼女に私はどこか惹かれていた。彼女は私の理想なのだ。

彼女は日常生活の中で私が何か言えなくて困っている時にふと出てきて代わりに言ってくれる、そのおかけで生きていることも最近はあんまり苦痛ではなくなった。


だが父親の前では彼女は出てこない。私だからだろうか?彼女もまた私と同じで怖いのだろうか。彼女には傷つい欲しくない。


もうすぐ母さんの三回忌だ。だから父さんはやけにイラついている_。

そしてその日が来た、私は母さんに話しかける、色んな事を話しかける。

その途中で隣に父さんが立ち尽くす、恐ろしい顔で私の髪を引っ張る、そして物凄い勢いで罵倒してきた、私はあまりの急な事に反応出来ずにいた、その時、彼女が叫んだ。


綺麗な髪を汚らわしい手で触るな!!!!!と。


私も父も驚いた、その拍子に父は腰抜けて転けていた。

私は咄嗟に走って逃げていた。

私は頭の中で彼女に問いかける、どうして出てきたの?と。

すると彼女はずっと怖くて出れなかったと、出ようと思ってもどうしても震えてしまったと、でも大切な私を馬鹿にされて居てもたっても居られなくなったと言った。


彼女は私の髪が好きだと言った、今までなんの意味もなかったこの髪に、彼女が意味をつけてくれた。


彼女は言う、私に助けられたと、元気で、優しくて真面目で、繊細で守ってあげたくなる私に、いつも元気な私を見て勇気が出たと、私を見てこの状況を変えようと思ったと言った、そんなの、私がずっと救われていたのに.. そしてわたしは気づいた、私は彼女にこれだけも惹かれているのだと。

その瞬間、何かが頬を伝う、そしてその横顔に優しく彼女はキスをする。


私は驚いた、でも、私は彼女が好きだ、彼女とならどこまでも一緒にいたい、でも私は私で彼女も私。

いつかは彼女の存在は消えてしまうかもしれない、そんなの嫌だ、私は海に歩く、彼女との死を決意する、2人で歩く、砂浜に2つの足跡


海に入り溺れる、永遠の海に溺れる。_そこは水平線だった、水平線に私は彼女と横たわっていた、よかった、叶った、これたんだ、永遠の世界。


手を伸ばし手を繋ごうとする、すると視線の中には警察官、あれ、、?私さっきまで、、ふと自分がいるところを見るとさっき居た海辺にいた、あの子はいない、私は焦り周りを見渡す、だが警官に大人しくするよう止められる、そこにはあの子とそっくりな私がいた。


浜辺に落ちている破片で髪が切れたらしい。私は私、あなたはもう居ない。これはきっとあの子から生きろというお告げよね、いいわ、私が貴方になってやる、そしたらきっとさよならなんてなくたって永遠だ。

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