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略奪裁判② 王都と金貨

「モツニー国のランエル館で間違いないな?」

俺はアントムに聞いた。


「ああ、ランエル館だ。ギルドとしてお前がいたころ、ランエル館で受け取っていたのを見ているだろうが。お前の目はフシアナか?」



「金貨が流通しているのは、モツニー国の王都であるレバニだけだ。ランエルの館では銀貨までしか扱っていない。大金の場合は小切手や手形のようなものを使っているはずだ」



「……」


 アントムは黙り込んだ。



「私の貸出事業はレバニでも行っているが、王都近くでも金貨の流通は少ない。王都から離れている村ではまず見ることはない」


 ラッセントは補足で説明した。ランエルの館がある町では金貨が流通せず、報奨金として渡す可能性は低いということだ。




「ああ、思い出したよ。ギルドの報奨金は銀貨300枚だった。重い持ち帰りだったことを忘れていた。 あれは拾ったんだ」

 急に内容をひっくり返すラッセント。




「拾った? どこでだ!」

 俺はアントムに強めの口調で話した。あれはニムリーから略奪したものではないか



「そ、それは……。 トレヴィの王都に向かう途中の道のすみに袋ごと落ちてたんだ。偶然拾った」



「拾った時期は…… ちょうど竜人祭があった夜、ギルドの依頼を終えて帰る途中だ。都の中心には竜人の巫女が2人踊っていたのを見ている」



「竜人祭は私も見た。見た内容と同じだから、間違いはないだろう。その拾い物を見た同行者はいなかったのかい?」


 ラッセントはアントムに聞いた。



「ギルドの仲間と一緒に移動していた。二人はもう戦死したからわからねぇ。でも拾ったんだよ!」




「アントム様。私は竜人祭があった夜に一緒に移動していました。でも何も道で見つけていなかったです……」


 座っているアントムの背後にいたコーネットは、意を決して発言をした。



「はぁ!? コーネット、お前! 奴隷の分際で俺に嘘つくつもりか!?」


 振り向いてコーネットを殴ろうとするアントム。それをラッセントは声で止めた。


「暴力は禁止だ。そう契約しただろう。部屋を出るまでは、ルールに従ってほしい」


 アントムはコーネットの首を離し、席に座った。


「この女は奴隷で教養はない。奴隷の発言は信用しないほうが良いですぜラッセントさん」



「俺は竜人祭の日にトレヴィ王都の途中の道で金貨を拾った。それで問題はないだろ?」



 どう問い詰めればよいか分からなくなってきた俺の脇をチョイチョイとつついてグレアートはアドバイスをしてきた。


「竜人祭というのは毎期537日にトレヴィ王都で行う行事で、シーザックが蛮族に襲われた日あたりね」


 俺は思い出した。転生したその日にコーネット会って、アントムの魔法試験に失敗した5日後だ。アントムはトレヴィ王都に遠征すると言っていた。あの日から数日後に拾ったというのだ。




「枚数はちょうど50枚あった。近くに誰もいないし、天からのもらい物のとして使わせてもらった」



「金貨50枚を拾ったのだな? アントム」



「ああ、その日の夜に数えたから間違いはねぇ。茶色の皮袋に入っていた」

 アントムは言い切った。 

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