表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/157

国侵略① 新盾と剣士

 僕はニムリー…… 沖田さん、君と話がしたい……



「俺の眠りを…… んーー はっ!!」


 3日後の朝、寝ているときに不思議な言葉を聞いた。いつもなら寝た直後に朝の目覚めが来るはずが、昨日寝たときはニムリーという事が記憶に残っていた。


 転生してから一週間ほどこの世界で生活し、この青年の体にも慣れてきたころだ。蛮族の事件で傷ついた体はコルミーネにちょくちょく回復で直してもらい、魔力も睡眠で回復しつつあった。

 ニムリーを知る者はもうこの街にはいない。昔の名は捨て、今は沖田洋平でこの体を動かしている。もしかしたら、前のニムリーの人格が何かこの体に残っているかもしれない。


 そう考えつつ、いつものように魔導書店に向かって歩いていた。


 店に入ると、暑苦しそうな赤髪のマッチョ男が上半身裸で窓ふきをしている。


「おはよう! 沖田だ! 誰かいるか!!」

 少し待つと、グレアートがふわっと奥から現れた。


「来たわね、オキタ。新しい壁役を紹介するわ。ランダリルよ」 


「よろしくお願いします!! 沖田先輩!!」

 拭き掃除をしながら、こちらを見て挨拶をしている。


「えっと……だれ?」


「盾役が離脱してしまったので、代わりを急いで手配したの」


「そういうことか。えっと…… 何代目?」

 小声でグレアートに聞いてみる。


「4代目。盾役は、攻撃を全て受け止めるからあまり長く持たないのよね……」

 ちょっと外で買い物をしてくると、グレアートは外に行ってしまった。


 何か別の気配があると気づいたら、奥の暗闇から角、角から背面にシュシュっと移動して背後を取られた。


あるじ、前のあれをやってほしい……」


 誰だか見えなかったが、声で何となくわかった。


「ぐぐぐ…… 苦しい。ヴィレオ、あれって何だよ」


 スッと背中から降り、俺の前に回り込む。無言で両手を突き出し、痺れるような振りをしている。ああ、魔力供給の事か。


「魔力供給を体験したいのか。別に良いけど、何で俺を あるじ って呼ぶの?」



「男が私の本性をすべて見た。恥ずかしいことを見られてもうお嫁にいけない。バラしたら殺して私も死ぬ」

「だから墓場まで持っていく。監視する伴侶として、生涯を共にする……」



「極端すぎないそれぇ?」


 あの事件からヴィレオとどう接するのか考えていたが、元気に話してくれるなら良しとしよう。ただ、男というのを何か勘違いしているのではないのか?


「さあ早く」


 両手を前にして、心からの笑顔を作ったヴィレオ。 興味と初々しさが混ざっていて可愛い。


 両手を握り、ちょっと強めに魔素を流す。



「んんんん…… ああああああ……」

 崩れた顔を見せるのが嫌なのか、マッサージ器の強めを声に出さずに体で受けるようだった。目がうつろになり、赤面する。


 コルミーネは魔法を外でぶっ放していたが、魔法剣士のヴィレオはどんな放出をするのか眺めてみた。


 おもむろに腰から長めの剣を抜いて、防御するように斜めに持ち上げて構えた。

 目をつぶって集中し、ぼそぼそと呪文のようなものを唱える。 数秒後……



 ブゥゥン!!!



 剣の握った所から少し発光し、徐々に剣先に向かって光が伝わっていく。



 ブシャァァァ!!



 剣先まで達した光は、その延長線上に向かって一気に伸びた。 部屋のかどにまで光が伸び、穴が開いた。 俺の目と口も開いた



 ブウゥン! ブゥン!



「これが愛の力……」

 剣の先端をぐりぐり振り回すと、屋根の損傷が大きくなり、空の光が入ってくる。次第に剣先のレーザーは短くなり。剣は色を失って元に戻った。魔力の余剰放出が終わったようだ。



「あーらあら。これはすごい力ね。お空が真っ青」


 帰ってきたグレアートは、左半分の2階部分がレーザーで焼き切れて露出した空を見て感心した。



「普段は魔力を剣に練りこんで、貫通力を高めたりちょっと飛ばたりするだけなんだけど」


「一気に放出すると、ここまで伸びるのね。これは色々と応用できそうね」



 ……なんか他人事みたいに話していないか? この修理どうするのだ?


「修理はランダリルにお任せあれぇぇ!!」

 窓ふきが終わった後に、修理の準備でセカセカと動くランダリル。


「俺も手伝おう」

 暑苦しそうな新しい盾役と一緒に、ぽっかり空いた屋根を修復した。



 魔力で修理すると簡単ではあるが、前の依頼で使い切ってしまったため、フルチャージするまでは魔力を温存しているのだ。




 転生した俺の人生に、ひと時の平和が訪れた。

「面白い!」「続きが気になる」という方、8時間以上寝ることができる大賢者様、私ならこの異世界で無双できる!と思えた読者さんは、ブックマークや☆評価お願いします!


ネタきれそうなので、こんな展開読みたい!こんなキャラの組み合わせ面白そう!というネタやアイデア歓迎です。

低評価、辛口コメントでも気兼ねなく入れてください。返せるかわかりませんが、全て読みます。

皆様のコメント・評価・ブックマークが燃料になります。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ