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~オーストラリア~



やっと着いた…

飛行機の手配して、準備してと、結局元の世界に帰ってきてから24時間が過ぎてようやく千秋のもとにたどり着きそうだ。


「社長、やっとつきました。千秋って今どこにいるかわかります?」


『お前なぁ~一度も顔見せずに行ったな!薄情者…どうせ泊まるとこも決めてないんだろう?』


確かに、飛行機まで時間あったし顔くらい見せに行くべきだったか?


「ホテルは千秋の部屋に泊まります。」


『ハハハッ、半年もほったらかしてそう簡単に受け入れてもらえると思うなよ!あいつの気持ちも考えろ。』


「えっ?」


拒否されることは考えてなかった…


『フッ、たぶん大丈夫だけどな。念のために野宿は危ないから同じホテルに部屋を取ってある。』


「さすが社長、できる男は違いますね~!」


本当にありがたい上司であり、友人だ。


とりあえず社長が予約してくれた部屋に来た。

ウジウジするのはらしくないが何せこの半年のことが全くわからないから不安だ。


受け入れてもらえるだろうか…


社長から千秋はもうホテルの部屋にいると部屋番号と一緒にメッセージが届いた。


「よしっ!!行こう!」


はやる気持ちとは反面、不安で押しつぶされそうでなかなか足が動かない。


いや、あっちの世界でも散々拒否られたし拒否られても粘ってやる!


千秋の部屋に向かった。


ブー、ブー

呼び鈴を鳴らす。


ガチャン……

「お疲れ様です。何かトラブルですか?今社長から電話があって田邉さんが来るからって…」


「お、おう!お疲れ…。」


敬語だ…

久しぶりに会う千秋は痩せてた。

きっと辛かったんだろう。


「飛行機長いな、疲れたよ。よくしょっちゅう飛び回れるな!尊敬するよ。」


涙が込み上げてくるのをこらえ、冗談混じりに言った。


「田邉さんより時間のつぶし方が上手くなっただけですよ。」


「中入っていいか?話があるんだ。」


フッと千秋の顔から笑顔が消える。


「どうぞ、明日の午前中の飛行機なんで片付けてたんですよ~。田邉さんもここに部屋取ってあるんですよね?」


千秋が先に部屋に入って行き、後を追う。


「ご飯食べました?今コーヒーしかなくて…」


「千秋…」


冷蔵庫からコーヒーのペットボトルを取り出そうとしていた手が止まる

今にも泣きそうな顔でこちらへ振り返る


俺は千秋に駆け寄り強く強く抱きしめた。


「なんだよ、どういうことだよ!うぅっ」


千秋は背中をつかみ叫び、震えるように泣いている。


「ごめん、会いたかった…俺、戻って来れたんだ…」


涙が溢れ止まらない。


「顔が見たい、千秋?顔見せて?」


少し間があり、千秋は顔を上げる。


「痩せたな、ちゃんと食べてるか?」


「当たり前だ、もう会えないと思ってたから俺…」


千秋の目からは次から次に涙が流れ出る。

そんな千秋が愛しくて堪らない。

少し体を離し、千秋の足元に片膝付いて跪く


「千秋、最後に話したとき俺に女性と結婚して子供のいる幸せを選ぶ権利があるって言っただろう?俺は別の世界で女性と結婚してたんだ。でも子供は居なかったよ。でも仲良く幸せに暮らしてた。それならあえて女性に拘らずに自分が心から愛している千秋と一緒に幸せになりたい。」


千秋の手を握ると小さく震えてる

ポケットから箱を取り出し千秋に捧げる。


「千秋、俺と家族になって下さい。籍は無理かもしれないけど一緒に暮らそう。」


真っ直ぐ千秋を見上げる

千秋の目からは止まることなく涙が流れている。


「はい、俺も弘人と家族になりたい。」


千秋の左手薬指に指輪をはめる。

ちゃんとサイズは確認して注文したはずなのに痩せてしまった千秋の指には少し大きかった。

その手を見て辛い思いをさせてしまったことに堪らなくなり涙が込み上げてくる。

立ち上がりお互いの存在を確かめるように力いっぱい抱きしめ合う。


「よかった、嫌われてなくて…他の男に取られてなくて…不安で仕方がなかった。待っててくれてありがとう。」


「弘人おかえり。戻ってきてくれてありがとう。」


「ただいま、千秋。」


何度もお互いを確認するかのように見つめ合ってはキスをした。


「この前我慢できなくて弘人をベロベロに酔わせてイタズラしてやったんだ。」


千秋は泣きながらドヤ顔でそういうと俺の服を脱がし始めた。


「ハハッ、相手は俺だけどなんか焼けるな。」


上半身を脱がされた俺の左胸の下辺りを人差し指でさする。


「ほらここ、コレ僕がつけたヤツ。」


見ると消えかけたキスマークがあった。

また泣き出すんじゃないかという顔で俺を見上げる千秋…本当に寂しくて怖い思いをさせただろうに…。

堪らなくなり力いっぱい抱きしめ貪るようにキスをした。

千秋を抱き上げると千秋も俺にしがみつく。

俺たちはキスを止めずなんとかベッドにたどり着く。


千秋をベッドに下ろすともう止まらなかった。

お互いに感情のまま身体を重ねた……



「半年、長かったな。もう戻れないんじゃないかって絶望的だったよ…何だったんだろうな?」


「パラレルワールド…さっきの弘人のプロポーズで思ったんだ。僕があんなに不安にならなければ…女の人とっていわなければこんな事にならなかった気がする。その不安ってさ、あのまま一緒になってたとしても消えなかった気がするんだ。だから弘人は香織さんと結婚してたもう一つの世界に行ったんだと思う。そしてこのまま俺と一緒になっても大丈夫って証明してくれたんだ。僕、全力で弘人を幸せにするよ。一緒にいるのが当たり前じゃないんだ。この幸せをもう二度と手放さないよう頑張る!」


「ひとりで頑張る事じゃないよ。2人で無理せずなっ!きつかったり、不安なことは言ってほしいし、海外から電話で言われたら駆けつけられないから出来れば目の前で言ってほしい。」


「うん、ヘヘッ。あっ!弘人、明日誕生日だね。誕生日に一緒にお祝いする約束してたんだ。だから明日朝一の飛行機取ってて。お店予約してるんだけど、予約した時はまさか弘人とお祝い出来るなんて思ってもなかったよ。」


「じゃあ、明日は寝坊できないな。さぁ、今日はもう寝よう!明日が楽しみだな。おやすみ、千秋。」


「明日も弘人のまま目覚めてね。おやすみ。」


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