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それからベッドへ移動し、求められるままに体を繋げた。

私の人生にこんな事が起こるなんて本当に夢のようだった。

何年かぶりにしていた元旦那との義務のようなソレとは全然違った。

経験がほとんど元旦那としかなかった私はきちんと出来たんだろうか?

稗田さんをがっかりさせてしまったんじゃないかと考えてしまう。

急な展開に戸惑いと興奮もあり眠れなかった…


夜中、稗田さんが眠る横でゴロゴロしているのもなんだか落ち着かなくてソロっとベッドを抜け出しトイレへ行った。

さすがに裸では寒く手探りで服を探して慌ててトイレへ駆け込んだ。

なんだか稗田さんの横で服を着るのも恥ずかしかったから…

身なりを整えてトイレから出るとキッチンから稗田さんが水を持って現れた。

寝ているものだとばかり思っていたので軽く悲鳴をあげて驚いてしまった…


「クククッ、そんなに驚かなくても。はい、のど渇いてない?」


「すいません…お水いただきます。」


恥ずかしくて俯き加減でペットボトルを受け取ろうとするとヒョイとかわされ、抱きしめられた。


「フフッ、香織ちゃん可愛い。」


「もう、からかわないで下さい。」


私は拳で軽く胸を何度か叩き抵抗した。

そんな私を見てやっぱり笑っていた。


「夜中いなくなるんだもん。こっそり帰るつもりかと思って焦ったよ…。ダメだよ。もう逃がさないっていったよね?」


「逃げませんよ。私だって、稗田さんのこと逃がしませんよ、フフッ。でも、嫌になったら言って下さいね。稗田さんモテるから結婚して子供を持つっていう未来もあるし。里菜ちゃんとか?」


稗田さんは笑ってたのにいきなり苦しいくらい力を込めて抱きしめる。

ネガティブ発言ばかりの私に怒ったかな?

正直不安ばかりがあって自信がない…

だからこそはじめに話しておいた方がいいはず。


「はぁ、君って本当に人の気も知らないで…どれだけ香織ちゃん、君を欲しかったか、どれだけご主人を羨んだか…左手の指輪、よく見てた。どれだけ外して俺との指輪に変えたかったか…」


そう言って私の左手を取り薬指にキスをする。

何をしても稗田さんはかっこいい。

そんな彼が私を好きだなんて…何度考えても夢みたいだ。


「お風呂入ってなかったから入る?」


「えっ?一緒に?」


「フフッ、誘われたら断れないなぁ。香織ちゃんって意外と大胆だね。」


「別々、別々に入りましょう!誘ってませんから。」


もう、稗田さんったら!

遠慮がなくなってる…慌てて訂正した。

酔いは醒めたのにまた酔ったみたいに顔が熱い…

稗田さんはそんな私を優しく微笑みながら見つめている。


「フフッ、冗談だよ。すぐに沸かすから先に入ったらいいよ。俺はサボったから少し仕事させてね。」


「はい。ありがとうございます。夜の方が忙しかったんですよね?夏川くん大丈夫ですかね?」


「あいつは有能だからね、大丈夫。そんな、他の男の心配するなんて嫉妬しちゃうな。」


全然嫉妬してなさそうに言うから冗談か本気かわからない。


「なんだか稗田さん、キャラ変わってますよ。」


「フフッ、そりゃ、嬉しすぎてハイにもなるよ。絶対無理だと思ってたのにね。まさかこんな風にうちにいるなんてね。」


そう言ってまた私をぎゅーっと抱きしめてからお風呂へ行ってお湯はりをしてくれた。


夜中1時半ぐらい…

稗田さんの家でお風呂に浸かっている。

何だか冷静になると恥ずかしい。


「はぁ~、私何してるんだろう…困った、こんなはずじゃなかったのに…」


私って意志が弱すぎというか流されやすすぎる。

自覚はある。でも、でも、なんだか冷静になったつもりでもどこか浮かれてる自分もいる。


どれくらい浸かってたかな!?

さすがにのぼせてきたけどお風呂上がりって、それも恥ずかしい…


あがろうと湯船から立ち上がりドアの前に来たところで稗田さんから声をかけられた。


「香織ちゃん大丈夫?だいぶ入ってるけどのぼせてない?」


「キャッ。」


驚いてその場に座り込む。

キャッって…恥ずかしい…そんなキャッなんて年でもないのに…


「フフッ、タイミングが悪かったかな?いや、良かったのかな?フフフッ」


絶対イジワルな顔してる!


「も、もうあがりますんで!ご心配おかけしました。」


半ば叫ぶように返答してみたけど

ガチャッ

ってドアが開いた…

慌ててしゃがんだまま膝を抱えた。


「えっ?いや、ちょっと…」


睨みつけるのも虚しく稗田さんはニヤニヤしながら私の前にしゃがんで顔を覗きこむ。


「もうっ!何なんですか!?イジワル…」


「フフッ、香織ちゃんが無防備過ぎるから。つい覗きたくなるよ。のぼせてなくて良かった。」


「あ、あの、本当にすぐにあがるので心配しないで。」


何を言ってもニヤニヤと笑って動かない。

それどころか濡れてる私を抱き寄せた。

ドキドキドキドキ、心臓が…速すぎて苦しいくらいだ。


「恥ずかしがらなくてももう全身見ちゃったよ。はぁ、可愛いなぁ。香織ちゃんがいる。こんなに嬉しいことはないよ。」


そう言いながら少し身体を離しキスをする。

今日1日で数えきれないほどキスしてるきがする。

何故かキスしながら引き上げられて立たされる。

これは丸見えではないか?と考えてたら狙ったかのように稗田さんの顔が離れていく。


「えっ?いやっ!」


思わず見えないように稗田さんに抱きつく。


「裸で抱きついてくるなんて大胆だなぁ。じゃあ期待にお応えするよ。」


用意してくれてたタオルで髪をバサバサっと拭かれ、背中もササッと拭かれるとそのままヒョイッと持ち上げられた。


「えぇ~!いやっ、下ろして!」


足をばたつかせて抵抗するけどお構いなしに稗田さんは私を持ち上げたまま部屋へと歩いて行く。


あっという間に寝室まで連れてこられ、ベッドに下ろされた。

稗田さんは相変わらずニヤニヤとイジワルな顔をしてて私はどんな顔をしていいのか困る…。

両手を前で組んで胸を隠してはみるものの稗田さんの力には及ばずあえなく押し倒され腕は外された。


「綺麗だよ。隠すなんてもったいない。ヨガ続けてるんでしょ?さっきも思ったけど引き締まってきてるんじゃない?」


「もう、見ないで、お願い…」


「俺だけだよ。だから許して、全部見せて……悔しいなぁ、なぜか田邉の言ってた通りホクロがある…」


「でも田邉さんの前で裸になったことはないですよ?たぶんホクロの位置なんて別れた旦那も知らないんじゃないかな?」


「はぁ、嫉妬しちゃうなぁ。田邉にも別れたご主人にも…」


稗田さんは苦しそうな顔をしてそう言い、何度もキスをした。

次第にキスも深くなっていく。

先ほどのような早急さはなくゆっくり全身を舐めるかのようにキスをされる。

いつの間にか恥ずかしさを忘れ、抵抗することなくそれを受け入れ稗田さんだけを感じていた。

自然と声が漏れ、夢中になって稗田さんにしがみつき、寒いはずなのに裸で肌が触れ合うとそこから熱が生まれ寒さなんて感じなかった。


「あっつい…また汗かいちゃったね。」


2人とも汗だくになってて、それが恥ずかしいやら可笑しいやらで2人で笑った。

何だか恥ずかしがってることが恥ずかしくなり、もう促されるまま稗田さんとシャワーを浴びた。


稗田さんからスウェットとハーフパンツを借りた。

さすがに彼シャツなんて言って、だぼっとしたスウェット一枚で過ごすことに抵抗があり、かなり強引にハーフパンツも借りたのだ。

しぶしぶハーフパンツを貸してくれた稗田さんは不満気だったけどそこはスルーした。


「さあ、香織ちゃんここに座って!」


と言われたのはソファーに座った稗田さんの膝の間で片手にはドライヤーを持っていた。


「えっ?髪は自分で乾かします。子どもじゃないし!」


美容院以外で乾かしてもらう経験なんてなかったし、恥ずかしい…


「えぇ~!これくらいさせてよ~!ズボンは貸してあげたでしょ?レンタル料。」


「そ、そんな!レンタル料なんてケチです!そういうことはもっと若くて可愛い子にしてあげてください!」


なんだか言ってて胸がチクチクするけど、でも本音だ。


「えっ?香織ちゃんって俺を弄んだの?正式にお付き合いスタートさせたんじゃなく?他の子って…」


もはや目の前のカッコいいはずの稗田さんが変態オヤジと化してるのが何だか可愛くも見えてきた。

はぁ、好きだなぁ。

そう思ったらもう拒否するのも躊躇われて稗田さんの言うとおりに従った。


それから髪を乾かしてもらった。

時計を見るともうすぐ4時になろうかとしていた。

もう眠いやら、疲れたやら…2人一緒にベッドでくっついて眠った。

人肌は暖かくこんなに癒されるのかと実感した。


目が覚めて時間を確認するためにスマホを見ると10時を過ぎていた。

有希からメッセージがきていて娘は元気に学校に行ったよって書いてあった。

有希もきっともう仕事に行ったに違いない。

私は娘を預けてこんな時間まで寝てるなんて…って少し罪悪感で胸が痛んだ。


稗田さんもまだ寝ておりその日は正午過ぎに稗田さんの家を出て、近くの喫茶店で朝兼昼食を食べ家まで送ってもらい、その日はわかれ、稗田さんはそのまま仕事に行った。

夏川くんになんて報告したんだろう…恥ずかしすぎる…

とりあえず日本に帰ってくるまでは連絡しないことにした。


有希は何も聞かずに娘を預かってくれたけどきっと気にはなってるだろうな。

とりあえず稗田さんと真剣にお付き合いしてみることだけメールで送った。詳しくは会った時に話そう。


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