転生
早くも評価してもらえたみたいで感動しています。
良い評価も悪い評価もどちらも自分の糧になりますので、読んでくださった方はついでに評価をしてもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします。
完全に見切り発車ですが、ネタが尽きるまでがんばりたいと思います。
初投稿なので至らない点が多々あるとは思いますが、温かい目で見てもらえると嬉しいです。
「失礼しました…。」
「良い良い。今まで諦めていた物が突然手に入れば、動揺するのも無理のない話じゃ。」
俺はさっきまで興奮して神様に質問しまくっていた。使おうと思った敬語も忘れてそうれはもうグイグイと…。いい歳した大人が少年みたいな態度をとってしまい、正直恥ずかしい。
どうやら世界を救うというのはかなり大きな偉業らしく、ご褒美を用意しなければならないらしい。しかし、すでに死んだ身であるため、物でご褒美を用意することができない。この場合、普通は天国のような場所に行く権利が与えられるのだが、偉業が大きすぎて他の人と同等の扱いで良いものか悩んだそうだ。そこで俺の人生を確認したところ、俺が魔法を心から求めていたことがわかり、それならば転生はどうかと勧めくれたそうだ。
「さて、先ほども教えたが、今まで生きていた世界とは別の世界に転生してもらうことになる。それは問題ないようじゃな?」
「はい。俺が死んでからすでに一千年は経過しているということですので、同じ世界への転生には拘っていませんので。」
先ほど聞いて驚いたのだが、俺が死んでからすでに一千年は経過していたらしいのだ。なんでそこまで時間が過ぎ去っていたのかと言えば、隕石との衝突が原因らしい。
神様の話によると、隕石がただの大きな岩なら問題なかったのだが、俺が砕いた隕石は魔力を纏っていたらしい。そして、魔力は精神や魂といった部分にまで影響を及ぼすそうだ。そのため、魔力をただ纏っていただけとはいえ、巨大な隕石サイズの魔力と衝突したせいで俺の精神や魂はかなりひどいレベルまでボロボロになっていたらしい。記憶に無いからわからないんだけどな。
そのダメージが回復するのにおよそ一千年かかってしまったらしい。長いと思うかもしれないが、そのまま放置していたらバラバラに霧散していたらしいから、むしろ神様には改めて感謝したよ。
一千年も過ぎ去っていれば当然俺の知り合いは生きているはずもなく、わざわざ同じ世界に生まれ直すメリットはそれほどないだろう。ついでに神様はそれ以上に魅力的な提案をしてくれたのだ。
『お主のいた世界は魔力が薄いじゃろう。ワシが管理しておる世界の中でもっと魔力が満ちている世界がある。そちらに転生すればお主が生前に見た魔法以上のことが見られるし、努力次第ではお主が扱えるようになるかもしれんしの』
『世界の魔力が濃いと人の魔力も多いのか!?じゃあそっちが良い!いや、むしろそっちの世界じゃなきゃダメだ!!」
『ほっほっほ。安心せい。初めからその提案しておるじゃろう」
『よっしゃー!』
・・・うん。テンションやばかったな。神様、本当にすみませんでした。
「ではそろそろ転生させるとするかの。最後に一つアドバイスをしておこうかの。お主は魔法がどういったものなのか全くわからんじゃろ?」
「そうですね。そもそも魔力を感じ取ることができませんでしたから」
「うむ、魔法が使える身体になれば自然と感じ取れるようになるが、それでも個人差はあるし、努力次第でその感覚もより鋭いものとなる。お主にわかりやすくいうならば、体を鍛えるのと変わらん、と言ったところじゃの」
「体を鍛えるのと同じ、ですか?」
「左様。言うなれば、魔力は筋力、魔法は筋力を利用した技じゃな。扱える魔力は、ひたすら使うことと適度な休養を繰り返すことで増していき、多くの魔力を自由自在に扱えるほど魔法という技をより上手く扱えるようになる。様々な魔法を扱えるようになるには、日々の努力が大事ということじゃ」
「ありがとうございます!」
なるほどな。魔法は才能によるところが大きいと思っていたけど(実際俺は才能が無くて魔法を諦めたが)、魔力を少しでも感じ取れるのならあとは努力でどうにでもなりそうだな。ワクワクしてきたぜ。
「では、達者でな」
「ありがとうございます。第二の人生、精一杯楽しませてもらいます。」
「こちらこそ世界を救ってくれて感謝しておる。ぜひ、楽しんでくると良い。」
そう挨拶を交わし終えると、俺の体がどんどん透けていった。それと同時にだんだん俺の意識も薄れていき、体がその場から消えると同時に意識も完全に途切れた。
「・・・・・・」
俺は何してたっけ?
「・・・・・・」
ああ、神様に会ったんだった。
…もしかしてあれは夢か?
うーん。確証が持てないところが辛いな。とりあえず意識がはっきりしてきたし、まずは身体の確認だな。
ん?
あれ?目がなかなか開かないぞ?
というか、身体に違和感があるというか、違和感しかないというか…。
「ÝÑ¿ºWu、%Cœ±hYÕV?」
俺が疑問に思っていると、何を言っているのか訳のわからん声が聞こえてきた。そしてどうやらその声の主は俺を抱きかかえたようだ。
そうか、俺を抱きかかえるのか…。
すでに色々察してはいるが、まずはこの目で確かめてからだな。なんとか目を開けることに成功した俺は、まず俺を抱きかかえているであろう人を確認した。
(この人は、教会のシスターさん、か?)
…まぁ良い、次は俺の身体だ。近くに鏡があれば楽なんだがそもそも首がほとんど動かせないぞ。
く、きつい。
時間はかかったがなんとか周りを見渡せた。けど、この部屋にそもそも鏡なんてなかった。ちくしょう。しょうがないから自分の手足を見るてみることにした。
明らかに赤ちゃんのものだ。
うん。まぁ、これはあれだな。さっきから身体を動かす時、地味に痛かったし夢じゃあないな。
神様に会ったのは夢でもなんでもなく、現実だったとようやく俺は認めることができた。ここで俺の第二の人生が始まるのだ。
(よっっっしゃーーーー!!!!)
俺は心の中で全力で叫んだ。
ここまで読んでいただきありがとうございます。