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神様との出会い

完全に見切り発車ですが、ネタが尽きるまでがんばりたいと思います。


初投稿なので至らない点が多々あるとは思いますが、温かい目で見てもらえると嬉しいです。

「・・・・・・」


 俺は何してたっけ?


「・・・・・・」


 ・・・そうだ、王都に迫ってた隕石をぶん殴ってなんとかしたんだったな。とすると、今頭が働いてるってことは俺は生きてたのか?さすがに死ぬだろうと思っていたが、まじで鍛え過ぎてたのかもな。

 よし、まずは身体がどうなってるか確認だな。


 そうして俺は目を開けた。


「なんだここは…?」


 目を開けた俺は、体の確認をする前にその部屋の不思議な物の数々に目がいってしまった。



 そこは男にとって不思議な部屋だった。柱が木でできていることは男にとって理解できたのだが、障子や囲炉裏、掛け軸、アナログテレビのようなものなどがあり、それらは男の世界にはなかったため理解することができなかった。



「ここはワシの家みたいなものじゃよ」

「・・・!?」


 俺が呆けていると、ふいに声をかけられて驚いた。白く長いひげを生やしたおじいさんがそこにいた。

 なぜ驚いているかというと、正面から声をかけられたからだ。急に現れたはずなのに、初めからそこにいたような感覚。この爺さんは只者じゃないな。


「ほっほっほ。そう緊張せんでも良い。どうじゃ?身体はもう大丈夫かの?」


 そういえば身体の確認がまだだったな。この爺さんのことは正直気になるが、危険は全く感じ取れない。ならひとまずは自分のことに集中しよう。


 うん。問題ないな。むしろ全盛期並みに調子が良い気すらするな。


「問題ないようじゃな。良かった良かった。」

「ああ、問題ない。それにしても、爺さんが俺を介抱してくれたのか?あと、ここはいったいどこなんだ?」

「ふむ、そうじゃな…。少し話が長くなる故、順を追って説明しようかの。まずは自己紹介じゃ、ワシはお前さんたちの世界の神じゃ」

「・・・え?」


 俺の目の前にいたのは神様だった。




「つまり、俺が隕石を砕いたから俺たちの世界、星だっけ?が無事だったと?」

「そうじゃ。あれは予想外の出来事でのぉ。星の外の影響はほぼ全て神の力でどうにかしておるんじゃが、およそ一千万年ぶりにミスを起こしてしまって、隕石としてお主の星に落ちるとこだったのじゃ。もしそのまま落ちていたら、星そのものが死んでいたじゃろうな。」

「そんなにやばいものだったのか…」

「うむ。だからこそ、それを防いだお主に感謝して、わざわざこのような場を設けたのじゃ。誠に感謝しておる」

「いや、まあ。俺も大切な人たちを守りたかっただけだからな。結果的にそうなったのかもしれないけど、そんなに気にしなくて良いぞ?」

「結果というのは大事じゃぞ。お主は世界ほしを一つ救った。それは神が敬意を持って接するに値する存在なのじゃ。もっと誇るが良いぞ」

「はは、そんなにか。そうか、俺は死ぬ前にすごいことしたんだな。そうだ、世界ほしを救ったのは良いんだが、国のみんなは無事だったか?」


 あの宮廷魔法師の爺さんに限って失敗はしないだろうが、俺は隕石を砕いただけだからなぁ。砕けた後の岩の形や大きさはバラバラだし、瞬時にうまく処理するにはかなりの腕が必要だろう。


「うむ、これを見ると良い」


 そう言って、神様は不思議な箱(テレビ)を指差した。すると、俺の住んでいた王都の様子が表示された。


 なるほど、これは便利だ。念話で他人の見た物を頭の中に送ってもらった経験はあるが、それよりも映像が鮮明だし、箱に映し出すから複数人で一緒に見ることができるわけだ。


「見てわかる通り、お主が砕いた隕石の残骸を魔法を使って被害が小さくなるよううまく処理できておる。そうじゃな、多少の負傷者や魔力切れを引き起こした者はおるが、亡くなった人間はおらんようじゃ。」

「そう…ですね。みんないつも以上にうまく動けていると思います」


 本当に全員いつもより動きが良い。たまに映る宮廷魔法師の爺さんの目が真っ赤になりながらも今までにないくらい真剣な顔で指示を出している姿が印象的だ。俺の死を無駄にしない!とか思ってんだろうな。


 嬉しいな。


「ありがとうございます。神様」


 お礼を言うと、神様はニッコリと微笑んでくれた。


「ほっほっほ。無理に敬語を使わんでも良いぞ?それとも、自然とそうなってしまったのかの?」


 言われて気付いた。いつの間にか敬語になっていた。多分神様に俺が死んだ後のことを教えてくれて感謝して自然とそうなっていたんだろう。あれ、でも普通神様には敬語で話すべきだよな?


「そうですね、自然とそうなってました。むしろ初めから敬語を使うべきでしたね。失礼しました」

「気にすることでもないぞ。敬語などあってもなくてもワシにとっては些細なことじゃ。」

「ありがとうございます。」


 神様も無理に敬語をやめろとも言わないが必ず使えとも言わないな。寛大な心を持った神様でよかった。


「さて、俺の心残りもなくなったので、そろそろ成仏をお願いしますね。そういえば死んだらどうなるんでしょうか?よく言われている、天国と地獄があるのでしょうか?」

「お前さんたちの言う天国と地獄に似た場所はあるにはあるが、そこに行く者は稀じゃな。それらは良くも悪くも大きな偉業を成した者が行く場所じゃ。そう言う意味では、お主に行く権利はあるが今回はワシから一つ提案がある。」

「提案?」

「うむ、お主は先ほど心残りは無いと言ったが、本当は魔法を使いたかったんじゃないか?」

「・・・確かにそうですが、もうどうしようもないでしょう。そもそも魔力を持っていませんでしたし、生きていたからといって解決する類のものではないですよ」


 魔法は確かに使いたかった。武道家を目指して修行した結果、日に日にできることが増えていっても、結局は体をより速く、より正確に、より強く動かせるようになっていくだけだ。魔法でできることと根本的に違う。でも、今更それを嘆いたって意味がない。仮に生きていたとしても魔力がなければ意味がない。初めから魔法を使える可能性は0だった。


「その身体で魔法を使うのが無理なのはわかっておる。じゃから、魔法を使える身体になって第二の人生を歩んでみないか?」


「・・・マジで!?そんなことできんの!?」


 俺は敬語も忘れて、食い入るように神様に聞き返してしまった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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