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月夜の想い

作者: 天空鈴

2008.8.14

過去作品。



 ふと…空を見た。


 カーテンの隙間から垣間見える、ごく小さな空。


 そこからは、半分と真ん丸の間ぐらいに太った月が浮かんでいた。


 あまりにも綺麗な月夜に、しばらく見とれた後、不意に隣にいる彼女の顔が浮かんだ。


 彼女のどんな表情を思い浮かべても、笑みがもれてしまう。彼女は、そんな僕に「何で、笑うのよぉ」とやや甘えた声で頬を膨らませる。そんな表情も可愛くて笑ってしまう僕を見て、彼女はそっぽを向いて拗ねる。


 そんないつものやり取りを思い起こしながら、やっぱり彼女の笑顔が1番好きだ、と笑みがこぼれた。

 今も、月を見ていて浮かんだのは彼女の笑顔で、実際にその表情が見たくて、僕は、すぐ傍で眠っている彼女を見た。



 窓から差し込む淡い月光に照らされた彼女の寝顔に息をのんだ。



 僕は、右手で彼女に布団をかけ直し、彼女を起こさないようにそっと左手を動かした。


 腕まくらで眠る彼女の寝息を聞きながら、そっと、額に軽いキスをする。

 後頭部を支えた左手はそのままで、彼女の頭に僕は頬を寄せた。


 柔らかい髪からは、シャンプーの香りが漂い、眠気を引き起こさせられる。

 あくびを噛み殺し、涙ぐんだ瞳を閉じて、軽く彼女を抱きしめた。


 彼女の温もりを感じながら、僕は眠りに落ちた。

 笑顔もいいけど、寝顔もいいなぁと考えながら。



 だけど、結局はどんな彼女も好きな自分に気付くだけだった。





過去作品です。

人生で初めての1ページ小説。

もう10年も前なんですね…。


思い浮かんだ『一枚絵』から

想像を掻き立てて描いてます。


2018.10.18天空鈴

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