1話 政府の思惑
今回から「サバゲー王者は国を守る」(略称『さおくま』)を投稿していきます!
今までの作品より遥かに長い話になると思います!
是非、思った事を何でもいいので感想を書いてくださるとこれから活かせると思うのでお願いします!
他にも評価やブックマーク登録などもして貰えると嬉しいです!
2020年、世界の各地は荒れてきていた。それは誰も始まると思ってもいなかった第三次世界大戦による物だった。
「これより第1回Proficiency Test Tornamentを開催します!」
明るく照らされたドーム球場の会場全体に、そうアナウンスする声が響き渡る。
これから行われるのは日本、いや、正確には日本という名だった国、「パンジャー」の未来を背負う人を決める大会。
その大会の内容は遊びのようにも思えるサバイバルゲームだ。
ルールは簡単。ペイント弾を発射するエアガンを使い、身体にその弾が当たると負けだ。
しかし、普通と違うのはそのエアガンだ。そのエアガンは重さも実銃と同じ重さになっており、射撃時の反動、弾道などは全て実銃と同じになるように作られている。
死なないという点を除けばこれはただの戦争と言っても過言ではないだろう。
何故、こんな大会が行われているのか?
その理由は政府にある。第三次世界大戦が始まってすぐの事だった。テレビに映っている中継映像で政府はこの大会の詳細を説明した。
政府の意見をまとめると、訓練もしていない人々を現地に送り出したところで死人を増やすだけだと思い、この大会で勝つほどの実力がある者を送り出せば、役に立つだろうという考えらしい。
確かにそれなら戦場でも活躍出来るかもしれない。
だが、皆は疑問に思った。その疑問を記者の一人は口にした。
「それだと、戦いたくない人は出ないのではないでしょうか?」
皆は同じ疑問を抱いていて黙って頷いた…
だが、政府は驚く答えを返してきた。
「戦争に負けて悲惨な人生を送りたければ黙って死ぬのを待ってれば良い」
その答えに場は凍ったように静かになった。
誰か戦いたい人が出なければ誰も戦争に行かずに負けるのを待つだけだと言うのか…
何て投げやりな方法なんだ。誰もがそう思っただろう。
だが、意外にもその方法は上手く行っていた。
何故なら戦いを楽しむ者がこの世界には居たからだ。
俺の兄、神崎 秀人もその一人だった。
兄は勉強も出来て、スポーツも出来る。
昔から力があるからか喧嘩っ早くて喧嘩が好きな人だった。
それに比べて俺は学力も平均並、力も無い方で、スポーツなども得意じゃなかった。
だが、兄は弟である俺には優しくてそんな兄を尊敬している。
そんな兄はこの大会の存在を聞いてすぐ参加を決めた。
俺は今回兄が出るから観客として会場に来ている。
会場には白い簡易的な壁で囲まれた迷路のような建造物があり、中にはちょっとした部屋などもある。その中には遮蔽物が設置されているといった構成になっている。
参加人数はちょうど50人、迷路の外側から四面の各場所に合計50枚の扉があり、各扉から1人入り、そこからスタートし遭遇戦になるようだ。
そして1人倒せば1ポイント、弾に当たれば即退場。最後の一人まで生き残れば追加で5ポイント。
合計の点数が一番高い人が優勝で、軍に配属され、戦場に出る。
それがこの大会の基本ルールのようだ。
そして今、その大会『第1回 Proficiency Test Tornament』、通称PTTが始まる…
次回は「第1回PTT」
主人公の紹介もあります!
2話からかよっていうツッコミを待ってます