第7話
「てぇへんだ!」
船に戻った二人に、タマタマは言いました。
「あれを見な!」
遠くの空に、黒く巨大なものが浮かんでいました。
「あれは・・・?」
「あれこそ悪魔どもが作り上げた、空中要塞『ONIGASHIMA』だ!」
「なっ・・・あれでは船で侵入することは不可能!どうする、リンゴ太郎?」
「にゃんにゃーん♪」
リンゴ太郎は猫になったペルシャと戯れていました。
「いや何オマエそいつ連れて来てんの!?」
「だってヘルハザードに頼めば、また可愛い悪魔になるかな〜って・・・」
桃太郎はリンゴ太郎を一刀両断し、久々に人を斬る喜びを噛み締めました。
正気に戻ったランディは、ツッコみました。
「何か怖いよお前!」
「まあ、とにかくあの辺までは行ってみるとしよう」
いつの間にかレギュラーメンバーとなったタマタマは、船を出しました。
そしてしばらく進むと・・・
「!?・・・ぐわっ!」
何者かに襲撃され、タマタマは死んでしまいました。
「リンゴ太郎・・・やはり俺は間違っていなかった・・・が・・・ま・・・」
「タマタマ――!」
リンゴ太郎は言いました。
「いや、俺殺してないぞ・・・?」
海賊王ゴールド・タマタマ――死亡
「何者だッ!」
「ふん、カスを一人仕留めただけか・・・」
遠くの陸地に、大剣を持った大男が立っていました。
「我は疾風の『牙竜』!ヘルハザード様に逆らう愚者どもよ、ここに来い!」
「どうする、リンゴ太郎!?今までで一番強そうだぜ」
リンゴ太郎は長旅の疲れを癒すため、眠っていました。
桃太郎はタマタマの死体を海に放り投げ、リンゴ太郎を踏みつけて叫びました。
「すぐに行くぞ、悪魔の手先め!」
ランディの桃太郎への恐怖は、だんだん大きくなっていました。
「(絶対ドSだコイツ・・・)」
「タマタマ、せっかくレギュラーになったのに・・・あっけなかったな」
リンゴ太郎達は、牙竜のいる陸地へと上陸しました。
「だが仇は討ってやるぜ!そして俺の殺人容疑も晴らす」
リンゴ太郎は、刀を抜いて牙竜に向かいました。
「小僧が・・・『風神剣』!」
牙竜が大剣を振り上げると、突風でリンゴ太郎は浮いてしまいました。
「いや〜んパンツが見られちゃう〜!」
リンゴ太郎は、どこか遠くへと飛んでいきましたとさ。ちゃんちゃん。
「ふざけたナレーションめ・・・次はオイラが行くぜ!」
ランディは突進しつつ、ウンコをひねり出しました。
遠くから桃太郎は言いました。
「お前にはウンコしかないのか!」
牙竜は笑いました。
「愚かな糞馬鹿めが!『霧足』!」
牙竜は霧となり、ウンコを避けました。
そして次の瞬間には、大剣で血まみれになったランディの姿がありました・・・
「ランディ!」
桃太郎は考えました。
「(こいつは強い・・・感情に流されて突っ込めば負ける)」
牙竜は、倒れたランディを蹴飛ばしました。
「わははは!おい腑抜け、貴様は来んのか!?」
桃太郎は言いました。
「ふん・・・そんな馬の一匹や二匹で、私の精神は乱れはせん」
その言葉を聞いたランディの桃太郎への恐怖は、MAXに達していました。
と、そこへリンゴ太郎が戻って来ました。
「俺が主人公じゃあーっ!」
リンゴ太郎は超覚醒し、悪魔『リンゴタリオン』となりました。
桃太郎は思いました。
「(私の・・・パクリかっ!)」
リンゴタリオンは、己の能力を語ります。
「この姿になった俺は、いつもより怒りっぽくなり、超攻撃的になる・・・!」
ピクピクのランディは言いました。
「い、いつもと同じ・・・だろ」
リンゴタリオンは、ランディに向けて波動砲を撃ち込みました。
「アギャーッ!」
とどめを刺されたランディの阿鼻叫喚が、リンゴタリオンを興奮させます。
「女だ!俺は女の悲鳴が聞きたいぞッ!」
リンゴタリオンは、もはやただの変態と化していました。
「女!女!女!」
リンゴタリオンは、女を求めて飛び去ってしまいました。
「いや・・・えっ!?何だったんだアイツ!?」
「いつもより女好きになっただけのようだな」
牙竜は大笑いし、桃太郎へと向かってきました。
「最速・・・『風神剣』!」
「『神風』!」
風と風が激しくぶつかり合い、綺麗なハート模様を描きました。
「美しい・・・!」
「(何だこのシーン・・・)」
「おいランディ、動けるか!」
「いや、見ればわかるだろ・・・」
ランディは既に、肉塊へと変わりつつありました。
「よし大丈夫だな!シャクだが奴は強い、私と組んで戦え!」
「(ドSすぎ・・・だろ)」
「いいかランディ、馬鹿なお前にはウンコしかない。だがウンコでは誰にも負けないはずだ」
「はぁ、さいでっか・・・」
もはやランディに気力はありませんでした。
「私の能力と掛け合わせ、協力奥義『三種の神器』を繰り出すぞ」
「カッコイー!」
ランディにやる気が出てきました。
「二対一か?ならばこうしよう・・・『影足』!」
牙竜は何と、分身してしまいました。
「あいつ何でもアリだな!強すぎだろ!」
桃太郎は、何かもーイライラしてきました。
牙竜Aは大剣を振り回し、ランディに突進します。
ランディはウンコをひねり出し、桃太郎は朱雀炎舞を掛け合わせました。
「臭っ!熱っ!」
炎のウンコは、ダメージはともかく精神的には結構効きました。
続いてランディはウンコをひねり出し、桃太郎は神風を掛け合わせました。
「いっけぇー!マグナムトルネード!」
風のウンコは牙竜Aの大剣にまとわりつき、自然と絡み合い、やがて牙竜Aは倒れました。
牙竜Bは、大剣を振り上げて桃太郎に突進します。
ランディはウンコをひねり出し、桃太郎はTSUNAMIを掛け合わせました。
「ただの下痢じゃねーか!ぶわあっ!きったねぇぇぇ!」
最も気持ち悪い水のウンコは、牙竜Bの動きを止めました。
「主人公は・・・俺じゃー!」
そこにリンゴタリオンが戻って来て、牙竜Bを一刀両断しました。
「ぐはっ!結局負けるのかよ!」
所詮使い捨てキャラな牙竜は、あっけなく敗れました。
リンゴタリオンは、リンゴ太郎へと戻りました。
「どこに行ってたんだ、リンゴ太郎。こっちは結局またウンコで戦うハメになったんだぞ・・・」
「ペルシャたんとイチャイチャしてた」
「お前どんだけあの猫好きなの!?」
「そして見付けたぜ!向こうにあるのは、飛空艇『ビュンビュン丸』だ!」
「何!?今回もネタもストーリーも微妙だったが、でかしたリンゴ太郎!」
リンゴ太郎達は、かつて使った飛空艇ビュンビュン丸を発見し、そこに向かいました。