最終話
形態を変え、竜となったヘルハザードは大火炎を吐き出します。
モモタロイザーと絶影は、それぞれTSUNAMIと暴鬼でそれを防ぎます。
「時間切れだ・・・」
リンゴタリオンとモモタロイザーは、それぞれ元の姿に戻りました。
ランディは言いました。
「チンコ太郎!」
痛恨の言い間違いでした。
いつも通りランディを一刀両断したリンゴ太郎は言いました。
「どうしたバ家畜、何か気付いたのか?」
「奴の力の源は人間の負の力なんだろ?だったら」
「そうか、反対に正の力を与えてやれば・・・」
遂にラスボスを倒す秘策を思いついたようです。
「死ねっ虫ケラども!」
ヘルハザードの大火炎はすさまじく、空中要塞にどんどん火が広がっていきます。
「ONIGASHIMAは墜落するな・・・皆、何かにつかまれっ」
リンゴ太郎の言うように、空中要塞ONIGASHIMAは地上に落ちてしまいました。
「痛い痛い痛い痛い痛い!」
ランディは柱を、絶影はランディの角を、そしてリンゴ太郎と桃太郎はランディのチンコをつかんでいました。
「4Pはやめて!」
ヘルハザードは再び、大火炎を吐き出します。
「まずはあいつの動きを止めることが必要だ!」
リンゴ太郎はそう叫び、それを聞いたランディは飛び出します。
「オイラに任せろ!」
「奴の口の大きさを利用するんだ・・・とおっ!」
ブリブリブリブリブリ・・・ランディは今までで最も大きいウンコをひねり出しました。
「文字通り・・・喰らえーっ!」
そしてそれを投げつけ、邪竜ヘルハザードの口に見事ヒットさせました!
「んがっ・・・臭い!」
口を塞がれたヘルハザードは黒炎を集め、『痛みの灼熱光線』を繰り出しました。
「今度は私に任せろ!」
桃太郎は神風と朱雀炎舞を掛け合わせ、火炎壁を作ってそれを防ぎました。
「これでしばらくは大丈夫のはずだ」
口と炎を潰されたヘルハザードは、巨大な尾で四人をなぎ倒そうとします。
「俺のスピードは世界一ィィィッ!」
素早く見切ったリンゴ太郎は、その尾を一刀両断しました。
「ANGYAAAAA!」
「動きを止めるんだったな・・・行くぜ!」
絶影は『冷凍糞』を繰り出し、ヘルハザードの足下を凍らせてしまいました。
「早くしろリンゴ太郎!やりたいことがあるんだろうが!」
リンゴ太郎はニヤリと笑いました。
「計画通り・・・!」
リンゴ太郎は、皆に言いました。
「奴の弱点は正の力だ!皆それぞれ、ポジティブシンキングな攻撃をするんだ!」
難しい注文です。
「よしではまずは、私から行こう!」
桃太郎は刀『真月』を抜き、叫びます。
「私は昔、内気で店員と話すこともできなかった!だが店員が可愛い女のときは、頑張って話しかけたものだ!」
桃太郎の『勇気の刃』は、ヘルハザードの左足に大ダメージを与えました!
「次は・・・俺だ!」
絶影は冷気でいくつもの刃を作り、叫びます。
「俺は普段女に全然モテないんだ!だからバイトでレジに立ち、女に釣りを出すときは必ず必要以上に手を添える!」
絶影の『喜びの牙』は、ヘルハザードの右足を破壊していきます!
「オイラも続くぜ!」
ランディは角を生やし、それをどんどん伸ばして叫びます。
「オイラはストーカーこそラブだと思っている!好きな子ができたら、毎晩無言電話して寝かせないぜ!」
ランディの『愛情の角』は、ヘルハザードの左腕に突き刺さりました!
「俺の出番だ!」
リンゴ太郎は刀『残月』を抜き、叫びます。
「俺はニートだが全然平気さ!だってよー、いざとなったらどっかの誰かが、多分いつか助けてくれるからなっ!」
リンゴ太郎の『希望の剣』は、ヘルハザードの右腕を斬り落としました!
「KUAAAAA!きっさまらー!」
ヘルハザードの怒りは頂点に達し、黒炎を己の体に取り込みました。
彼は大きな黒い炎の塊となってしまいました。
「これが最終形態か!何でラスボスってのは必ず変態するんだろーな!?」
「皆、力を貸してくれー!」
リンゴ太郎のもとに光が集まり、絶影と桃太郎とランディは手をつなぎました。
そして順々に、最後の必殺技を繰り出すべく叫びます。
「俺達は!」
「友達が馬をいじめていたら!」
「一緒になっていじめてやる!」
「いや・・・おかしくないそれ!?」
ランディの台詞を無視して、『友情の十字架』はヘルハザードに突き進みます。
「ぐおおおっ!おのれハゲどもー!」
ヘルハザードは『友情の十字架』によって、少しずつ封じられていきます・・・
「ハゲはお前じゃ!地獄がお前を呼んでるぜ!」
リンゴ太郎達は、キメポーズを取りました。
「ぎゃあああああ!」
そして遂に、ヘルハザードは魔界とこの世を繋ぐ冥界門に封じ込められてしまいました。
「こんなもん・・・こうじゃ!」
リンゴ太郎はランディを蹴飛ばし、あふれ出たウンコで門を封じてしまいました。
「まだ・・・だ」
門からウンコまみれのヘルハザードが現れ、最後の攻撃を仕掛けます。
「『怒りの大爆発』!」
残っていた黒炎を全て使い、大爆発が起こりました。
「危ない!」
桃太郎は飛び出し、己の体でウンコいや爆発から三人を守りました。
「桃太郎!おい、大丈夫か!桃太郎!」
悪あがきを済ませたヘルハザードを一刀両断し、リンゴ太郎はウンコまみれの桃太郎に走り寄ります。
「桃太郎、馬鹿なことを・・・あんなんランディを盾にしときゃ良かったのに」
「!?」
ウンコを強力に凍らせた絶影は、言いました。
「これでもう、悪魔が現れることもないだろう」
ウンコをしぼり出しすぎてフラフラのランディも、言いました。
「失ったものは多すぎたけど、これでこの旅も終わりだな」
ウンコいやリンゴ太郎は、目を開けない桃太郎に向けて言いました。
「ウンコウンコうっせえな!・・・帰ろう桃太郎、ジィさんとバァさんが待ってるぜ・・・」
こうして一行は、帰路についたのでした。
そして・・・
その後ランディはギンギンシティへと戻り、また冒険の記録を出版しました。
その本はまたまたベストセラーとなり、今やランディは世界一の有名馬となりました。
「リンゴ太郎、桃太郎、絶影!実はオイラ、ちょっとお前達に憧れてたんだぜ」
ランディは一人、部屋でそう呟きました。
「ランディ、お前のウンコの臭さ、ずっと忘れないぜ!」
「お前はどこに出しても恥ずかしくない、立派な家畜だ・・・」
「ん?ああ、いたのかお前」
リンゴ太郎、桃太郎、絶影のそんな声が聞こえた気がしたランディは、今日も仕事に出かけました。
「ガンツ、ゴンザレス、武蔵、タマタマ、牙竜、ピエロ・・・安らかに」
世界平和の礎となった六人の墓の前で合掌し、ある男が歩き出します。
「よぉ・・・生きてたんだな、しぶとい奴だぜ」
そこに、絶影がやって来ました。
男は桃太郎でした。
「そう言えばここは、お前と最初に戦った所だったな」
「ああ、リベンジならいつでも受けるぜ?そのケガ治ったらな」
桃太郎と絶影。彼らは良きライバルとして力を高め合い、その後も何度か世界を救う英雄となりました。
「ペルシャた〜ん」
「にゃー」
家に戻ったリンゴ太郎は、ペットにした猫・ペルシャと戯れています。
「愛情の形は変わったけどよ・・・可愛がってやるからな」
そこに、太郎お爺さんが現れて言いました。
「こりゃリンゴ太郎!いー加減働かんかい!」
「あーあ、うっせぇジジイだなあ。まぁ平和で暇な事だし、そろそろ働くかね!」
リンゴ太郎は、そう言ってタウンワークを開いて・・・二分で飽きて見るのをやめました。
完