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リンゴ太郎2  作者: oyj
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第10話

三人は悪魔達を次々に倒していき、遂に最奥部へと辿り着きました。

「最終回の予感・・・!」

「ここまでよく頑張ったなランディ」

「どうしたんだリンゴ太郎?」

「戦いが終わって馬刺しになっても、お前のことは忘れねーよ」

「!?」

リンゴ太郎は、いつかのランディ馬刺し化計画を思い出していました。


リンゴ太郎は、今までの旅を振り返っていました。

ガンツとの再会、武蔵との死闘、牙竜との激戦。

「どれもみんな・・・アホらしい戦いだったな」

そして思い出しました。

「ああっ!ペルシャたん連れてきてねーぞ!」

しつこさMAXでした。


桃太郎も、これまでの事を思い出していました。

魔女に苦しむ村々を助け、吸血鬼に怯える人々を救い、

「って、待て待て。そんな話なかったぞ」

実際は・・・

ゴンザレスのゲイ発覚、ゴールド・タマタマとの出会い、そしてデブ龍との戦闘。

「(ほ、本当にまともなものが無い・・・ッ!)」


そしてランディも、この冒険を振り返ります。

タッグバトルで斬られ、牙竜戦で撃たれ、ピエロの時は盾にされ・・・

「・・・オイラやられた記憶ばっかりなんだけど!」

しかもほとんど仲間によって、です。


「この旅は辛いこともあったが、楽しかった」

「ああ、心からそう思う」

リンゴ太郎と桃太郎は向かい合い、握手しました。

「元気でな・・・あばよ」

「って今から戦うんだろが!」

桃太郎は、ボーっと見ていたランディを一刀両断しました。

「アギャーッ!はいはいわかってました〜」


「行くぜ!」

三人はやっと、最後の扉を開けました。

「・・・はっ」

ヘルハザードは着替え中でした。

「ノックくらいせんかっ!」

三人の気合いは、一気に急降下しました。


「よくぞ来たな、リンゴ太郎、桃太郎、ランディ!」

しっかり着替えを済ませた赤い悪魔は言いました。

「デスハザードは私が作った悪魔。それが作ったお前ら二人は、いわば我が孫よ」

リンゴ太郎はそのことを思い出し、ヘルハザードの頭を見て安心しました。

「良かった、毛があるぞ!俺達ハゲないんだな!」

数年前はハゲでしたが、今は彼らには毛があります。


「ふふふっ、毛の心配か。可愛い孫どもよ」

ヘルハザードは、ヅラを取りました。

「あっ・・・あああ〜!」

「やはり運命からは・・・逃れられんのかッ」

創造主のハゲ頭を見たリンゴ太郎と桃太郎は、ショックでたまりませんでした。


ずっと蚊帳の外だったランディは言いました。

「おいおいお前ら、今はそれどころじゃないだろ」

「それどころとは何だ!お前にはハゲの気持ちがわからんのだ!」

ランディは切なくなってきました。


「おいハゲ!てめぇなんぞ俺達の親でも何でもないぜ」

「その通りだ。我々の親は、家で我らの帰りを待つじいさんとばあさんだけだ」

ヘルハザードは笑って言いました。

「ふん、神の使いであるその馬と一緒に旅をして、悪魔の心を失ったか」

「・・・え?」

何とランディは、神の使いでした。


「今は亡き神。奴は死ぬ前に、天馬の子供を動物王国に落としたのだ」

「え?こ、この家畜が・・・?」

リンゴ太郎は才能のある奴が大嫌いです。何かイラついてきました。

「そしてヨーゼフに拾われ、王子となった・・・それがオイラの過去か」

桃太郎は思いました。

「(この話ってそんな壮大なスケールのものだったのか?)」


「まぁ過去など関係無い・・・今の貴様らは私の敵!焼け死んでもらうぞ」

ヘルハザードの両腕が、ハゲしく燃え始めました。

「ハゲってゆーな!」

彼も結構、気にしているようです。


「この空中要塞で、私は世界中から人間どもの負の感情を集めた!それを力とするのが我が能力」

リンゴ太郎と桃太郎は刀を抜き、ランディは角を生やしました。

ヘルハザードの周りに、邪気が集まってきました。

「ここまで辿り着いた貴様らを称え、私は最高の力をもって戦おう!」

ヘルハザードの炎と周りの邪気が、一つの黒炎となりました。

「何かバトル漫画みたいにカッコイー展開になってきたな!」

「漢字が多くて読み辛いぞ!」


「聞こえるぞ・・・ゲームセンターのコインゲームで遊ぼうとして、間違えて100円を入れてしまった少年の悲しみの声が!」

三人の頭上にいくつもの溶岩が現れ、降ってきました。

「『悲しみの溶岩雨』!」

襲い掛かる溶岩を、桃太郎の神風とランディの砂嵐が防ぎます。

「強い!おじさん強いよぉ〜!」

リンゴ太郎は一人ふざけています。


「見えるぞ・・・頻尿なのに授業が長くて、トイレをずっと我慢している学生の苦しむ姿が!」

三人の足下に炎が現れ、大きくなっていきました。

「『苦しみの火炎壁』!」

襲い来る火炎を、桃太郎のTSUNAMIとランディのウンコが防ぎます。

「合体技『水のウンコ』・・・まさか最終戦で役に立つとはな」

リンゴ太郎は何もできず、鼻クソをほじっています。


「どうした小僧ども、守るので精一杯か?」

ヘルハザードの周りの黒炎は、どんどん大きくなっていきます。

リンゴ太郎は叫びました。

「おい悪魔・・・俺の小話『半ケツ物語』を聞きやがれ!」

「ふん。メイドの、いや冥土の土産に聞いてやろう」


昔々、ある所に尻の綺麗な男がいました。

その男は中性的で美しく、刑務所に入れば一番に犯されるような男でした。

しかしプライドが高く、その尻は決して他人に見せも触らせもしませんでした。

ある時男のもとに、隣村の噂が流れてきました。

隣村には桃が大好きな山賊が現れて、村中の桃を食い荒らそうとしているというのです。

男は隣村に向かいました・・・

そして桃の木に登り、美尻を出して山賊を待ちました。

その晩、山賊は見事に引っ掛かり、男の尻を喰らいつきます。

男はその機を逃さず、山賊を退治しました。

以来男の尻は山賊の歯形で醜くなってしまいましたが、男はそれを誇りとしました。

あえてかじられていない美尻部分を隠し、醜い半ケツ部分を出して見せる。

誇り高きその男は太郎といい、その後妻とともに桃から生まれた子供を育てることになるのでした。


「(・・・じいさん?)」

「(随分引っ張った割に微妙ー!)」

「それでおしまいか、小僧?」

「ああ終わりだ。これは誇り高き我が育ての親の話!てめぇに聞かせてやりたかったんだよバカ親」

「・・・ふん、くだらん!」

「だが時間稼ぎにはなったぜ、なぁ桃太郎、ランディ!」


リンゴ太郎はリンゴタリオンに、桃太郎はモモタロイザーに、ランディはペガサスに。

それぞれ変身し、反撃に出ます。

「おぉその姿まさに悪魔!そして憎き天馬よ!」

ヘルハザードは興奮してきました。

「ビンビンじゃあ!」


「感じるぞ・・・チンコをチャックで挟んだ哀れな男の、痛みの表情を!」

ヘルハザードは黒炎を一箇所に集め、それを解き放ちます。

「『痛みの灼熱光線』!」

極太の赤い光線を、リンゴタリオンが大爆発ビッグバンで拡散させます。

更にモモタロイザーの朱雀炎舞がそれを別の場所で一つにまとめます。

そしてランディはその炎を角にまとい、ヘルハザードに向かって飛翔しました。

「何ぃっ!?」

見事な反撃を受けたヘルハザードは驚きます。


「わかるぞ・・・新車を買ったのに鳥の糞に汚され悩む者の、怒りの感情が!」

ヘルハザードの黒炎が、格段に大きくなりました。

「『怒りの大爆発』!」

空中要塞が墜落するほどの爆発が起こりましたが、三人には傷一つありません。

「・・・はっ!」

何と巨大な氷の龍が三人を守り、そして溶けてなくなりました。

「やっと痩せることができたわ・・・ふふふっ」


そこには絶影が立っていました。彼が朝青龍モーニングブルードラゴンを召喚し、三人を守ったのです。

「お前・・・!」

「戦いはまだ終わっていない!油断するな!」

ヘルハザードは形態を変え、四人に襲い掛かります。

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