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リンゴ太郎2  作者: oyj
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第1話

昔々、世界は鬼達によって支配されていました。

しかし勇者・桃太郎たちによって、世界は救われていったのでした。


数年後、今度は魔王となった桃太郎によって、世界は闇に包まれました。

しかし新たな勇者・リンゴ太郎たちによって、世界は再び救われました。

多くの犠牲はありましたが、悪魔デスハザードは敗れ、桃太郎は人の心を取り戻しました。


そしてまた数年後・・・

かつての勇者たちは今、どうしているのでしょうか。



桃太郎は一人、武者修行の旅をしていました。

「勝ち取った平和を守る事が、力ある者の務め。そして私の過去の過ちの償いでもある」

そう誓った彼は、日々努力を繰り返し、闇の力を前以上にコントロールできるようになりました。


ランディは前の旅の事を記した本を出し、それがベストセラーになりました。

大金持ちになった彼は、かつてのビンビン村を買い取り、その名をギンギンシティと変えました。

今やその街の神として君臨する彼はでっぷりと太り、もはや勇者の心は失っていました。


リンゴ太郎は、家に帰ると即行でヒキコモリました。

ゲームやマンガを買い漁り、何ヶ月もインドアな生活を続けました。

そんな彼は今やNo.1ニートとして、ネット上で尊敬される存在となっていました。



そんなある日、武者修行を続ける桃太郎のもとに、ある男が現れました。

「俺は絶影、かつての桃太郎軍の戦闘部隊の一人だ」

「ほう、その節はすまなかった・・・」

「侘び入れさせに来た訳じゃない。俺と戦え!」

絶影は桃太郎に襲い掛かりました!

「やっやめろ、私にそんな趣味は無い!」

昔ゲイバーで働いていた桃太郎は、妙な台詞を口走るのでした。


「喰らえ!『絶輪ゼツリン』!」

桃太郎の台詞を完全スルーした絶影は、技を繰り出します。

氷の輪が桃太郎を包みましたが、彼は素早く上空へと回避しました。

「やるな!『暴鬼ボッキ』!」

地上に氷の柱が生え、上空の桃太郎を襲います。

しかし桃太郎は空中で方向転換し、刀を抜いて絶影に向かいました。


「さすがだ桃太郎・・・だがその程度か」

「何!?」

「『大暴威ビッグボーイ』!」

絶影が突き出した両手から、冷風が吹き荒れ桃太郎をふっ飛ばしました。

「とどめだ・・・必殺!」

絶影は力を溜め、大きな氷の玉を作り出し、倒れている桃太郎にぶつけました。

「ぐはっ!」

「キンキンボール・・・略して『金玉キンタマ』だ」


「くっ・・・無念」

「かつての魔王も大した事無いな」

絶影は桃太郎の頭を踏みつけ、去っていきました。

「(卑猥な技名だった・・・だが強い)」

桃太郎はいろんな意味で、初めての屈辱を受けたのでした。



一方、鬼ヶ島――

最下層でリンゴ太郎たちに敗れて死んだデスハザードが、復活を遂げていました。

「おのれあやつら・・・今度こそ私が世界を支配してくれる!」

そこに新たな悪魔が現れました。

「はっ、あなたは・・・ヘルハザード様!」

どうやら魔界でのデスハザードの上司のようです。


「デスハザード、貴様いつまで時間をかけるつもりだ?」

「すっすいません部長、実は私今まで気絶しておりまして」

「貴様は頭が悪いのか馬鹿なのか、どっちだ」

「・・・は?」

「貴様は屑なのかカスなのか、どっちだ?」

「あの・・・」

「貴様はハゲなのかヅラなのか、どっちだ!」

「りょうほ」

「両方だッ!!!」

デスハザードは燃やし尽くされ、一瞬にして灰になりました。



「もう良い・・・この世界、私が自ら支配してくれる」

新たな悪魔・ヘルハザードと、狂戦士・絶影。

かつての勇者たちはどいつもこいつも役立たずで・・・

世界は三度、闇に包まれたのでした。



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