決着ですわ?
フフフ、アルフレッド様がお怒りになるのも致し方ございませんわね。
自身が襲われたことも御座いますが、この方は友情に厚きお方です。
特にこの仲間の4人に対しては絶大な信用とそして友愛を持たれておられますもの。
私共もその中に入れて頂けておりますが、男性同士の友情とはまた別物。
クリストフのあの状態を見たときに感じた義憤が抑え切れなかったのでしょう。
「すまないね、ヒルデ嬢、でもこれ以上この男に貴女と話す価値はないだろう」
「後は、お任せ致しましても構いませんでしょうか」
「ああ、任して頂こう」
やはり、立派になられましたわ……
これだけで私の2度目の生は甲斐があったというものですわね。
ええ、たとえ別の誰かの為だとしても、国の為にと生まれ変わったときに誓いましたもの。
「さて、フィリップ、私の愛しいヒルデへの数々の暴言許しがたいな」
「「「……」」」
「ウフフ、漸くですわ」
ア、アア、アルフレッドォな、何を言ってえ?
ちょっとお待ちくださいませ、今なんと……
それとレイチェル様、漸くですとはどういうことですのでしょうか、詳しく直ぐに教えて下さいませ?
「お兄様とお義姉様のやり取りをみて、私、ずっともどかしかったのですわよ! やっと気弱なお兄様が心意気を見せる場面がやってきて私嬉しいですの!」
レイチェル様、それは義理の姉というほうのお姉さまですわよね。
しかもアルフレッド様を気弱って、何か意味合いが……
そんな筈は、え?
何故に皆さんが納得して頷いておられますのかしら!
お兄様までですかっ、え、クラウディアも?
ちょっとお待ちになって……
わ、私の意見は、あの、その……
今はそれどころでは。
「だから変なんだよ! なんでアルフレッドが悪役のヒルデガルドに愛を告げているんだ!」
「下郎が如きが、我が愛しいヒルデガルドの名を口に出すな! 侮辱するなど以ての外! 言っただろう、貴様は既に皇太子ではない、存在もしない、この書簡は先程王城から届いた魔法通信書簡だ、貴様の居た国からのな、そしてこう記されている『フィリップなる皇太子は幼き頃に病没』とな、分かるか、貴様は既にその地位にいた事さえも否定された」
……
……
「う、嘘だ、嘘だ……そ、そんな筈は、わ、私は皇太子で最後の攻略キャラで……混乱をもって攻めて……アハ、アア、アハハハ」
「この者を捕らえよ、殺害しても飽き足らないがその様な真似をする価値もない、国に送り返す。それで宜しいかヒルデ?」
「……」
「ヒルデ?」
「……ハッ!? はい、互いの国の関係を考えれば、そのお考えで宜しいかと。あの方は幽閉でもされる事でしょうから二度と表舞台には立たれませんわ」
完全に意識が……
なぜヒルデとそのままで呼ばれたりするのです。
何故皆様笑顔なのでしょうか。
其れよりもまた、その、愛しいって誰ですの?
あの、誰かご説明くださいませ!




