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乙女転生―悪役令嬢REPLAY―  作者: せおはやみ
REPLAY―乙女恋愛遊戯編―
72/75

不明ですわ

 私とアルフレッド様は夜の妖精に護衛されながら急ぎ部室へ向かい、飛び込みました。

 クラウディアを守りながら傷ついているバートレットの姿が目に入ったからです。即座に制圧しましたが、この様子ですと全ての仲間が襲われていると考えた方が良いでしょう。


「ヒルデお姉さまぁ」

「もう大丈夫よ、クラウディア。バートレット様、妹を守っていただき有難う御座いました」

「いえ、レディを守るのは紳士として当然、クラウディア嬢を守れてよかッ」

「怪我を!? 今治療いたしますわ」


 その時にお姉さまが勢い良く飛び込んでこられたのです。即座に治癒の魔法を掛けながら、お姉さまのお話を聞きました。ちょっと後程、バートレットとはお話が必要かもしれませんが後回しですわ。


「お嬢様、問題が発生しております」

「ええ、私達も先程別の場所で襲撃を受けましたわ」

「いえ、まずはこれをご覧下さいませ」


 渡された物は魔法通信を利用した最速便の手紙でございました。

 差出人が皇国の王妃様でございます。余りの内容に私もまさかとしか言葉が御座いませんでした。


「皇太子殿下の捜索願い……」

「ヒルデ嬢、それは?」

「皇国の王妃様からの魔法通信書簡ですわ、皇太子殿下の捜索願いをと……」

「な? どういうことだろうか」

「私、例の皇太子殿下の帰国について王妃様へお礼の香水をお送りしましたのですが、配達には日数がかかりますので到着したのは本日だったようです。そこで私が皇太子殿下のご帰国についてのお礼の件を述べていましたが、皇国の王族ではその一連の事実を把握されておられなかったようで御座います」

「そんな事がありえる筈が……」


 どういう背景が隠されているのでしょうか。

 先ずは皇太子殿下は帰国の手続きはされていて暇乞いの挨拶までしていた。

 これがこちらの把握していた状況ですわね。

 そして皇国では。

 帰国するように王妃様が働きかけて下さった。

 皇太子はその命令も無視していた。

 皇太子の帰国などされていない。

 こういう状況でございますわ。

 帰国までのタイムラグ……

 いえ、王族であれば国境を越えてからの転移門を使用しますわよね、最低限国を越えた記録がなされていればこのようなご連絡はきませんわね。


 何らかの方法で皇太子フィリップは此方を欺いている。

 王都や学校から姿は消したが帰国はしていない、となると恐らく潜伏している可能性が高いですわね。

 命令を無視しているという事や国のやりとりの合間を縫っての襲撃計画だとすれば……


「どちらにしましても、レイチェル様とエーリカが危ないですわ。それとお姉さま、緊急の連絡で皇国のルナ王妃様へ魔法通信書簡を送って下さい。公爵家の名を使い直通の連絡を、問題の発生と事実のみをお伝えして、出来れば対応をお願いしますと。それに王家に使いを差し出して連絡を入れて下さい。出来る限り事実が判明するまでは大事にしないように」

「承りました、直ぐに」


「本来は此処で待ち構えたいところですが、バートレット様、クラウディアをお守りくださいませ」

「お任せあれ」

「アルフレッド様」

「うむ、レイチェルたちの下へ急ごう」

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