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乙女転生―悪役令嬢REPLAY―  作者: せおはやみ
REPLAY―幼女転生編―
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お姉さまがきましたわ

 やり直しの人生を歩み始めて早3年。

 時が過ぎるのは早いもの……後悔しない為にと日々過ごしております。いつの間にやら神童なんて大層な呼ばれ方もしておりますが、神童と思われるのも、ある意味好都合。誕生からの数ヶ月、通常なら泣き叫びオシメを変えて頂いたり授乳を頼まなくてはなりません。


 ですが! わたくしの矜持として泣き喚くなどと出来よう筈が御座いませんでしたの。


 ならばと、声の質や表情で知らせてみればと思い、やってみればアラ簡単。手のかからない乳幼児から今では齢3歳にして読書に勤しむ神童にジョブチェンジ致しましたわ。




 本日は私の3歳の誕生日。

 前世では可愛らしい人形を頂きました、名前もつけて可愛がったりしたものです。後年になって友人から似合わないと言われた事など気にしておりませんわよ? 私には目標が御座いますから、目的に沿った物に変更するだけですわ。

 貴族令嬢の嗜みとして簡単な護身術や剣術は修めた私で御座いますが、暗殺者などに対するには足りなかった事は今思い返しても忸怩たる思いで溢れかえらんばかり、不意を襲われ毒を使われたと言えど一生の不覚。

 そこで貴族令嬢としての振る舞い、作法、稽古事、そして趣味として褒められるような習い事の類は既に一通り出来る事から決心いたしましたの。


 自らを肉体的にも鍛えようと。


 暗殺者に対応するには『その術を全て分かっていれば対処が可能である』という結論から、『護衛』兼『指導者』として東方諸国から優秀な従者を雇って頂けるようにお父様へと『プレゼント』の代わりにお願い致しました。最初は『護衛』ならば構わないが『指導者』というところで難色を示めされたお父様でしたが(当然の反応で御座いますわね)礼法を修得する事を条件に許可して頂きました。


 オホホホ、既に修得済みですのに条件にして申し訳御座いません。


 元来スカーレット家というのは軍ならびに宮廷魔導師にと先祖代々活躍するものを排出してきた家系でも御座います、私の将来を鑑みても損にはならないと判断して頂けたのでしょう。




 人選に関しては私の意(前世の記憶)を酌んで頂いた故でしょうか、紹介者から伝わり、当家に来て戴く事が叶ったのは、『お願い』をしてから1年という時間を要しました。到着なされたのは18歳の女性の方で、常に私の護衛も兼ねて侍女メイドとして雇う事になりました。

 時間が掛かったのは致し方ないでしょう。この国で護衛といえば騎士であり、魔法使いであるのが通常で御座いますから。紹介者も暗殺の術を持つ者を護衛として仲介するなど思いもよらなかったでしょうし。



 私の前に来られた方は、それは見事な黒髪の女性でした。


「お嬢様、私が本日よりお傍に付かせて頂きますセリと申します。何卒宜しくお願いいたします」

「此方こそ宜しくお願いいたしますわ。それと貴方には私を指導して頂くのですから、私の方が教えを請う立場となります、ですから、その際にはシショウと呼ばせて頂いても宜しいでしょうか」

「よくご存知ですね。此方の国でマスターやティーチャーに相当するかと思いますが、宜しいのでしょうか」

「ええ、教えて頂くのは私の方です、立場がありますので色々と有りますが……」

「私の方も出来る限りの事はさせて頂きますが侍女(メイド)なるモノを学ぶには少々時間が掛かりましたので、何か問題が御座いましたらお教え下さいませ」


 素晴らしい方に来て頂けましたわ!


 成る程、この所作や言葉遣いなどから推察いたしますと、遠方出身にも係わらず、来訪されるまでの短期間で、これだけ見事にこの国の侍女の振る舞いをされているだけはあるのですね。お話を聞けば大変面白く、やはり、付き人や側用人などの知識も含めたりと、故郷の知識との差などを埋める為に此処に来るのに時間が掛かったそうです。

 

 今までお姉さまと呼ばれた事は御座いましたが、この方を心の姉とお慕いしましょう。


 必ずや立派な妹になりましてよ!

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