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乙女転生―悪役令嬢REPLAY―  作者: せおはやみ
REPLAY―学園友情編―
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見事ですわ

 夏季休暇が終わりまた寮生活に戻るべく、私達は王都へと帰ってまいりました。


 スカーレット領での事業計画や諸事は万事滞りなく済みましたわ。

 王太子殿下達の『協力』が成功した結果、私が更に忙しくなったのは計算外でしたが。



 最終日に見せて頂いた彼らの趣味の作品はどれも素晴らしかったです。

 王太子殿下の木彫りの花をモチーフとした髪飾り。

 バートレットのボトルに入れられた造花の花園。

 クリストフのブローチ状の造花の花束。

 デイヴィッドは手足など部品を木彫りし皮を使った可愛らしい熊の人形でした。

 エルリッヒは彫金と羽を用いた繊細な帽子飾り。


 これで貴族男性の社交界にも趣味の世界が広がりますわね!

 少々用意が大変ですが悪い事では御座いませんでしょう。


 それは結果が示しておりますわ。

 王妃様を初めとして、皆様の作品を受け取ったご婦人方が大変喜んでおられましたもの。折角素晴らしい作品ができましたから、皆様に是非お母様など大切な女性へとプレゼントされるようにと助言させて頂きました。私、素晴らしい事を成し遂げた様で御座いますわね。

 滞在のお礼にと言われましたが、あのように素晴らしい作品は相手を選びますものね。

 ええ、既にその噂からかスカーレット領への滞在希望の問い合わせが殺到しておりますのよ。


 オーホッホッホッホ。


 遊戯室や談話室ではレイチェル様とジャンヌそして私も含めて同じゲームをしましたし、多少は友人として扱って貰えるようになったようです。

 手加減をせずに相手をしましたので、その、少々やり過ぎだったかもしれませんが、大丈夫ですわよね?

 楽しんで挑んでおられたと思いますのよ。

 わ、私が結局全勝してしまったのは致し方ありませんの!

 手加減などは相手の為になりませんもの、決してレイチェル様やジャンヌの仇と思ったわけでは御座いませんわ。



 私個人としては自身の成長もありましたわ。

 この夏季休暇における新たな成長と言えば成形魔法の上達でしょう。

 ゲームなどにも興じましたが、やはり自分でも物作りをしてみたかったのです。

 ならば特訓も兼ねてと成形魔法を選んだのはそうした理由でした。

 水よりも土、土よりも金属、そして金属よりも木片と成形するのにも魔法の難易度が違いますが、この夏で金属も木片も上手に加工することが出来るようになりました。


 それと、この魔法を選んだのにはもう一つ理由が御座いました。

 二学期中旬、秋に催されます魔法文化祭においての出し物です。発表の形は様々ありますが、基本的には個人単位は少なく、有志にが集まって行われますの。魔法に関して研究発表、魔法を使った舞台劇から魔法で調理した食べ物を提供する喫茶の店まで様々です。

 そこで私達三人は更に有志を募ってチャリティーを開こうと計画しましたのよ。

 成形魔法だけでなく様々な魔法を用いて小物や陶器などを作り上げて販売するお店を出店するのです。




『求む、魔法小物同好会の会員となる女子生徒を募集します、魔法小物製作の有志は奮って参加ください。製品は魔法文化祭でチャリティーを開催し出品します。製作のみの参加も歓迎です。詳しい内容の問い合わせはハモンド教諭、若しくはレイチェル・ジュエル・エルガルド・ローゼン、ヒルデガルド・ルビー・スカーレット、ジャンヌ・シルバー・エリンジウムまで』


 一年生では大掛かりな魔法も使えませんし、事前申請で却下される事が多いですから、こうした催しの方が皆さんが参加しやすい筈ですもの。


「用意しておいた説明書がそろそろ切れそうなんだが、ヒルデ、残っているか」

「ええ、御座いますわよ。やはりジャンヌは人気がありますわね」

「この三人で声を掛けやすいだけだろう……」


 掲示板に貼りだしたその日に問い合わせが多数ジャンヌに訪れたのは嬉しいですわ。

 ええ、レイチェル様は王族ですから受け取りに来たのは王太子殿下のみ。

 私は畏怖されておりますから、例の面々だけでしたの……


 そんな時ですわ、彼女に声を掛けられたのは……

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