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乙女転生―悪役令嬢REPLAY―  作者: せおはやみ
REPLAY―学園悪役令嬢編―
27/75

気合ですわ

遅くなりました。


 午前の座学から始まり、昼前に基礎訓練、そして午後は魔法実技の授業。これが1年の間、休日を除いて毎日続き、帰宅後も課題が待ち受けています。


「皆さん大変そうですわ、ヒルデお姉さま」

「少し物足りないな私は」

「ジャンヌ……貴方は座学の課題がこのあとに控えているのを忘れていますわね?」


 顔色が見事に薄れていくジャンヌ……

 やはりでしたわ。

 大丈夫ですわよね?

 一応前世でも頑張ってましたから。


「た、助けて貰えるだろうか、ヒルデ嬢」

「自分でやらないと身に付きませんわよ?」


 ジャンヌが私以外の他の女生徒に声をかければ、頬を染めて喜んで相手をして下さいますでしょうが、ハァ、これも前世と同じですわね。天然過ぎるジャンヌが別の意味で問題にならないように相手をしませんと……


「助けますが、自分でやるのですよ?」

「判った、有難うヒルデ!」


 尻尾が見えますわ……

 男装の令嬢として外見は素晴らしいのに、中身がこれですから。


「ヒルデお姉さまと一緒に勉強……私も参加しても宜しいでしょうか?」


 前世では大変苦労していたのに、今世では本当に成長されましたわねレイチェル様。妹デシになった時から、私と一緒に修行した結果、厳しいと評判のこの学校の授業を余裕の状態で受けられてますもの。

 ジャンヌが犬っぽく成長してますが、レイチェル様は猫でしょうか?

 天使の愛らしさをもった猫ですわね。可愛がりたくなりますもの。


「勿論ですわ、では勉強の後には茶会にしましょう、私がお姉さまから直伝されたワガシから編み出したストロベリーホイップクリームダイフクとリョクチャを用意しますから皆で頂きましょう」


 ジャンヌったら尻尾があったら振り切れそうな程嬉しいようですわね。レイチェル様も心が既にスイーツに向かわれたようです、既に夢の中ですわ。

 やる気を出して下さるのでしたら構いませんが、少々ご褒美の提示が早かったかしら。



 それにしましても、やはり初日だけあって死屍累々としてますが、皆様これしきで倒れていては今後大変でしてよ。エリート校であると同時に最も厳しいとされているだけはあり、第一学年はまだ温いのです。

 第二学年になれば基礎訓練が実践訓練となり白兵戦での戦いを学び、魔法実技は魔法戦闘となり魔力切れまで魔法を放つ厳しさになりますもの。

 第三学年は午前中が全て座学、そして昼からは戦闘訓練形式で魔法と近接戦闘がおりまざったり隊列を整え実戦訓練形式で様々な場所へ赴いたり。戦略や戦術を学ぶといった方式に切り替わるのです。


 生徒を決して見離す事は無いが、落ちこぼれもまた決して許されない。

 それがこの国立軍事魔法学校の方針ですから。


 正直に言いまして、この厳しさを貴族の子息が耐えられるのかと言いますと無理ですわ。ですが、運動能力の基礎訓練、魔法実技訓練の能力的に専門教育を習っていない普通学校出身者にとっても地獄。ですが喰らい付いていこうという気質は高いもの、そこは評価されるべきですわね。

 この学校の実技、技術担当の教員となる方々の採用基準は、貴族からの圧力に対してNOと言える方々のみ。平等に扱う事で有名な方達ですから、例え貴族の子息から抗議を受けようが実家から申し出があろうが突き返されます。




 ジャンヌの分の座学の面倒をみつつ、自分の課題を終わらせお茶会の準備をしておりますが。なんだか前世と同じ様にジャンヌの世話をするのは不思議ですわね。

 そして前世以上にレイチェル様とも姉妹の契りをかわしましたし。


「あら、レイチェル様、ほっぺたにクリームが」


 少し薄めのモチの皮の中に生クリームとアンに包んだイチゴ果肉を入れて食べるのですが、皮が薄いので零れてしまったのでしょう、愛らしいですわ。


「ほんとうですの」

「フフフ」

「笑っておりますが、ジャンヌ、貴方どうやって鼻の頭にクリームをつけたのですか」

「ほんとうですわ」


 次は中身を洋ナシのコンポートとレモン風味のクリームにしてみようかしら……

 疲労困憊で倒れこむ生徒達もおりますが、私達の学生生活は順風満帆のスタートですわ。

 そう言えば……

 あの方々のお誘いもありましたが、大丈夫だったでしょうか。

 お誘いされるとまで言われていたのですから、その時お話をお聞きしましょう。

 これ以上は避けて通れませんわ。

 まぁ報告通りなら問題は御座いませんわよね? 

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