見違えましたわ
問題はレイチェル様とジャンヌですわ。
二人をこの問題には巻き込みたくないですの。
「お兄様、私達をお忘れでは?」
訓練の結果なのか、兄である王太子殿下とも普通に話せるというレイチェル様が問いかけられました。良いジャブですわレイチェル様、この場合私から述べるよりも数段の威力がありましてよ。
……ってレイチェル様!?
「レイチェル様、ヒルデガルド様、私達には女子会に参加するという目標も御座います」
ジャンヌも中々抜けない癖もましになってまいりましたわね。その分凛々しく親友として並びたった男装の麗人の面影が強くなって心配ですわ。
令嬢を惑わす天然の様は心臓に悪いですもの。
「すまないレイチェル、忘れている訳では無いよ。ジャンヌ嬢、教えて頂き有難う。そうですか、残念ですがまた次回、日を改めてお誘いさせて頂いても宜しいでしょうか。令嬢に対して急にお誘いした無礼は許して欲しい、ではまた」
あら?
というか何方ですの?
そう言えば式の前に御会いしたときも変でしたが……
「いえ、こちらこそお誘いいただきましたのに申し訳御座いません、ご配慮有難う御座います。予定が合いましたらお誘いくださいませ」
なんだか調子が狂いますわ。
私の気合はどこへいったら良いのでしょう?
予想ではサロンで新しい技などを試すとか無理に連れて行こうとするのを宥めてなどと考えておりましたのよ?
ジャンヌとの特訓で憂さをはらしましょうか。オホホホ、ジャンヌったらこっちをみて震えないで頂きたいですわ。冗談ですわ。
それにしても団体で押しかけた事以外は中々板についた所作でしたし口上でした。うーん聞いていた噂も余りにも出来すぎておりましたが事実でしょうか。
と言いましても、私、あの方々の噂話などを気にするなど、そんな事している場合では御座いませんが。
それよりも今はエーリカ・ダリア・ランドクリフ、そしてジョセフ・ダリア・ランドクリフですわ。
女子会へ伺ったらお姉さまに動いて頂いてもっと情報を集めませんと……
間者からの接触や実家の資産状況まで調べ上げましょう。
後は私が時期を見て近づいて見極めて判断する必要が御座いますわ。
もし、害悪であるならば処断あるのみ。
違うなど有り得ないとは思いますが事情があるならば助けましょう。
とにかく情報が足りません、戦いは相手の情報を如何に集め準備すべきかで決まる、お姉さまの格言は至言ですわね。
暗殺依頼などしてくる愚かな貴族の対応も御座いますのに。
入学早々に忙しいですわ




