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乙女転生―悪役令嬢REPLAY―  作者: せおはやみ
REPLAY―幼女転生編―
15/75

馬鹿ですわ

 来ると思っておりましたが……これだから無粋だというのです。


 空気を読まない者など騎士失格でしてよ!


『騎士馬鹿』の二つ名を持つジャンヌ・シルバー・エリンジウム。

 王女の騎士を目指して頑張る子爵令嬢にして前世の私の親友。


「その役目、このジャンヌがいるから、私がなる! なのです。勝負なのです!」


 相変わらず抜けてますわね。何に為るのか意味が不明でしてよ。

 それと、私達ってまだ幼いですから、頑張って踏ん反りっていても滑稽ですわよ。あと、名乗りぐらいは騎士でも礼儀が御座いますでしょうに……

 フ、フフフフ、教育ですわー、親友の為ですものね!


「失礼致しますわ、初めましてジャンヌ様、ヒルデガルド・ルビー・スカーレットですわ。しかしながら、私がジャンヌ様をお相手する理由が御座いません。あとジャンヌ様……名乗りとは騎士として重要な事ですわよね?」

「私は姫の護衛騎士(予定)なればその資格があるです。そ、それとワタクシの名は、ジャンヌ・シルバー・エリンジウム姫の守護騎士(予定)だです」


 自分で括弧を付けてまで予定とか内容が被ってるとか……

 愛すべき馬鹿でしたが、改めて見ても本当に馬鹿ですわ。

 それにしても、ここまで御馬鹿では無かったと……

 そういえばジャンヌと出合ったのはもう少し後でしたわね。


「つまりジャンヌ様は御自身いるから、レイチェル様がデシになる必要も無いと言う事を言いたいのですわね?」


 こう言いたいのですわよね? 

 ですが其れでは意味がないのですよ……

 我が意を得たりなんて顔を輝かしても駄目ですわ。


「そうなのです」

「全くもって言えておりません事よ! 第一其れがレイチェル様のデシイリを邪魔をする理由になりませんわね」

「なんでなのですかー!」


 彼女でしたら説明を詳しくするよりも、その肉体に答えを叩き込んでお教えした方が宜しいでしょう。


「貴女は説明してお分かりになられませんでしょうから、判りやすく納得させてごらんに入れましょう」

「説明してくれるのです?」


 要約して、お馬鹿さんなんだから肉体に教えますわと言っているにも関わらず、皮肉さえ通じないなんて、厄介というか困った子なのは相変わらずですわ。長所と短所が紙一重すぎて評するのが本当に難しい子ですわね。

 ハァ……大丈夫でしょうか肉体的に教えても駄目な気がしてきましたわ。


「納得させると申しましたわ、お話はきちんとお聞きなさい」

「わかったであります」


 瞳に力をこめてキッと少し睨み付けながら説明したことで、本能で動く彼女は理解できたようですわ。この素直さが知り合いにならなければ発揮されないのは本当に困りますわ、ってあら、素直になってるのは不思議ですわね。

 この際好都合ですからそのまま素直に従って頂きましょう。


「方法は簡単ですわ、貴女がそこでレイチェル様に近づけないように守り通しなさい、勝つ必要は御座いませんわ、そうですわね1分持ったら貴女の勝ちと認めて差し上げましてよ?」

「余裕であります」


 フンスッと力を込めて構えるのって可愛いですが……

 まだまだ読みが甘いですわ。確かに武術を頑張ってやっているのは知っておりますとも。その上でこの条件なのですわよ。オロオロと心配そうになさっているレイチェル様に私が微笑みかけて安心させた後に勝負は開始されました。


 30秒後……


「納得がいかないでありますー」

「でも貴女の大事なレイチェル様は私と現在お茶をしております、そして貴女は捕まっていますわよ」


 ジャンヌはお姉さま(シショウ)に関節を極めてもらうまでも無く身動きができなくなってます。


「でも一対一じゃないなんて卑怯であります」


 失笑物でしてよ?

 捕獲したのは私ですし。お姉さま(シショウ)にはその後に押さえつけて頂いただけです。


「一撃で倒れたのはジャンヌ様でしてよ、それに誰がそんな事を現実に許してくれるのですか?」


 最低限自分の身を守るだけの術をもつのは貴族として当然の事。逃げると言う事ができるようになればいいのですレイチェル様にそこまで望んでいる訳ではないのですわ。


「それは……でも勝負だったのです」


 そう、勝負だけならいいのですが……


「レイチェル様がもし本当に襲われて今の状況だったら如何するのですかっ」

「うぐぐ、であります」


 うぐぐ、って貴女は全く……

 憎めませんわねー本当に真っ直ぐなんですから。

 時には立ち止まって座りなさいな。

 仕方ありませんわね、前世の親友特権でしてよ?


「貴女も一緒に鍛えればいいだけの事ではありませんこと?」

「目から星がでた思いであります、そうなのであります」


 目から星ではなく鱗でしょうに……

 あら、でも星の方が驚きも大きいのかしら?

 悪くありませんわね!


「では貴女は一番下の妹デシですわね」

「ぬぁ、一番下でありますか?」


 当然でしてよ、私の次にデシイリするのはレイチェル様ですわ。


 泣きながら私に謝ってくれたレイチェル様と、そして私の為に恋まで捨てて暴れてくれたアナタだからこそですわ。とびっきり鍛えて差し上げますわジャンヌ……そして、今世でも()()一緒に暴れる事が出来る事は私にとっても幸せでしてよ!


 ですが! 


 まずはお(つむ)を鍛えて差し上げますわよ、オーッホッホッホッホ!

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