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我ながら w な妄想 ……

イラストに手間取りました。

昔ToHeartでこんなシーンを見て一度は描いて見たいと思って幾星霜



教室には余裕で間に合った。

大事件と自分ではおもってもほんの数秒のことだしロスタイムは2秒程度か。

1限目の教師はまだ来ない。

やはり職員室が嫌で遅刻してくるのだろうか。

門番に渡されたプリントを見る。

二枚が二つ折りになってるのを丸めてポケットに突っ込んであった。

トナーが薄い。

[今日の昼休みに図書準備室に集まって下さい]

の文字列がなんとか読める。

今日の昼休みか。

放課後にしない理由は遅れてくる奴は早く帰る法則か。

皆さんで考えるって、なんかまた朝食をしっかり食べましょうとかで終わるんだろう。

こっちは朝食を食いまくって遅くなるというのに。

まだ続く、


[基本的な生活に対する考えを昼食を取りながら ……]


俺の目が点になった。

もう一度週番に渡されたのプリントをよく読む。

正しい学園生活とかお決まりの文句が並んだ後に


[生徒だけで集まってお昼に一緒にお弁当を食べ …… ]


たしかに書いてある。

俺はあたりを見渡してだれもこっちを見てないことを確認する。

プリントは全部開かずに続きを密かに読む。

クラスに馴染めないだとか友達が居ないとか正視に堪えない文句が並んで居るのはさて置き、 これはどういう事なんだろう。

だいたい今日俺は弁当を持って来てないし。

ふと妄想が浮かんだ。


注) 挿絵参照

挿絵(By みてみん)


まあこれは無いな。

俺は見かけ通り賢い。

既に少し落ち着いた。

そもそもこのプリントは何人に渡ったのか。

何故今日なのか。 昨日は?

思い出すのに1秒以上かかった。

昨日は一時間目はフケた、 嫌、辞退した。

その前も、か。

土日をはさんで金曜。

始業10秒前風のように門を通り抜けたことしか覚えてない。

誰かが追走して来たが全速振り切ったような気もする。

さてどうしよう。これから全校の女子生徒を調査して週番の三白眼を探し出すか。

しかし仮に見つけてもなんと言って声を …… 。

そのようなナンパ行為は俺のキャラに合わない。

第一何を聞くというのか。

そうだ。 俺は昼飯が無い。


それにしても三白眼というのは最近見なかったな。

あれも邪眼の一種なのか

そういえば小坊の頃はなにかという睨み付ける女子。

今思うと単に近視なのにメガネが嫌だったからあんな目付きになったんだ。

俺は勝手に納得した。

そして都合良く一限目が終わった。


では三白眼を探す放浪の旅に出るか。

と言っても10分間しかない。

あのタイプは席が前のほうのはずだ(偏見)。

まずは隣の教室を見るが戸が閉まってる。

次の教室はさらにドアの前に人だかりが出来てる。

あの手の三白眼は前のほうの席に座ってる事が多いからちょっとでも教卓側側のドアを開ければ確認できるのだが。

立ち尽くしてしまう。

だいたい自分の教室にも気を使って入るのによそのクラスというのは想像が付かない。

うちのクラスでよその生徒がドアを開けて入ってきたらどのくらい注目を集めるだろうか。

一瞬想像をして、そして決断し、図書室に向かって高速移動を始めた。

まず確認すべき場所に行くべき。

しかしなんてこった。

よりによって担任が前方に。

いつものように気さくな先生のキャラで声をかけてくる。

「おい、また図書室かね」

こういうときも俺は嘘や誤魔化しをやらない。

「ちょっと歩き回るだけです」

「俺の授業には出てくれよな ……」

頼むようなことではあるまいに。

当然俺はにこやかに出席を約束した後即図書室に向かおうとしたが、

担任の見てる前であわてて横のトイレに飛び込んだ。

この件は担任も知ってる可能性が高い。

俺の間抜けな行動が筒抜けになってしまう可能性もやはり高い。

だいたい今図書室に行ってもしょうがないだろ。

俺はゆっくり自分の教室に戻ると瞑想にふけった。


「 …… 」


いつのまにか2限目が始って居た。

俺の担任の化学教師じゃないか。

時間割をすっかり忘れてた。

この件について知って居る可能性のもっとも高い奴。

今一番会いたくない奴。

今一番生きて居て欲しく無い奴。

殺すか・・・

と俺の殺気に気付いたか担任と目が合った。

お互いに若干魚々っとなったようだがたの生徒は気が付かないだろう。

担任はなんか話を続けてた。

「このように原子にはそれぞれ原子価というものが想定されそれぞれの原子の結合手どうしが繋がり合うことによって化合する。

これは中学理科でもやってるはずだな。

酸素は腕二本で水素は一本だから H2O となるわけだ」

クラスはいつも通り私語で少しざわついてるがわりと静かだ。

「H2Oというとなんか歌とか妙なゲームとか……」

担任はなんらかの反応を期待して続けたがまったくスルーされてる。

ザマァ。 と俺は思う。

静かな教室は心地よい。

「結合手といっても二価の酸素は良いとしても三価、四価だとどうするのか。

猿みたいな動物を考えると足でも繋がるから四価までは行けるね。

だが五価だったらどうするのか。」

ふいに担任は俺のほうに向いて。

「五価の元素は何があるかな」

不意打ちかよ。

「えー、金属でなんかありそうですね」

と俺は無難に答える。

こんな質問に即答できるのは机に周期表を刻み込んでる銀縁メガネだけだろう。

担任は無表情でまた教室を見回しながら、 「まあ五価の元素を問うなんて入試に出ないけど、まあ天然水だね」

と一人納得して居る。

「この分子模型の部品にも五価の元素はありません」

といつものなんかの有機化合物の模型を取り出した。

なんか自作らしくて白い発砲スチロールの玉にご丁寧に元素の顔w が書いてあって手足のようなものもくっついてる。

ふいに担任は一番前の席に座ってる女子生徒に向かって、

「だいたい五本目の手足って難しいじゃないですか」

といってニタっと笑った。

セクハラである。

この絵に描いたようなセクハラをハイビジョン動画に収めたらさぞ受けるだろう。

ところが女子生徒はまったく冷静冷酷に言い放った。

「しっぽですか ?」

その声を聞いて俺は飛び上がるほど驚いた。


そこかよ。


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