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I hope computer.

 執事のところへと小走りで駆けていくと、十五度ほどのお辞儀を俺に向けてくる。

「私は十字条家の執事をしている牧野でございます。今回こうやってお呼び出し致しましたのは、あるお願いが有ってのことです」

 長ゼリフを噛むことなくスラスラ、はっきりと物言い頭を上げる。

 少し上げるのが遅いんじゃないですか? まあ、何も言わなかった俺も揶揄されたり糾弾されたりしてもおかしくは、いやおかしいな。

「お嬢様をお一人で学校へと行かせたいのですが、色々と諸事情と申しますか、常道から外れた野蛮人どもが何かするやもしれません」

 おーい。諸事情って言って隠したのにその後に口滑らしてるぞー。

「なのでものはご相談なのですが、日給一万円でお嬢様の安全を確保してくださいませんか?」

 あれー? 俺は耳が遠くなったのかな? 日給一万円って聞こえたんだけども。

 安全の確保? 無理無理。こんな柔な体で何ができるって言うんですか? それをそのまま執事にぶつける。

「はい。完璧にお嬢様を守れるとは思っていません。なので平均月収三十万円にして、更にはお嬢様を守るという中二病患者にはもってこいのシュチュエーションです」

 誰が中二病患者だって? 人間誰しも非日常に飛び込んでみたいと考えるものだろ。考えない人は想像能力の欠如が明白だな。

「三十万あったら何に使いたいですか?」

 それはまあ。

「パソコンを新調したり……」

 「パソコンは高価な品ですからね」といいながら俺の鞄を開けて何かしてるけども、まあいいや。

「では、お願いしますね」

 え、何が?

 一応の確認のために鞄の中身を確認してみる。

 そこにははっきり言って高校生なら何で入っているのか戦慄するようなモノが入っていた。言わずもがなだろうが札束だ。

 地面にしゃがみこみ鞄の中で隠すようにしながら枚数を数えると丁度百万円だった。

 俺が持ったことのない大金にあたふたしていると牧野さんが、

「三ヶ月分の給料を前払いでお支払いします。十万円多いのは抜くのが面倒くさかったからなので、どうぞお受け取り下さい」

 言葉をその後に付け加え「個人情報を調べてご自宅に最近機種のパソコンをお送り致しますのでそちらもお受け取り下さい」

 こんな僥倖は生まれてから死ぬまでにないとは思うけども、それが逆に怖い。

 なんの接点もなかった俺にいきなり大金を押し付けて、お嬢様を守れだなんて。

「お嬢様。私は校舎内までご同行できませんので、お嬢様と同じ入学生のこの人畜無害そうな少年が、擁護庇護してくだるようです」

「人畜無害だろうけども。害がなさすぎてこわいくらいじゃない?」

 牧野さんは顎を右手で撫で、

「わかりませんよお嬢様。こういった少年が中二病powerを発揮して百鬼夜行や悪鬼どもをなぎ払うかもしれませんよ」

 おい、中二病っていうところにも突っ込みたいけども、何でパワーの発音がそんなにいいんだよ。

「じゃあ視点を変えて考えてみなさい。その状態で私の初めてを奪って痛がっているところを視姦しながら腰を振るかもしれないわよ」

 何故か呆気にとられたように目を一瞬見開き「では、対策を施しましょう」と口から言葉を落とすように言って、俺の方に牧野さんだけ近づいてくる。

 耳元で囁くかのように顔を近づけ言葉を漏らす。

「お嬢様に何かあったら一家郎党皆殺しですよ」

 顔を離し直立に戻る。

 少しの恐怖を漂わせる微笑を浮かべる。

 踵を返して裏を向き、お嬢様に向かって一言。

「対策は施しましたので、大丈夫ですお嬢様」

「そう」

 一言返して物憂いそうな顔をする。

「お気づきでいらっしゃると思いますが、あのお方が十字条家現当主の娘にあたる、十字条京香様でいらっしゃられます。今日の今から高校卒業までお嬢様の擁護をお願いいたします」

 気分屋なんで久しぶりに書きました。

 どこかの賞に応募するものも並行作業しているのですが模範的な高校生としては十二時を超えると睡魔が襲ってくるので少し辛いです。

 これはいつになったらまともなところへと行くのか。

 まともといっても気分屋なんで色々と変わるとは思いますが。

 言葉をまとめてある手帳を側らに置きながら「ここに合いそうな言葉があったような」なんて思ったら開いて確認しています。

 そんな今日この頃は、どこの出版社に作品を出そうか迷っています。なのでいいところがあれば教えてください。

 いいところの条件なんて言わずもがなですよね?

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