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僕は最強。/ゼロブレイク①(第一回A高校戦争①)

「目が覚めたか?」



 私は目を開く。


 体を起こすと、目の前に見知らぬ人物がいる。


 私は一体さっきまで何を?


 思い出した。そうだ。私はトモ君に…


 その後は確か黒い光にのまれて…


「麻生静華。お前には役目がある。」


 何よいきなり。役目? どういう事? 私にはやらなくてはいけない事があるのに…


「あなたは誰なんですか?」


「誰だろうな。でも私はお前にとってかなり重要な存在だ。」


 はあ?


「お前に能力を与えよう。目を閉じろ。」


 

 ますますわからない。


 言われるがままにする。逆らったら殺されるかもしれない。


 男は私の額に人差し指をあて、もう片方の手で印を切る。


「ッ!」


 変な感覚がする。


「終わったぞ。目を開けて鏡を見てみろ。」


 私は目を開けて、男から渡された手鏡を見る。


 何よこれ…


 鏡に映っている私の左の眼には、紋章が青い光と共にある。


「その力は、触れた者を自分と同じ意思にできる。」


「……自分と同じ意思。」


「お前はA高校の2年Aクラスの指導者となり、その能力を駆使して『ゼロ』を撃て。そして概念創生装置を完成させろ!」


 その後、男から詳しい話聞いた。




 突然視界が戻る。


 『ゼロ』の総督である僕の部屋の壁が目の前にある。


 僕はこの状況を一瞬で理解できた。


 僕は小野寺を部屋に呼んだ。


 小野寺は2分ほどで部屋に来た。いつものシニカルスマイルで。


「小野寺、『レフト』は何回能力を使った?」


「なーんと残念な事に向こうは3回だったんや~。」

 

 3回か…


「何に能力を使っていた?」


「1回目は『ゼロ』のメンバーの一人に、2回目は君がよく知っている斉藤昭徳に、そして最後は小野寺藤五郎、まあ自分のことやな。」


「小野寺に? 一体どんな?」


「能力を使った相手をあんさんに喋らないっていう命令や。まあ自分を対象として自分の能力を見ればすぐにわかることやからその一回は無駄やったなあ。まあ能力使用内容がわかったのは自分のだけやけどなあ。ちなみに1,2回目の能力対象者を探し出すのは大変やったんやで~。感謝せいな~。」


 やはり奴は僕の存在に気づいたか。


「入れ替わり中の間の記憶は一切ない。だから聞いている事なんだが、奴がすぐに3回能力を使ったことは予想済みさ。」


「おいおい、感謝しいや~。まあええわぁ。…そうやぁ、あれからまだ1時間しか経っとらんでぇ。」


「そんなことより、お前が幹部であるということは非公認だ。それを理解しているのだろうな?」


「行き過ぎた行動は謹んでいマース!」


 相変わらず頭に来る奴だ。


「小野寺、準備をしろ。集会を開く。」


「おお、ついに動くんやな!」


 ああそうさ、僕は大きく動く。僕の初陣は派手に行くよ。


 


 僕はホールにメンバー全員を集める。


 時刻は午前3時。


「皆の者聞け! 佐々木智和は死んだ、この世に佐々木智和という人間は私、唯一人になった!」


 もちろん嘘。僕はここだよ~。


 ざわめく全メンバー達。


「死因は自殺だ。やはり只の高校生には重すぎるプレッシャーだったようだ。」


 僕はそんなタマじゃないけどね。


「そこで、邪魔者の消えた今こそ! 我々の目的である『概念創生装置』を奪い! 世界を支配しようではないか!」


 クク、世界征服。イイねえ。


「これより、A高校を襲撃する。2年Aクラスは全員入院したらしいが、政府が手を回したらしいな。どうやら全員完治したらしいな。」


 フフ、面白い。


「全生徒、教職員を殲滅した後、装置を確保。そこを拠点し、装置完成。どうだろうか?」


「智和様!」


「なんだ杉崎。」


「非常に良い作戦と思われますが、いくら手負いのA高校の2年Aクラスを相手にするといっても政府特選団体組織ですよ! 少し準備が足りないのでは…」


「杉崎、そこは私に任せろ。私に考えがある。今は話す事ができない。万が一のことがあってはならないからな。」


「は、はい。」


 フハハハハハハハハハハハハ!


「チーム編成は既に組んである。モニタに映った通りに隊列せよ!」


 始まる。僕のステージが!!


 作戦開始まで残り7時間後。



『佐々木智和、ライトの頭からは、妹佐々木葵の事、母佐々木望の事、友達の事など既に、消え去っていた。今彼の頭の中にあるのは、彼の思い描いた未来と、野望。以前の佐々木智和は既に、いない。』


 

 午前8時30分。


「み、皆さんはじめまして! 私は麻生静華といいます!」


 A高校2年Aクラスの全員が驚く。突然現れた転校生に。


 本来であらば、いい意味で興味を持たれるものだが、次の彼女の一言でそれはなくなった。


「皆さん! いきなりで本当に申し訳ないのですが、私一緒に『ゼロ』をやっつけませんか?」


 皆凍る。そりゃそうだ。ポッと出のにわか者からいきなりわけのわからないものをやっつけようと言われたのだから。


 そして彼女は、言ってはいけない事を口にする。

「私は触れた者を自分と同じ意思にできるという能力を持っています!」

 

 完璧に終わった。これは絶対に喋ってはならないことであり、尚且彼女の目的の進行を鈍くさせてしまう一言だったから。


「私はそんな力を使わなくても、皆さんと心を一つにして『ゼロ』をやっつけたいんです!」


「おい女!」


 郷田玄造が麻生成果に聞く。


「お前一体何者なんだ? まさかイタイタしいアレか? そういうのは聖奈でもう間に合ってんだよ。」



「皆さん、よく聞いてください。実は…」


 麻生静華は、概念創生装置の事、能力の事など、ほかにもいろいろと重要な秘密を全て、偽りなく話す。


 


 午前10時。


「作戦開始時間5秒前…4・3・2・1・0!」


「皆の者! 作戦を開始せよ!」


 ハッ!



 Aクラスの超人集団達は、既に戦いに備えていた。


「索敵範囲内に敵の反応が300! 情報をB班の情報部に転送!」


「異世界Qからの増援! 味方勢力1030に増加!」


 Aクラスだけではない。A高校全体、関係者総勢力と『ゼロ』の総当たり戦。




「ハハハハハハハハハハッ! お互い潰し合うといい! 残った者が僕の駒だ!」


! 誰だ? 


「佐々木君?!」


 ああ、誰かと思えば、


「伊藤聖奈さんではないか。」


 僕の事が好きなんだっけ? フハハッ!


「佐々木君……聞いたんだ私。佐々木君が『ゼロ』の総督だって…。」


 暗く、悲しい顔をする伊藤さん。今にも泣き出しそうな雰囲気だ。


「ねえ佐々木君! もうやめようよ! 今なら引き返せるよ! 戻ってまた今まで通りに過ごそうよ! また一緒に秋葉原行こうよぉぉおおおお!」


 泣き叫ぶ。


「伊藤さん…」


 僕は伊藤さんの肩に手を置く。


「佐々木君! 考え直してくれたん…」








『死ね』






 右眼が銀に光り、紋章がはっきりと目立つ。


 伊藤さんはその場に倒れる。



「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」



 面白い! 面白いぞ!


 さあ、僕のショーはまだまだこれからだよ。


 煌く太陽が、佐々木智和の心が如き雲に隠れた。 

 評価感想待ってます!(´∀`*)

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