人が伝説の聖剣? 大歓迎!
人が伝説の聖剣? 大歓迎!
「君が伝説の聖剣『エクスカリバー』だって!?」
僕は驚く。素直に驚く。
今までいろんなすごいものを見てきたが、今回のようなことはあまりなかったからことに対して耐性がない。
「は、はい……。」
目の前にいる金髪の美少女。
この娘はさっきの聖剣らしい。
にわかには信じがたいことであっても、もう僕は死ぬほど非現実的なものを見てきたから普通に信じてしまう。
しかもさっきの剣はどこにも見当たらない。
とっさに彼女が隠したとも考えにくいし……おそらく本当なんだろうね。
あ、ちなみに今彼女は全裸です。
ここ廊下ね。学校の。
まあどうでもいいことなんだけれども。
……いいわけないか。
「とりあえず服を着て。え~と……」
「翠蓮寺彩愛です。」
だそうだ。
僕は自分のブレザーを彼女に羽織らせて、そのあとひと目のつかない屋上に二人で向かう。
まずホームルームは無視。
転校早々それはまずいんじゃないか? って思う人もいるかもしれないが、別にどうでもいい。
今はそれより大事なことがあるからね。
「さっきはいきなりゴメンネ。」
僕はとりあえずさっきの胸をもんでしまったことを謝罪。
「い、いえ……大丈夫です。」
本当に許してくれたかどうかはわからないが、まあ大丈夫と言ってくれたからいいだろう。わざとじゃないし。
「ところで君はこの学校の生徒なのかな?」
「はい……2年生です。」
僕と一緒だ。
そっかあ。
それにしても…
いい胸だったなあ。
美麗で、艶があって、丁度良いサイズで、弾力があって、手触りなんか……ゲフンゲフン
……。
落ち着け僕のエクスカリバー! 今更何覚醒してんだよ!
はあはあ。
よし
「あの……」
「は、はいぃ↑?」
や、やばい。変な態度を見せてしまった。完璧変な奴だと……
「あなたの名前は?」
あ
そういうことですか。
「僕の名前は佐々木智和。Bクラスだよ。」
「!」
「? どうかした?」
翠蓮寺さんは僕の名前に大きな反応を示した。
「あなたが佐々木智和様でしたか……」
???
「私、今日から智和様の剣になります。」
「え?」
「早速契約を…」
「ちょっと待って。」
急展開だな~
「あのさ、なんで僕なのかな?」
毎回の疑問がこれである。
それに対して、翠蓮寺さんはこう答える。
「今は、あなたが『主人公だから』としか言えません。」
? どういうことだろう?
「それでは契約のほうに移りたいと思います。まず私が聖剣に変身し、それを智和様が手にします。その後に智和様の血を柄に。私がそのとき魔方陣を展開し、刃が長くなったら成功です。」
僕は翠蓮寺さんと契約した。
母さんを生き返らせることができるかもしれないからな。
それに一歩でも近づけるなら、僕は何でもする。
「それでは智和様、今後ともよろしくお願いします。」
「あ、うんその……服、着てね。」
「はい。」
僕はその後、教室に戻った。
戻ったときには2時間目のはじめあたりだったが、特に何も言われなかった。
放課後
僕は先ほど終わったホームルームで先生からの連絡を頭の中で復唱しながら帰る準備をしていた。
ほかのクラスメイト達も、ほとんど残っていた。
そんなときだった。
ガラッ
僕は驚いた。
普通であればここにいるはずのない人がいる。
「語堂君……どうしたの?」
語堂大介(第一部登場)
語堂君はかなり汗をかいている。
体は震えている。
「佐々木ィ……」
語堂君は左目から涙をこぼし、顔を崩す。
僕は彼、語堂大介が次に放った言葉に心臓を数秒止められた。
『大槻が……死んだ』
語堂大介(第一部参照)
大槻雄也( 〃 )