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天才情報屋? 大歓迎!

 天才情報屋? 大歓迎!


 僕は今、玄関にいる。


 大切な情報を得るためにね。


「お~あんさん。待っとったよ~。」


「…………。」


「そんな警戒しなくてもええって。」


 そんな事を言われてもね……にわかには信じられないからね。


「ああ一応言っとくれど~あんさんの母親はただの蘇生術じゃあ生き返らんのや~。」


…………。


「なぜそこまで知っている?」


「そりゃああんさん…」


 彼は薄い笑みを浮かべて言う。




『わしゃ天才やからなあ~。』




 天才。


 それはまるで天から、神様からでも与えられたかのような、並の人間の努力では至らないレベルの才能。


 天才…か。


「それじゃああんさん。この場所に伝説の蘇生師がおるから行ってみるとええよ。」


 彼は僕に小さな紙に書いた地図を渡すと、


「それじゃあ気を付けて~。」


 去っていった。


 彼が校門を抜けていなくなってから気づいたが、名前をまだ聞いてなかったな。


 彼の名前はなんだろう?





「フッ、佐々木智和。面白い奴やなあ。」




 



「これは遠いなあ。」


 僕は地図を見て思う。


 地図が指す場所は2つ隣の町の山奥。


「行くか。」


 僕は母さんを絶対生き返らせるんだ!


 しかし、遺体はもう火葬されているから骨しか持ってきてないけれど……大丈夫かな?


 まあいい。今は前に進むだけ。




 僕は電車を使い、2つ隣の町に15分できた。


 ここの駅から山奥までだいたい1時間と地図には書いてある。


 『妄想現実!』や『夢想無双!』を使える頃は一瞬で移動できたんだけれどなあ…


「ふう。」


 まだ肌寒いなあ。


 僕は両手に息を吹きかける。


 4月。


 僕にとって4月は特別なものだ。


 特に去年なんか……





「僕もついに高校生か~。友達できるかな?」


 中学での同級生達はみんなここじゃなく別の学校に行っちゃったから今のところこの学校では仲間ゼロ。


「ふ~まあがんばろうか。」


 昨日の入学式は普通に何もなく終わったし、まあ今後何かあるわけでもなさそうだな~。


 普通が一番だね~。


 今日は普通の登校日。クラスメイト達と交流する上でとても大事な一日目だ。


 第一印象って超大事だよね!


「さあ! 頑張るぞお!」


 僕はドアを勢いよくあけ、言う。


「おはよう!」







「あ、おはよう! 佐々木君!」


「おはよう佐々木!」


「おはよう!」


「おっは~♪」


『おはよう!』




!!!!!!




「どうしたんだ? 佐々木?」





 え?! え?! え?!


 何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何何?!


 ふぉえ? ええええええええええええええええええええええええええええええええ!


「ちょっ大槻君! 何持ってんの!」


「何って運命の剣(さだめのつるぎ)だけど……」


…………。


 いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!


 おかしいでしょ!

 

 なんでやねん!


「学校にそんなものもってきちゃイカンでしょ!」


「え? だって俺勇者だし……」


 WHAT?


「うーんと……イマイチ状況がつかめないんだが……。え~とあなたは自分が勇者だと……おっしゃるわけですね?」


「うん。見る俺の力?」


 そう言うと大槻くんは何かの呪文を唱える。


『ホイ○』


 するとたちまち僕が今朝登校する途中に転んだときできた手のひらの擦り傷が治った。


「ええええええええええええええええええええええええええええええ!」


 これあれじゃん! ドラクエの回復呪文じゃん!


「あっ…えと、その~…」


「まだ信じられない? じゃあ今度は…」


 そう言うと今度は剣を高く上げて、


「『メラゾー○』!」


 巨大な炎が! 教室の隅っこを襲う!


 バーン!


メラメラメラメラ


…………。


 ちょっ火事火事!


「早く消さないと!」


「ああ大丈夫。」


 語堂君がそう言うと、指パッチンをする。


 なんと火が消え、その上何もかもが元通りだ。


 僕の気持ちは全く追いつ着ません。





 その後、僕は僕以外の全員が普通じゃないことを知る。




 はあ。去年は本当にいろいろあったなあ。


 ふう。


 まあ今は、目の前のことに臨むだけさ。




 僕は1時間かけて、目的地である山奥に着く。


 その道中はやはり簡単なものではなかった。


 草のせいで手をたくさん切った。痛い。


「ここが……」


 僕は小さな小屋を見て思う。


 案外普通な感じの場所だな。


 小屋は予想よりかなり綺麗だった。が、周りが暗いからやっぱり怖い。


「ふう。」


 入るか。


 僕は母さんを生き返らせるためだったら…なんでも!


 ドアノブを握る。


 その瞬間、やけにドアノブが冷たいことに違和感を感じた。



 嫌な予感がする。


 そりゃあ山奥だから、ノブが冷たいのは当たり前なんだが……これはあまりにも冷たい。


 鼓動が早まる。


 ゆっくりとドアを開けていく。


 引くに連れて、恐怖が僕の心を蝕む。


 僕はドアを開けきる。









「嘘だろ。」






 

 一人の男性と、一人の女性が横たわっていた。いや、抱き合っている。


 床は血で赤く染まっている。


「何が……あったんだ?」


 2つの死体はそうなってからだいぶ経っているように見られる。




 脳裏に一つの言葉が浮かぶ。




『わしゃ天才やからなあ~。』




 あの男が言っていた言葉だ。



……あいつは知っていたんだろう。ああ絶対知っていたはずだ。


 


 ここにこさせた理由はなんだ?




「はっ……これは……」





A『×××様。何故まだあの男のマークをしなくてはならないのですか?』


C『そうだ。もう佐々木智和は能力を使うことはできないどころか、能力すら持ち得ていない。』


B『…………彼は『普通じゃない』から、とでも言っておこうかな。』


A『…………納得がいきません。』


B『ほう。』


C『私もです×××様。いくらなんでもそれでは説得力がない。』


A『そうです。皆さんもそうでしょう?』


関係者『うーむ。確かに。』


関係者『もう能力はないんだろう?』


関係者達『じゃあもういいんじゃないか? そうだな。 ああ。確かに。 だな。 うむ。』







B『貴様ら。この私に逆らうつもりなのか……』






全員『…………。』




B『それじゃあ皆さん。今までどおりよろしくお願いしますね。』


全員『はい!』







 

 朝のホームルームにて


「お~あんさん。どうだった?」


「ああいや、僕は昨日行かなかったよ。」


「あ~そうかいな。じゃあ機会があったら行って~な?」


「うん。ありがとう。」


 本当はすべて知ってるくせに……



 まあいいや。


 ってあれえ! また筆箱忘れた! どうしよう!


「ふぉふぉふぉっ」


「うわあ!」


 うえからへんなのきたっ!


「おぬし筆箱を忘れたのか?」


「えと、あなたは?」


「おや、わしをしらんのか? 同じクラスメイトだというのに。」


 いやいやこんなおじいちゃんが同級生とは…


「わしゃあ和露田修造。笑いの神様じゃ。」



「ほれ。筆箱じゃ。」


「あ、どうも。」


「わははははははははははあっははははっはっはははははははっはははははは!」





 笑いの神様! 大歓迎?

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