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ギャルゲー主人公? 大歓迎!

 お久しぶりです!


 更新遅れて申し訳ありません!

 ギャルゲー主人公? 大歓迎!


「智和さーん! 待ってましたよー!」


 手を振りながら僕のほうへ走ってくる青髪の美女。


 僕は今、学校に設備された室内プールにいる。


 なぜここにいるかって? そりゃあ―― 




「佐々木君。お願いがあるんだけど…聞いてもらえるかな?」


「ん? なんだい?」


「それなんだけれど、さっきの2つのメールの内容のことなんだけれど。佐々木君、どっちかに代わりに行ってきてくれないかな?」


「えっ! 僕が?」


「転校してきていきなりで無理なのはわかっているけれど……二人の悲しむところを見るのはもう嫌なんだ……。」


……なるほどね。もう修羅場イベントをくぐってきたと見た。


「うん。いいよ!」


「ほんとうかい! ありがとう! それじゃあどっちに行ってくれるかな?」


 うーんこれは重要な選択だなあ。


■どっち?


●瑠璃香 ●静華


 瑠璃香さんのほうはどうやら気の強い人っぽいなあ。


 静華さんのほうはおしとやかな人みたい。


 うーん。


「僕には選べないからくじに任せよう!」




 というわけなんだ。


 で、静華さんを引いた僕は今。こうして室内プールで静華さんのコーチをするってわけだ。


 僕ぜんぜん知識ないんだけれど大丈夫かなあ?


「メールで智和さんのこと聞きましたよ。とってもやさしい方だと。」


「いやあ僕は別に…」


 麻生静華。


 僕のクラスはBだけど、静華さんのクラスはA。


 転校してきたばっかりだからあまり見かけなかったわけで、今日はじめて話す。


 青髪。美人。性格美人。競泳水着!


 うん。良い!


「それでは早速始めましょうか。」


「はい。」




 僕と静華さんとのすばらしい時間の共有が始まった。




 そして僕は静華さんを好きになってしまった。




 いやだって仕方ないよねえ!


 みんなだって普通そうなるさ!


 でも……相手は人のものだしさあ、この気持ちは空振りで終わるはずなんだけれどお


 静華さんもまんざらでもないような感じだもの!


 これはチャンスか?! ちょうど良く二人だけだ!


 みんなだったらどうする?


①二人きりなんだし無理やりやっちゃえよ! 縛るってのもいいぜ!


②王道 素直に気持ちを伝えろ!


③何もしない


 ③は絶対嫌だぞ! 僕はヘタレじゃねえぞ!


 ①と②のどっちかだな……


 (①が頭にうかぶ時点で智和君は終わってます。みなさん、暖かい眼差しで彼を見守ってやってください)


 ①か!? ②か!?


…………。


 よしっ、①だ!


『おいっ!』


 なっなんだ? どこからか声が?!


 うーんやっぱやめよう。②だ。


 やっべ……こんな気持ちになるのは久しぶりだ。家にお持ち帰りできるかな?


 よしっ! 精神統一! 落ち着けえ~!


 OK!


「あのっ静華さん!」


「はっはいっ!?」


 くっ! プレッシャーに負けるな!


「僕っ……静華さんのことが……」


「まっ待って!」


「えっ?」


「それなんですが…、私のほうからちょっとだけ聞いてほしいことがあるんです…」


 な、何だろう?


「あの……私、…………その……」


「?」


 静華さんは、力強く言う。


「私智和さんのことがスキです!」


…………。


 いや確かにまんざらでもなさそうな顔してたしさ、『今』かな~とか思ってたよ。


 でもさ~まさか向こうから……

 

 いやまて。なんで出会って間もないし、しかも既に思いを寄せる人がいるというのに向こうから?


 はっ! まさか、罠!


 去年の経験などから推察と考察をするに、やはりこの答えが一番妥当……いや、罠というよりは個人的なからかいか? いやしかし椎名君の存在により、僕の命を狙う組織があるかもしれないということも予想として出たわけだし……うーん。しかしな~、今見る感じ静華さんからは全くと言っていいほど僕を騙しているという感じがしない。いやむしろ真剣に『今』のこの状況に向き合っているというかなんといいますかね……。


 間違った選択はもう二度とできない。そう、二度と。


「僕も静華さんのことが好きです!」


 そして僕は続ける。


「僕と付き合ってくだ……いや、結婚してください!」


 この気持ちに偽りはない。心のそこから静華さんのことが好きだ。短時間でこんな気持ちにさせられるということはそれほど彼女に魅力があるということだ。


 『結婚してください』と大げさに言ったのは彼女の真剣さの度合いを確かめるためだ。どれほど真剣なのかを計るためなんだが、結構マジで言った。


 この答え次第で、彼女の信頼は大きく左右する。


 罠か? 本気か? 冗談か? それ以外か?


「いいですよ……私でよかったら。」


…………。


 なんだろう? 素直に嬉しいわ。


「いいいいいいやあっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうううっ!」


 やったー! やったー! わーい! わーい! バンザーイ! バンザーイ!


 ホッ! ホッ! ホッ! ホッ! ホッ! ホッ! ホッ! ホッ! ホッ!


「ずっと……『二人でいましょうね』。」



 いかん! ヤンデレ臭が!


 回避不可能か?!


…………。


 しかし、


「静華さん。村田君はいいんですか?」


「…………、お気づきでしたか……。」


「ええ。」


 そりゃあ静華さんと村田君が普通の関係ではないことはすぐにわかったよ。


 しかし村田君に悪い気がする。なんかなー。


「でも私は智和さんが良いんです。」


 おほっ!


 こりゃあまいったぜ。


「この気持ちに偽りはありません。」


 そっか。


 じゃあ僕は、静華さんを信用する。


 そして心から愛することにしよう。





 自分は寂しかったのかもしれない。


 彼女と話していると、どこか懐かしい気持ちになる。


 あの普通だった小さい頃の…


「うっ!」


 なんだ?


 急に頭痛が僕を襲う。


 そして瞬間的ではあるが、謎の青髪の小さな少女が僕の頭をよぎった。


 誰……だ?


「どうしました?」


「あっいやなんでも……」


「そうですか……」

(やっぱりトモ君は覚えてないんだね…)





 朝のホームルームにて


「ありがとう佐々木君! とても助かったよ!」


「ああいやそれほどでも…」


「静華さんと佐々木君、いい感じになったみたいだね!」


「うっなんでそれを!」


「静華さんが嬉しそうにそのことを喋っていたからさ~」


「そっかあ。」


「これからコーチは佐々木君にお願いするって言ってたね。悪いけどお願いしても大丈夫そお?」


「あっうん。」


 村田君、何か思うことがあると思うんだけれどなあ。いやそれとも彼は本当に素でいい人なのかもしれないなあ。自分の気持ちより優先してほかの人のほうの気持ちを尊重する。


 それじゃあなんだかかわいそうだ。なんだか悪いことをしてしまった気がする。スッキリしない。


「ねえ村田君。」


「ん?」


「村田君は自分の進む道は正しいと思う?」


「どうしたの急に?」


「いやあちょっと聞きたくてね…」


「うーん、自分の進む道に正しいも間違いもないんじゃないかなあ?」



「僕が考える『道』っていうのはね、誰にも、僕自身にもどうなるかわからないものだと思うんだ。」


 村田君はいい笑顔で続ける。


「偶然的でいて、必然的でもある道は人そのものだから――」


「…………ありがとう村田君。」


「あわわっ別にお礼を言ってくれなくてもいいのにっ! 大したことは僕……」


「僕、こんなに感動したの久しぶりだよ……」


「ねえあそこの二人なんかいい感じじゃな~い?」


「キャッ! ほんとうだあ~やば~い♪」


「これはいい本が書けますなあ~」


 おわああああああああああああああああああああああああ!


「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」


 前にもあったな! おいっ!




 さ~て今日は忘れ物はないはずだが~~ってオイっ! また教科書忘れたよぅ!


「あんさん教科書忘れたんかい?」


 後ろの席から声が聞こえる。


 変わった口調だ。


 男は、僕の耳に小声で言った。


「あんさんの母親生き返らせたかったら今日の放課後玄関来てーな。伝説の蘇生師を紹介したるでえ。」



 何!


 情報屋か?



 天才情報屋? 大歓迎! 

 次回は番外編やります!


『天才情報屋? 大歓迎!』はそのあとになります!


 番外編の内容は、別世界『パラレルワールド』(本編とは違う世界)にて、智和が静華さんではなく瑠璃香さんを選んでしまうお話。


 ご期待ください!


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