僕のクラスメイトは呪術師。
シリアスな話を作るのはやっぱり苦手~<(>_<)>
僕のクラスメイトは呪術師です。
「スキルが使えなくても、やれることをやる!」
僕は木の棒を一回横に払ってから、高橋修造、怨霊に向かう。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「佐々木君!」
僕の動きに気づいた椎名君は印を軽く切る。
たぶん次に起こることを予測していたのだろう。
怨霊、高橋修造の前に両刃の黒く大型の剣が現れる。
それをとった怨霊はその場で剣を払う。
黒い炎が飛び散ってくる。
『絶壁』!
椎名君は僕の前で体制を低くし、頭上で弧を描く。
刹那、描いたとおりに光のシールドができ、黒炎を防ぐ。
ものすごい爆風があたりの木々を激しく揺らす。
「あぶな…」
会話する間も与えず、怨霊は剣を縦に下ろす。黒い衝撃が地面を奔る。
瞬間、椎名君はあわててながら印を結ぼうとするが、うまく結べない。
「佐々木! 避けろ!」
僕のことまでは守ることができないことを察した椎名君は、急いで横に跳ぶ。
『最弱最強』は発動するだろうか? いや、まず避ける!
『最弱最強』は、発動しなかった。が、僕はなんとか避けられた。
地面は20メートルにわたってえぐられていた。
どうやらスキルを使っているうちに、自分自身の避ける能力も上がっていたようだ。
そんなことをゆっくり考えることも許さない怨霊は、僕に接近してくる。
気がついたら僕の目の前だ。
『ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』
咆哮する怨霊。それは僕の命の終わりを告げるサイレンだった。
「佐々木君!」
怨霊は僕を斜めに斬り裂いた。
「佐々木君。ごめんね。上からの命令なんだ。」
私は、自分の従える怨霊、高橋修造に言う。
「お疲れさん。じゃあ消えてくれ。」
『マテ、ハナシガチガ…』
私は印を切る。
『滅殺!』
怨霊の下の地面が黒く光る。
『ヴワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』
散り行く黒い気を、風がさらう。
私の瞳が黒い光を放つ。
「創るのは難しいが、壊すのは簡単だ。」
どこかで、狼が咆えた。
*
D『お伝えします! 椎名猟牙が佐々木智和の始末に成功しました!』
A『ほんとうですか! それは良かった。』
C『おお! 椎名を格上げしなくてはな。』
B『みなさん。喜ぶのは早いですよ。』
C『どういうことだ?』
B『彼は椎名ごときが下せるものではありません。』
A『お言葉ですが、彼を始末しろと椎名に命じたのは×××様では…。』
B『それは彼の分析のためさ。』
D『ですが、調査班の報告では、佐々木智和は能力が使えなかったために命を落としたと…。』
B『まあいずれはっきりすることでしょうね。』
A『今後の動きは?』
B『まあ今のままで行こうかと思っています。』
A『そう、ですか。』
B『それではみなさん。今後も頼みますよ。』
全員『はい!』
*
『!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
なんだ? 僕? 僕が叫んでいる。
泣いてる? 何故? 僕はここだ。 あっちにも僕がいる。
一体、どういうことだ?
何故、そんな顔をする?
「うわあ!」
目を覚ます。 はっきりと。
「目が覚めましたか?」
「わ!」
前お世話になった神父さんだ。(※僕のクラスメイトは勇者。参照)
「あの、僕って…」
「ああ。君はさっきここに転送されてきてね。」
「…………。」
そうだ。俺はさっき、怨霊と…。はっ!
「椎名君! 椎名君を見ませんでしたか!」
「シイナ? 知らないなあ。」
「そんな!」
じゃあ! 椎名君はどうなった!
「あの、ありがとうございます!」
「ん、ああ。」
僕は教会を飛び出す。
帰り道はわかる。前もきたからな。
今は何時だ? 周りが薄暗いところを見ると午前4時ぐらいか?
普通なため、たいして速くはない足で、全力で走る。
行き先は、学校。
なぜか体がそう言ったからだ。
椎名君は確かに学校にいた。
「椎名君!」
「佐々木!」
椎名君は驚いた顔をしている。
「まさかあの方が言っていたことがほんとうだとは…」
小声で何か言う椎名君。
「なんか言った?」
「いやっ、なんでも…。」
「あっそれより、怨霊は!」
「あ、ああ。大丈夫。私が成仏させたよ。」
「そっかあ。で、怪我は!」
「だ、大丈夫…。」
「良かった。」
「ごめんね。足引っ張って。」
「いやいや。こちらこそごめん! なんか巻き込んじゃって…。」
「別に…。クラスメイトでしょ!」
「そうだな…。」
「これからもよろしくね!」
僕は手をだして握手を求める。
それに応じて椎名君も手を出す。
「よろしく!」
(いつかこいつを殺して見せる。こいつを……。)
僕たちは笑顔で握手を交わした。
そのあと、僕は家に帰る。
母さんが悲しそうな顔で玄関で待っていた。
「智和! 私がどれだけ心配したか…うぅ」
普段まったく怒らない、穏やかな母さんが、珍しく大きな声でそういった。
母さんは僕にとって、いや、僕たちにとって唯一の親だ。
妹と僕は母さんが大好きだ。生まれたときからずっと。
そして母さんも僕たちのことが大好きだ。
だから今、母さんは悲しんでいる。
僕は、やっぱり自分勝手だったな。母さんの気持ちを考えてなかった。
自分しか考えていなかった。
「ごめん。母さん…」
僕は、泣いた。
準備を済ませ、学校に行く。
クラスはいつもの雰囲気だ。
「よお佐々木!」
「大槻君!」
「おっは~♪」
「おはよう斉藤君!」
いつもと変わらない日常だ。でも心の奥底ではなぜか自分は焦っていた。
自分でもわからない。なぜ焦っているのか? 椎名君の居場所がわかったこと。そして昨日の謎のデジャヴ。ずっと前の語堂君のピンチを知らせる夢。
何なんだろう?
「ま あ い い か。」
「佐々木! ちょっと今日の放課後さ~ゲームの中一緒に入ってくんねーか?」
須藤君だ。
…………。この機会に今回のことは忘れるか!
僕のクラスメイトは異世界転生者です。
今回の話は、第一部のキーです。
いろいろ謎で意味不明なところがありますが、今後明らかになっていくのでご期待ください!
これからも『僕です。』(略)をよろしくです!