河童のカパタロウ
河童のカパタロウは、天国タクシー株式会社というところにお勤めするとってもまじめなサラリーカッパです。お盆のときに天国から実家に帰る人のお手伝いをしています。河童の一族はキュウリの取り扱いに長けているので、お盆の乗り物であるキュウリの馬を取り扱わせるのにちょうど良いと、閻魔様にスカウトされたのです。
カパタロウはタクシー会社のお仕事についてとってもやりがいのあるものだと思っています。ただ、普段は送迎のお仕事がないのが残念です。仕方がないので黄泉で一生懸命キュウリ作りにはげんでいます。
なぜならカパタロウとその仲間たちはキュウリが大好きだからです。でも、キュウリ以外のものもちゃんと食べます。野菜は基本的に何でも好きですし、お魚だって食べます。好き嫌いすると立派な河童になれないといわれているからです。
でもカパタロウにはちょっとグルメなところもあってキュウリは地ばいキュウリが一番おいしいと思っています。この地ばいキュウリというのは昔のキュウリの育て方で育てたキュウリのことです。地ばいというのは、今時のキュウリのように支柱を立てて上の方にツルを伸ばさせて育てる方法ではなく、地面にツルをはわせて育てる方法です。地ばいキュウリの方法は、必要な面積のわりに収穫できるキュウリが少ないということで農家の人には嫌がられています。でもカパタロウは地ばいキュウリが好きなのです。河童としてそこは曲げてはいけない信念なのです。