闇属性ってなんですか?
今日もキラキラ輝くような美味しそうな夕食を前に、なかなか強くなれないと、息子は暗い顔をしています。
グレーテルが食事を取り分けながらも心配そうにしているので、ぽんぽんと息子の頭を撫でて慰めました。
当たり前の事ですが、一日二日頑張ったくらいでは強くなることは出来ません。こればっかりは、じりじりと焼ける焦りを原料にして、研磨していくしかないのです。
そんな時、ぽつりと聖女が言いました。
「剣より、魔法を覚えてはどうでしょうか? せっかく希少な闇属性なんですから」
闇属性?
私と息子は顔を見合わせました。
「……僕は闇属性なんですか?」
「そうだよ。鏡を見てみれば分かることだけど…。そうか、知らなかったんですね」
息子は慌てて鏡のカバーを外して中を覗き込みます。うっすらと、夜空のように黒が漂って息子の周囲を取り巻いていました。
「闇属性…」
息子が呆然と呟きました。
闇属性というのは、とても珍しい属性なのですが、あまり良い話を聞かない属性なのです。
魔族に近い存在であるとか、不幸を呼ぶとか。もし生まれた子供が闇属性だったら、不吉だから無かったことにすることもあり得る、とか…。
不安に真っ青になる息子を見て、聖女はため息をつきます。
「私も闇属性を持っていますよ? 誤解しないでほしいのが、闇属性は魔族とは関係がないということ。それに、不幸を呼ぶ魔法なんて存在しないこと。近いのは呪いだけれど、あれは訳が分からなすぎるし、闇属性じゃなくても使う人はいるし」
聖女の説明を聞いて、ようやく私にも闇属性というものが見えてきました。
「ようするに、土属性が土を操るように、闇属性は闇を操る。ただそれのみ…と、いうことかい?」
「そうです」
聖女がゆっくり頷くと、息子は安心したと息をつきました。
闇を操る闇魔法。
…あれ? それって結局、どういうこと?




