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呪いを解くのは?

 息子は呆れるくらい頑固で、グレーテルがどれだけ言葉をつくしても頷きはしませんでした。


 泣き止まないグレーテルをおろおろと宥めながら、しかし、それは出来ないとしっかりとした声で宣言します。


 息子かグレーテルがこちらを見たら、私を頼ってきたら、手を貸そうと決めているのですが、そこはもう完全に2人だけの世界でした。




 緑の肌の大きな、筋骨隆々の屈強な青年の胸の中に妖精のように儚げで可憐な美少女。


 すごく、お似合いです。




 息子が魔王とは何の関係もないと確信が持てたから、私の心は穏やかです。


 とても良いものを見ているなぁ、とまだかろうじて残っていたらしい乙女心を震わせていると、隣からじとっとした目で見られていることに気づきました。




 なんですか、聖女?


 こちらが不思議そうにすると聖女の眉が寄ります。


 「放っておいて良いんですか?」


 「頼られてもいないのに手は出せないね」


 「でも息子でしょう。止めなくては」


 私の中では、聖女はかなりちゃらんぽらんというか、楽しければ良いじゃん?という今時の若い子ポジションなのですが、案外真面目なのかもしれません。


 心配しきった顔で息子たちを見ています。




 どうやら、私とは反対に、彼女は息子が本当に人間であるからこそ、このまま出ていってはあまりにも不憫、と考えているようでした。


「なにも心配ありゃせんよ」


 私はゆったりと笑います。





「私はあなたを信じています。だから、あなたもあなたを信じてください」


「…出来ないよ。僕は自分が好きじゃない…」


「私は、好きです!!」


「…ありがとう。でも僕は、魔


 ふっとグレーテルが背伸びをし、息子の顎にキスをしました。


 隣で聖女が驚いて息を飲むのは放っておきます。




 私は手に持っていた粉をふぅと2人に吹きかけました。


 粉はキラキラと七色に光り、2人を包みます。




 それが晴れると、息子は黒髪黒目の美少年に姿を戻していたのでした。



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