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街にやってきました。

 聖女と一緒に街に出てきました。


 足元は石畳です。建物が所狭しと並んでいます。人が沢山います。


 はー。13年ぶりの都会です。イタリアの古都のような雰囲気に、まるで旅行に来たかのように気分が高揚してしまいます。


 そんな私が心配だったのか、聖女が私の手を握ってきました。


 老人介護ですね。特に気にならなかったのでそのままにしておきました。




 ふと目につく店があって、ついつい目が吸い寄せられました。


 小さな髪飾りや宝飾のお店です。その軒先に置いてあるペンダントが、小さい頃に持っていたものに似ていました。


 こちらの世界には持ってきていない、祖母に貰った、水晶の八角柱のペンダント。




 懐かしい、と思っていると、聖女がそのお店に向かっていきます。手をつないでいるので私も連れて行かれます。


「どうしたんだい?」


 そのお店に水晶玉は無いと思うんだけれども。


 聖女は軒先の私が見ていたペンダントを手に取って、私の首にかけて笑いました。


「とってもお似合いですよ」




 え?




「店主さん。こちらはお幾らですか? ――――はい。これでお願いします」


 頭の中に沢山のハテナが飛んでいるような状態の私を置き去りにして、聖女はさっさとお金を払い、店を出てしまいます。


「―――――え?」




 どうしてこれを私に? これを見ていた事に気付いたの?


 ああ、お金を払わないと。




「払うなんて言わないで下さいね。贈り物なんですから」


 けれど聖女の先制攻撃。花の咲くような笑顔で言われてしまいました。



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