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偶然なったドラゴンスレイヤー ~崖から落ちたらレベル87になっちゃった~

作者: 抹茶ラテ
掲載日:2026/06/24

ご覧いただきました!?てへ

ありがとうございます。


王道物もチラッと投稿したくついつい♪


今回

「もしも崖から落ちてドラゴンの頭に直撃したら?」という感じです


主人公のサン・クロワッは、レベル87という圧倒的な数字を手に入れましたが、中身はただの宿屋の倅。


エタりやすいので

短編にしてみました




「僕、絶対にドラゴンスレイヤーになるんだ♪」



 宿屋《クロワッサンの香り》のランチタイムの食堂で、湯気の立つ大皿を運びながらつい叫んでしまった。常連の冒険者のおじさんたちが、呆れ半分に大笑いする。


「ははは!サンよ、いつもそればっかだな!!まぁ夢はでっかく持て。でも宿屋を継ぐんだぞ? ここのシチューやハンバーグ絶品だからなー」


「とりま!ドラゴンなんて見たら即逃げるのが賢い冒険者だぞ!」


宿屋の倅

サン・クロワッ、15歳。

 転生者も多くいる観光ダンジョンサキュバス・ハートで生まれ育った




 この街に泊まる数々の冒険者の背中を見ながら、僕もいつか、あんな風にパーティみんなでわちゃわちゃしたり語り馬鹿騒ぎしたい


冒険出るため

宿屋の仕事をこなしながら、密かに筋トレに励んでいた



 夕方前

僕はいつもの谷で釣りをしていた。

 ここは街の近くで、魔物が出ない安全エリア。冒険を妄想しながら

のんびり川面を眺め鼻歌を

ハハン♪ハハハハン♪


その時

地を震わせる咆哮が響いた。


「グォォォォォォ……!!ンオオオオオオー!!!ブホオオオオオ」


一気に

 心臓がきゅううううううっと縮み上がるような、重低音と重い圧!!!!?!?


逃げにゃきゃいけないのに

アワアワしちびり散らかしながら、

 怖いもの見たさで、僕は音のする方へ近づいた。

ガクブルしながら

木々を掻き分け、山側の崖の縁から恐る恐る顔を出した瞬間、

完全に後悔した。あーあー




なんて馬鹿なことをしたんだ、と自分を呪った。



 圧倒的にそこに、いた。




 深紅の巨大なドラゴン。





鱗の一枚一枚が鈍い光を放ち、翼を広げさらに大きさに恐怖

戦慄する


 そしてそのバケモノと渡り合っているのは、四人パーティ『徒然』。


「あ!『徒然』……街最強のパーティじゃん……! これなら、ワンチャンいけるんじゃ……」


 リーダーの桜子は、黒髪を一つに束ねた凛とした女性だ。手にした日本刀のような銘刀が陽光を浴びて閃くたび、ドラゴンの硬い鱗が削り取られていく。

 後衛の魔法使いが大規模魔法を連発し、ヒーラーと斥候が完璧な連携で支えている。息がぴたりと合った彼らの戦闘は、ドラゴン目の前にしても

凄い


 だがドラゴンはなおも健在だ。


巨大な爪が地面を叩き、衝撃波が僕の隠れている崖まで伝わってくる。

 圧倒的な力の差。人間が立ち入ってはいけない領域を目の当たりにし、僕の意識は真っ白に染まった。


 ――あ、死ぬ。オワタ 


 恐怖を感じる余裕すら与えられない、完全なる精神的シャットダウン。

 音も、光も、自分の体すら感じなくなる。思考は消えそうに。


 崖の縁から滑り落ちたことにも気づかない。半気絶状態で、僕は真っ逆さまに暗闇へと落ちていった。


(……ドラゴンスレイヤーになっ、、、)


 その瞬間、ドンッ!! という鈍い音が響き、ドラゴンの咆哮が止まった。

 桜子の渾身の一撃が、心臓を深々と貫いたのだ。


【深紅の暴竜を討伐しました!】


 青いウィンドウが視界に広がる。桜子たち四人には、レベルアップの光が彼らを包む。

 しかし、次の瞬間――。



 体が熱い。力が血管を駆け巡る。

 ふわりと着地した衝撃を吸収し、体が未知のエネルギーで満たされていく。

【サン・クロワッ】

【レベルが 1 → 87 に上昇しました!】

【称号『ドラゴンスレイヤー』を獲得しました!】


 意識が急速に覚醒する。僕は地面にへたり込んだまま、自分の手を見つめた。

 あれ? 僕、生きてる? かすり傷一つない。体中が、ありえないほどの力で満ちている。

ん!?何このステータス!?

 そこへ、桜子たちが駆け寄ってきた。


「ちょっと、あなた! あ!?サン!?崖から落ちて……生きてるの?」


 サクラコは僕の肩を掴み、ステータスを凝視した。次の瞬間、彼女は目を丸くして立ち尽くす。


「レベル87……? ガチ!?嘘でしょ、私たちとほぼ一緒じゃなくて……?」


 斥候の黒髪清楚系の美女のエリリカ

が苦笑しながら言った。


「分配分以外に、別ルートで経験値がゴッソリ流れてる。システムが『戦闘のど真ん中にいた』って誤認したみたいだな……前代未聞だね、これ」


 桜子は呆れたように溜息をつき、それから優しく微笑んだ。


「崖から落ちて、ドラゴンの真上に着地するなんて……史上最も運が悪くて運のいい、偶然のドラゴンスレイヤーね、あなた」


「……僕、本当に、ドラゴンスレイヤーになっちゃったんですか?」


「本当よ。おめでとう。でも――」


 桜子は僕の頭をポンと軽く叩いた。


「レベルだけ高くても、技術も知識もない。ただの『数字が高いだけ』の素人よ。……ねえ、もしよかったら、私たちと冒険しない? 訓練してあげてもよくてよ!?荷物持ちしながらね♡」


「はい! もちろんです!あと料理には自信あります! 最高に美味しいキャンプ飯、保証します!」


 『徒然』の面々が揃って噴き出した。


 街へ帰ると、ドラゴン討伐の報せで既に大騒ぎになっていた。ギルド前で僕の名前がアナウンスされた瞬間、広場がどよめいた。

 宿屋の両親が放心状態で立ち尽くす中、僕は照れくさそうに桜子の後ろに隠れた。


 その夜、宿屋は大宴会となった。

 僕が振る舞った特製牛肉シチューを一口食べたサクラコが、目を見開いた。


「……んふ♡美味しい。ここのご飯は前の世界とひけを取らないわよ♡」


 彼女の目元が少し潤んでいるように見えた。異世界転生者である桜子にとって、この味は故郷の記憶を呼び起こすものだったのかもしれない。

 結局、サクラコは三杯もおかわりをしてくれた。


 夜、自分の部屋に戻り、ステータス画面を開く。


 名前:サン・クロワッ レベル:87

 称号:ドラゴンスレイヤー

 スキル:料理Lv.12 新スキル:竜威耐性Lv.1 他……


 僕は小さくガッツポーズをし

鼻歌を

ハハン♪ハハハハン♪


 完全に、偶然だったが無駄にするつもりはない。


 本当の僕の冒険が始まり鼻歌がとまらない。


ハハン♪ハハハハン♪

最後まで読んでいただきありがとうございます


いろいろ感想やポチッとしてもらえた感謝しっぱなしで

鼻歌がとまりません



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