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一等星の魔守神  作者: 青山駿
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七番目の星

ルル・フォースト…田舎から出てきた出稼ぎ青    

         年。今は都の下町にある薬       

         草屋でバイトしながら、独

         学の魔法を使った何でも屋

         をやっている。


ノットン・ベートー…ルルが住み込みバイトを

          している薬草屋の主人、

          おしゃべりで楽天家


ぺぺリア・ベートー…ノットンの娘。

「ようこそ…ボクのお魔守さん♪」

目を上げた先にいたのは…子供だった…

写真の子供とは違う、下町の子供ではない…美しい服、綺麗な金髪、柔らかな微笑み、そして、透き通るような青い目…コイツだ…コイツなんだ…コイツが感覚の正体なんだ…

直感がそう言った…目が離せない…

ジッと…二人とも見つめ合っう。互いに初めての感覚に包まれているんだ。自分達にしか理解できないこの感覚…それが完璧に満たされた瞬間…体がふわふわと浮いて心が何か神秘的な空間に取り残されたようになった…

俺の頭は次第に澄み渡っていく…さっきまでは頭痛のように暴れていた感覚がスゥーっと一本の線のようになって優しくまっすぐにソイツの存在を指し示していた。

「君が…」

いったいどのくらい見つめ合っていたのだろうか…ソイツの口が再び動いて我に返った

「君が…ボクのお魔守なんだね!あはは、すごいや…何なんだよ、この感覚!」ニカッ!と、無邪気な笑顔が、ソイツのすべすべとした白い肌にえくぼをつく?。

俺の頬も自然と緩む。何も知らない…誰なのかも知らない…でも…コイツだけは守らなくてはいけない…そんな気持ちが急に溢れ出す。おまもり…一体なんだか知らないけどきっとそうなのだ。俺が…俺が…コイツのお魔守なんだ、

「なぁ、名前は?」

自然と声が出た。コイツの名前を知っておかなくては…そんな気がする

「…ボクは…アルマーク・ステラシオン!アックって呼んで?」

「アック…」

ストンと心に落ちる名前…アックか…ん??

「ステラシオン?それって…」

クスッ…「そうだよ…その通り!ボクはこの国の七番星さ」

「なっ!?」目が見開かれて、急に現実に引き戻された。 

あはは「ビックリした?」アックの顔は意地悪な笑顔を浮かべている。

俺は思わず周りを見渡した。見たこともない美しい装飾が施された柱、上質な壁、天蓋のついたベッドはおとぎ話の中の物のような部屋…この部屋は…まさか…まさか…ステラシオンってことは…

「お、王族…」

ニカッ!アックの顔が輝いた、

「せいか~い!」

「なっ!?」

俺は思わずその場にひざまずいた。

「ま、まさか…王族とは知らずに…とんだご無礼を…」

「え~何で~そんなにかしこまるなよ~さっきまでの感じていいのに~」

アックは子供のように拗ねた声を出した。

「いえいえ!そんな、滅相もない!」

「つまんねぇ~の、せっかくのお魔守なのに~」

また、何なんだよ…お魔守って…俺は頭を上げずにへいつくばって考える…

「ねぇねぇ…顔上げてよ…」

足音がして、アックはこちらに近寄ってきた

その声はどこか弱く寂しそうだった…

「は、はい…」

おずおずと、顔を上げると、やはりそこには綺麗な宝石のような姿があった。俺の感覚を一心に受けて…

「君だけとは友達でいたいな…ルル…」

アックが手を差し出した。

「な、名前を…」

「うん…聞いたんだ、母さんから」

俺は知らず知らず手を取っていた…感覚がさらに透き通る…

「あ、あの…俺…」

「いいんだよ、何も知らなくても…今日は少し話すだけだから…」

アックも同じ感覚を感じているのか、その手が小さく震えた。

「ねぇ…ルル…あっ、ルルって呼んでいいよね?」

「あ、はい…」

アックは小さく微笑んだ

「ルル…ボクはね、君が必要なんだ…君がいなきゃ困るんだよ…」

「は、はい?」

「ねぇ、僕の所で働いてくれないかな?」

「…!」

お魔守って…そういうことか、もしかして、護衛?

「そ、そんな…俺は何もできないですし…」

「そんなことないさ!だって君は選ばれし者だよ?」

「え?」

「だって…お魔守なんだから!世界に七人しかいないんだよ?すごいよ!…分からないかなぁ…」

「……」

世界に七人?そ、それは…きっと何かの間違いなんじゃ、俺はただの一般人、それどころか一般人にも満たないような存在なのに…でも…

「何より…この感覚がその証拠だよね、」

「これが…」

「そうだよ、この感覚…ルルと僕の繋がり…これは君がお魔守だっていう証拠だよ」

「え…えぇ…」

クスクス「ごめんね、急にいろいろ言って、まぁいいや…とりあえず今日の用件を伝えるね?」

アックは豪華なオレンジ、と言うか金色の長い服を引きながら椅子に座った…

「は、はい」要件?おれに?

「決めて欲しいんだ…」

………

「君が僕のお魔守として、この王宮で暮らすのか…それともあの店で働いて自由に平和に生きていくのか…」

アックの目が万華鏡のように鮮やかに輝いて真剣に俺を見つめた…

「君に任せるよ…強制はしたくない。それに、あえて言うならここでお魔守として生きることはきっと…幸せなことではないよ…」

…頭が、こんがらがってきた…え?つまり?え?

「返答は明日の夜…再び感覚が目覚めたとき…あっ…もう、今日かな…」

アックがチラリとカーテンを見つめた。今になって気づいたが、まだ夜のようだった。いったい何時なんだ…

「よろしく…ね」

……頭がぼーっとした。何がどうなってるんだ…俺は…数時間前までは下町にいて、今は…ここは…きっと王宮…それで…

「さて!今日の所はおしま~い!僕ももう眠いんだ、今日はやたらと動き回ったからね…じゃ!もう帰っていいよ…」

優しい声が頭に響いた。

パンパン!アックは突然話を切り上げると手を鳴らした…すると、

バサッ!カーテンが勢いよく開いた、また、魔法なのか?まさかアックも魔法使いなのか?

「さて…じゃあ考えといてね、どうするか…ね?」

アックは俺の手を取って窓辺に導きながら優しく言った。その青く透き通った瞳にはどこか懇願するような青があった…

「…」俺は小さくうなずいた。

「へへ、よろしく~」

窓辺につくと…アックは窓の下を覗いた。

「あっ!」

そこには…

「これって…魔法の…」

「そうだよ魔法の絨毯さ!これで送るよ…君の家まで」

「えっ…アックが?」

「あはは違うよ~ボクはねここから勝手には出られないんだ。こうやって頭を覗かせるのさえ…バレたら怒られちゃうよ…」

「……」

「ま、まぁとにかく!もしも、ルルがここに来てくれるって心を決めたなら…また明日…ね?」

「はい…ま、また明日…」

クスッ「明日からはその気持ち悪い敬語はやめてね?僕たち友達だよ?」

えっ…友達…?

「じゃあ!」

あっ…俺の体はアックへのお別れを言う前に何かに…いや、誰かにふわりと持ち上げられた。

「アック!」

いつの間にか声が出ていた…敬語は、自然と忘れていた。

「ん?」カーテンの向こうに消えかけながらアックがこちらを見つめた。

「また、明日な!」

ニカッ!「うん!」

ビュン!魔法の絨毯は急に飛び始めた。アックの部屋があっという間に小さく見えていく。やはり…俺は王宮にいたんだ…月明かりが壮大な王宮を照らしていた。その姿はまるで一つの化け物のようにも見えた…何か、闇も希望も何もかもを含んでいるような…

「スゲぇ…」

俺はこの世の物とは思えない巨大かつ美しい建築物を見ながら少しずつ下町へと飛んでいった…

「おい…」

「うわっ!」

俺の横にいつの間にか一人の少年が座っていた。

「……」ジッと見つめてくる…

「だ、だれ?」

「お前…明日からお魔守…なる気だろ…」

そいつは目をそらして前を見ながら低い声で言った。

「え?」

「無理…」は?

「……」

「それだけ…」

そいつはそれだけ言うとまっすぐ前を見て俺のことなど気にもかけないようだった。まるで俺なんか相手にしていないよう…

な、何なんだこいつは…コイツがさっき俺を持ち上げたのか…だとしたら、どんだけ力があるんだよ…

その姿はまさしく王宮の魔法使いの正装という感じだった。シックだが、目を引くポイントのあるマントの柄、胸元の三ッ星のバッジ…魔法使い…そうとしか見えない…

黒い目は夜の世界でもその黒さが分かるほどの完璧な黒さだった。顔立ちは…まぁ、カッコイイ方かな…

「あの…」

「……」

無視?……

俺達は一言もかわさないうちに下町まで飛んできていた。歩けば半日もかかる道が…1時間たったかたってないかのうちに終わっていた…

下を見ると見慣れた下町…後ろには遠くにそびえる王宮と、その丘のシュテルン地区、さらには市街…綺麗な夜景が広がっていた…

「うわっ!」

突然絨毯は、下降し始めた…うげっ…墜落してない?でも…隣の奴は一ミリも動いてもいなかった

スワー!絨毯は地上すれすれで立て直し、道を突き進んだ…

「ま、まって!まって!人が…」

夜とはいえ下町だ…夜だって喧噪が…そんな中をこんなことしたら…あれ?

「気づいてない?」

「……」

嘘だろ…見えてないのか?絨毯は人の合間を縫うようにすごいスピードですり抜けていく…なのに…誰一人こちらに気付いていない…これも魔法?俺は隣の奴をチラリと見た…全く微動だにしない…

絨毯は下町の道を突き進み、何度か曲がって…次第に…

「あっ…ここって…」

次第に、ベートー薬草店に近づいていた。夜とはいえ知ってる道…なんだか、朝振りなのに数日も帰ってなかったような気がした…

ギュン!

絨毯はベートー薬草店の少し手前で急停車した…ウぐっ…落ちる!かと思ったが…体は勝手に止まった

相変わらず隣の奴はこちらを見すらしないが、きっと降りろってことだろう

「あ、ありがとう…それじゃ…」

全く見向きもしない…王宮の奴は、これが普通なのか…

コツ…足が久しぶりに地面を捕らえた。なんか、無駄に懐かしい…

ギュン!

俺が降りると絨毯は瞬く間に空の彼方に消えた…現実に帰ってきたことが少しずつ、少しずつ分かってきた…


ふぅ…通りの先を見ると、ベートー薬草店の看板が暗い下町の通りに薄く見えた。落ち着く…やっぱり落ち着く…我が家ではないにしろ…ここまで来れば、ひとりでに足が向かい始めた。

二人になんて言おう…きっと心配させたよな…特にぺぺリアなんか、怒ってるだろうな…クスッ、俺は苦笑した。足が重い…信じられないほど歩いて走って、疲れた一日だった…でも、それ以上に…何か、人生で一番の内容の濃い一日でもあった気がする…

店に着くと中は暗かった。寝たのかな…?まぁ、もうこんな時間だし…

いったい今が何時なのか分からないが、もう夜遅いことは確実だった。日も超してるかもしれない…ロウソクをともして店の番台に座った。

「はぁ…」

やっと、現実が体の中に押し寄せてきた。とにかく…今は…ね…むた…い…

んん…あれ?ここは…うわ!!

ガタン!

「いって~」そうだった…そういえば、帰ってきてそのまま番台の椅子で寝てしまったんだった。俺は、思いっ切り椅子から転落していた。

ハァ…えっと、たしか………

はっ!寝ぼけた脳内に全ての出来事が流れ込んできた。そうだった……俺は…俺は…

今になってやっと、ことの重大さが…でも…

キーン…感覚が昨日の出会い以降は全く不自然さなく体の中に響いて、何だか、言いようのない心地よさがあった。

俺は、ゆっくりと起き上がった。

二人に話さなくちゃ…なんて言うかな…そもそも信じてもらえるか…

てか、帰ってきてから一度も二人に会ってない…昨日の夜は遅かったし、二人とも寝てたんだろう…

俺は、きしむ廊下を通って台所へ行った。あれ?誰もいない?……俺は、隣の寝室へ…え?

「ベートーさん?」

いない…二人ともいない…俺は、小走りで外へ出た。外は朝日に照らされて明るくなっていた。遠くには王宮の尖塔も…

感覚のままにぼぉーっと見つめていると、あそこに…行かなくちゃ…ふと、そんな思いが心に走を飲み込みそうになる…。


「あっ!!!」

ビクッ!通りの先の方で大きな声がして一気に我に帰った。

「ルル…ルル!!」

「あっ…」

ぺぺリア…!それに、ベートーさん!

「バカァ!」ドン!…ぺぺリアはものすごい早さで走ってきて俺に抱きついた…と言うか突進した。

「バカ!どこ行ってたのよ!心配して…心配して…うぅ…」

ぺぺリアは、俺を道に押しつぶしながら泣き出した。

「ぺぺリア…ごめんね…」

そっと…抱きしめた。

「うぅ…死んだかと思ってぇ…」

「大丈夫だよ、死ぬわけないじゃん…何も怖いことはなかったよ…」

「嘘つきぃ…」

「嘘じゃないよ…」

優しく涙を拭う…

「ただいま…ぺぺリア…」

「おかえり…ルル…もう心配させないでよね、バカ…」

「……な、なぁ、…おーい」

「キャッ!」ぺぺリアは、ベートーさんの声に我に返ったのか俺をさらに地面に押しつけてから飛び退いた。

「……ま、まぁ…おかえりな、ルル」

ベートーさんは頭をポリポリかきながら俺に微笑んだ。

「はい!遅くなりました、」口元が緩む…

「なんだ?いいことあっためてぇだな?」

「え?」

「昨日の朝、ルルが訳分からんこと言ってイキイキしてたときとは違って…なんか、落ち着いてるから…」

そうなのかな?…でも、確かに…

頭の中の感覚がしっかりと透き通って一点と繋がっている…もう、迷いなく…

「さて!話、聞かせてもらうぞ?何があったのか…全部な」ベートーさんは俺の肩に手を回してついでにおっきな溢れた脇腹を押しつけながら、店に歩き出した

「は、はい!」

俺達三人は、やっと揃って店の…いや、我が家に…

「へへ、ただいま…」ぺぺリアが鼻をすすりながら小さく言った。

         ~

王宮のとある薄暗い部屋…そこには黒い布に身を包んだ6人の何かが大きな円卓を囲うように座っている…

「ごめんごめん!遅れた~」一人の少年が入ってくる…明らかに場違いな黄緑のマントに子供っぽい声…

「……おい…言ったろ、消えてこいと…」機械っぽい無機質で抑揚のない声が6人の誰かから発せられる…

「あ?別にいいだろ…見られてねぇよ…」

「……まぁ、いい…だが、決まりは守ってもらうぞ」

「相変わらずお前らは用心深いねぇ…そんなんで、疲れない?」

「……」

「はいはい、ごめんってば、で?今日は何?決まったん?」

「ああ…」

機械の声がカタカタと答えた…

「は?、マジ!?」

少年の声は暗い部屋に不自然に明るく大きくこだます。

「どこ?どこなの?どこ潰すの?」

一人の黒布がかすかに動いた。

「うるさいですね…レルグルス君」

ギロリ…

「何だよ…フラフスカ…」

「いえ、何でも…ただ、この中で最も弱いあなたがやけに流星計画に興奮してるのでなんで…つい…」

「あ?」ギロリ…突然少年の目が…

「やめろよ~…ね?やめよ~」新たな黒布の声…柔らかく中性的な声…

「ふふ…すいません、つい…雑魚のバカな声にガマンが…」

「てめぇ…おい…」

ズゥン……突然部屋の空気が重くなった…空気の密度が増したように…ゾワッと…

「分かってるよ…分かってるって…悪かったよ」少年は仕方なさげに目力を弱めた

「……」空気が緩む…

「さて…じゃあ本題だ…」機械声が抑揚なく話し始めた。

「結論からいおう、レルグルス…潰すのは、五番星だ…」

「五番星!か…おぉ…いいじゃん、まぁ、どこでもいいんだけどサ」口元が緩む…

「理由は…知りたいか?」

「別に…俺は、ヤれるなら何でもいい!」

ニカッと子供らしく笑う。

「でも、なんだな、あんだけ楽しみにしてたけど…いざ聞くとあっけねぇよな…どうせすぐ終わるし…」

「フフ…これだから、まだ始まったばかりじゃないですか…星は7つもあるんですよ?これから全部とやり合うことになるんですからね…」ニヤリと口元が動いたように見えた…

「へへへ、…たまんねぇ…」

レルグルスは無邪気な顔に似合わない舌なめずりをした。

「それで?いつ?誰から?」

機械の声が淡々といった…

「五日後の深夜…五番星の衛兵とお魔守を殺す…」

へへへへ…くくくか…小さな笑い声、

「きた…きた…きた、きた!!やっときたぜ!皆殺しだ…くくくく、」

レルグルスの高笑いが響く…

「今回は念のため連星者のみで行う…もしもの時バレないようにな…そこでだ、レルグルス…お前は衛兵を頼む、もちろん…皆殺しで」

「ヒュー!最高かよ!!任せろ…数時間かけて一人ずつ…痛めつけて…くくくく」

「で…肝心のお魔守は…カリオン、お前がやれ…」

「えっ……俺?」

素っ頓狂な声が響いて…黒布が揺れる

「そうだ…」 

「いやだってさ、お魔守だよね?やっぱり一等星が行った方が…ね?」

「いいんだよ、それで…」

「でもさ…」黒布が揺れる…

「てめぇ…めんどくさいだけだろ?コラ…」

レルグルスの声が響く…

「そ、そんなこと…ないと思うような…」

「チッ…んだよ…じゃあ、お魔守もおいらがやるよ…それでいいだろ?」

「ダメだ…」

機械声が響く…

「は?なんでだよ?」

「卿のお考えだ…従え…」

一番奥に座る黒布…6人共がチラリとそちらを見た。

「わかりましたよ…やりますよ…やればいいんでしょ?」

「ふん…」

「で?五番星のお魔守って?誰なの?」

「それくらい知っておいてくださいよ…ラーニッヒ・ルナエル…二等星ですよ、」

フラフスカが呆れて言う

「げっ…二等星って、俺と一緒じゃん…な、なんぼくらいなの?」

「1,170でしたね…確か。全天63位です。」

「1,170!?俺より強いじゃん!無理だよぉ~そんなの…死んじゃうってばぁ」

「……」奥の方からの圧が…

「いや…分かってますけどぉ…やりますけどぉ…」

「言ったろ…うちに入ってから…強くなっていると…お前は既に一等星に近いほどの力を身につけている…」

機械声の変わらないトーン…

「分かってるよ…分かってる…やるってば…」

「よし…」 

「さて…では、お馴染みの近況報告といきましょう!」

フラフスカの声が跳ねるように大きくなる

「またかよ…ダルっ…」

「レルグルス君、お静かに…」

「はいはい…どうぞ~」

ごほん…

「え~まず、トップニュースは新しいお魔守についてです。」

「新しいお魔守ぃ?」「七番星もついにお魔守か…」「……」6人が少しだけざわめいた。

「で、誰?どこのどいつ?」レルグルスの無邪気な尖った声…

「フフ…私も知らないような奴ですよ…何でも下町の子供だとかで…」

「は?なんじゃそりゃ…下町の?」

「え~そんなことってあるの~?」

中性の声が不思議そうに聞く…

「ええ…確実な情報ですよ…」

「それで、強いの?そいつ…てか、名前は?」

「名前はルル・フォースト…もちろん座無しですよ…」

「すげぇ…座無しのお魔守?そんなの初めてじゃね?」

ニヤリ…

「ただし…」

「?」

「強さは全く分かりません…フフ」

「……は?」

「えぇ…だから…強さが分からないんです。昨日王宮に入ったらしいですけどね…全く測れませんでした。」

「フラフスカが、分かんなかったの?じゃあ…」

カリオンが弱々しく言う、

「そうなんですよ…もしかしたらすごい弱いただの下町の子供…という可能性もありますよ、でも…」

………ニヤリ

「そんな奴…王族のお魔守にしますかね?」

「つまり?」

「えぇ…光力を隠してる…完璧に…」 

「まさか!そんな魔法ないぜ?聞いたこともない…」

レルグルスが、馬鹿にしたように鼻で笑う…

「フフフ…おバカさん、魔法の半数以上はオリジナル、本には載ってないんですよ?しってますよね?」

………

「どうです?なかなかのトップニュースでしょ?ワクワクしませんか?」ニヤリ…

「へっ、キモ…」

「まぁとにかく…様子見だな…その件は…ただし、もしも強ければ上手く使わねばな…」

機械声がチラリと最奥の黒布を見てとりあえずまとめた。

「さぁて!次のニュースは~」

暗い部屋の中…6人と一人が、暗闇の中で声をかわす…いつか…いつか全てを壊すために…

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