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28歳の戯れ言な私小説

作者: 鮎のユメ

 惚けたことをひとつ、言わせてもらうなら。


 仕事なんてくそくらえ! 人生遊んで暮らしたい! 働きたくない! 楽しいことして生きていたい!


 ……こんな文で始まる私小説が面白い訳もないし、嫌な人はもうブラバしてもらって結構なんです。小説的なルールも守ったり守らなかったりするでしょうし、かなーり優しい目で見るなら、読んでくださればと。


 私ももう28。仕事したくないとか、そんなことなんて言ってられないし、仕事しなきゃお金もない。貯金はあるけどそれだって、仕事しなくなったらいつ無くなるかわかったもんじゃない。

 結局は働かざるをえない、ってのは現代社会の摂理なんですが。それにしたって人生100年、のうのうと仕事して生きるなんてつまんなくて。

 私が今いる職場ってのは、控えめに言ってもまぁ、Twitterとかでよく見る〝ありがち〟なク〇会社で。

 仕事内容は別にいいんです。問題は中身というか。

 一言で言うと、自由。何が自由かって、仕事してなくたって別に〝怒られない〟。……誤解を招く言い方なのは自覚してる。けど、事実、それがまかり通りそうな風潮もあって。


 仕事はしてるんだよ? でも、それが儲かってるかどうかって結構大事だと思うんです。じゃあ、社員一人一人にその儲ける意識があるかっていうと、〝感じない〟。これに尽きる。これでよく会社成り立ってるなぁとは感じまして。感じてるじゃん。


 ともかく。

 自由の意味を履き違えていても、そこへ大きなペナルティもなくかなり気楽に仕事が出来る。うん、一見良さそうに見えて、やっぱり中身って大事だねって話で。

 楽しいか楽しくないかでいえば、まぁ別に、楽しくはない。仕事だし。

 でも、やり甲斐もない。やったとて、『でもそれって当たり前だよね』の繰り返し。違うじゃん、私はそのリターンを求めてる訳で、そのために仕事をしに来ている訳で。

 そもそもじゃあ、当たり前がどこからどこまでなの? 納期までに仕事を片付けて、原価よりも安く部品作って、それでやっと当たり前? 経費を削減と言われる中、昔よりも高額になってるかもしれない工数で仕事時間を短縮しようとするのが当たり前?

 その当たり前をクリアするために必要な努力をしてきた人たちのことは、ずっとないがしろにされることが、当たり前?

 ……それってどうなのよ。

 仕事になっていない部分が業務の一部に組み込まれるのはある種当然のことなんだけど、最終結果、それが会社の利益になるように努力を重ねるのって、会社全体の試みであって社員が独自の努力を続けるのってさ、それもう慈善事業じゃん。たぶん別の会社作った方が儲かるよ。


 ……とまぁ、会社への不満を言ってみたものの。現状が変わる訳じゃないし。

 そもそも論、私はこれまであまり努力を重ねてきた方じゃない。

 呪いたくなる過去にすら、今の自分を決定づけるルーツが無い。ずっと、ひたすらに平行線で、淡々と生きてきただけの人。

 わかってるんですよ? これが、今まで自分が何の努力もしてこなかったツケなんだと。変われ変われと言われても、変えてこられなかった末路なんだと。

 自分のことなのにどこか他人事で、自分のしたことに責任を持つことの出来ない、哀れ人間。滑稽ですね、涙もちょちょぎれます。

 どこか遠くへ行ってしまいたくて、でもどこへも飛び立てない、翼のない鳥。私はきっと、そんな愚かな存在なのだと、身に染みる毎日です。ぴーす。

 ……そうやって、自責や後悔、妄想で頭は埋め尽くされて、他のことを考えられる余裕もなくて。自分に自信がなく、心が窮屈で死んでしまいたくなる。苦しさを紛らわすため、好きな音楽を頭に掻き鳴らし、好きなゲームを続ける日々。逃避行動ばかり繰り返して、結局中身がからっぽなままの肉塊。

 出来もしないのに、大言壮語と無理難題な過大な目標を掲げて、ハナから出来もしないと高を括る。「なにがしたかったんだ」と罵られても仕方ない。

 そんな私ですが。

 やっぱり、どこかへ行きたいんです。翼はなくとも足はある、頭はある、腕がある。

 考え続けることは誰にでも出来ることだから、私はそれ以上に考えないと、みんなと違う人にはなれない。足を動かすのだって、手を動かすのだって、人と同じじゃクローン人間だ。

 井の中でもがくだけのカエルなんてまっぴらで。

 無味乾燥な毎日に、色が欲しくて。

 せいいっぱい、胸張って生きていきたい。


 小さな頃に見た、大きな大人に憧れていたはずなのに。

 いつの間にか、その憧れの大人になったはずなのに。

 私は、何をしてるんだろう。


 そんなことを、今やっと考えていて。

 兄貴のお下がりじゃない自分でいたい。

 カッコよくひとりで生きていたい。

 そのために、今、何が出来るかってこと。


 ……って訳で、やっとここで決意表明。最初から、ただ一つこれが言いたいだけだったんです。

 人生って、長いから。こんなところでくすぶるだけの日々なんてごめんだから。

 だから。


 仕事、辞めたいっっっ!!!

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