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【書籍化&コミカライズ】転生した私は幼い女伯爵 後見人の公爵に餌付けしながら、領地発展のために万能魔法で色々作るつもりです  作者: もーりんもも
第二章 領地を改革します

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42/180

42 ジュリアンさんをゲット

「私はラロシュ侯爵家の三男なのですが、婿入りも王宮勤めも嫌で、薬草の研究を続けるために家を飛び出した口なのです」


 ひぇー。そうだったんだ。あーでもそうだね。その家柄でその顔なら、婿に欲しいって家は掃いて捨てるほどあるよね。


「教育を受けさせてもらった恩はあるのですが、こればかりは譲れなくて。話を聞きつけたリュドビク様が――リュドビク様は兄の学友で、我が家にもよく遊びにいらしていたので私も懇意にさせていただいていたのですが、あれこれと世話を焼いてくださって」


 あら。「公爵閣下」から「リュドビク様」に呼び方が変わった。なるほど。親しい間柄だから、普段はリュドビク様って呼んでいるんだ。


「リュドビク様は屋敷に住まわせてくれたばかりか、私のために様々な薬草を取り寄せてくださったのです。そして薬草畑の隣には研究棟まで建ててくださいました。『医師や薬師を囲うことは普通のことだ。領民のために投資を行うのだから、礼など言われる筋合いはない』とおっしゃって」


 へぇ。なんか意外――。

 公爵って――ただの頭でっかちじゃなかったんだ。まぁそれは、私の後見人を引き受けてくれた時点でわかれよって話だけど……。


「研究助手も一人つけていただいたので、実験結果が出るのが早いです。領民の方々を診療する際に私の開発した薬草やポーションを試させてもらっているので、鑑定だけではわからなかった効果の効きの違いなどもわかり、本当に助かっています」


 それ、「治験」っていうやつ!


「ですが、やはり研究結果を公開することはリュドビク様にも反対されました。私のそういう行為を疎ましく思う方がいるのはわかりますが……。リュドビク様には、『声高に反対するだけでなく実力行使にでる人間もいるだろう』と言われまして。穏やかじゃないですよね。私たちは人を救うことを生き甲斐にしているというのに」


 いやいやいやいや。めっちゃわかる! 心の汚れている私にはわかる。

 人を救うことを生き甲斐にしているのはジュリアンさんだけで、他の人たちは金儲けを生き甲斐にしているのです!


 医学に関する知識を金儲けの種だと思っている人たちが大勢いる訳だから、そりゃあ反対勢力からしたら、何をしてくれてんだってことになる。

 自分たちが独占していた知識の価値が下がっちゃうんだからね。


 なるほどねー。公爵は慌ててジュリアンさんを庇護下に置いたのかもねー。




 いつの間にか私とジュリアンさんは、立ち止まって話し込んでいた。

 気がつけば苗は使用人たちが見よう見まねで植えてくれていた。ははは。すみません。


「私もできることならジュリアンさんの研究所にお邪魔して、色々と教えを乞いたいのですが、この一年間は学園入学に備えて勉強をしなければならないのです。本当に、本当に残念でなりません。せめて一番簡単なポーションくらいは作れるようになりたかったのですが」


「そう――だったのですか。あの――ですが――何というか――その――。薬草の調合もそうなのですが、特にポーションともなれば、効果を鑑定する必要がありますので、鑑定の魔法が使えないことには、その――難しいかと……」


 えええっ! 鑑定? 鑑定の魔法が必要?

 言われてみればそうかも。そうだよね。

 前世の薬品みたいなものだもんね。調合した材料の微量の差で、効能に大きな違いが出てくるかもしれない。

 私が鑑定魔法を使えたなら、成分ごとの微量の差を成形魔法で調整できたのになぁ。

 うーん、残念。あー、残念!


 私の野望は(つい)えてしまった……。

 くぅー。

 もうあまりの無念さに膝から崩れ落ちてしまった。


「だ、大丈夫ですか? その、私でよければ鑑定不要の簡単な薬草の調合をお教えいたしますが。ポーションでなくても、薬草の組み合わせ次第では高い効果を得られますので。鑑定が不要な調合もたくさんありますよ?」


「本当ですか? それは是非、是非ともお願いしたいです!」


 ジュリアンさん、優しすぎます。


「承知しました。それでは定期的にこちらにお邪魔させていただきます。一応リュドビク様にお話しして許可をいただいておきますね。なあに、元々好きなことをやらせてもらっているので、時々はこちらで研究したいと言えば反対されることはないと思います」


 助かるー。ほんと助かるー。もう私からは絶対に手紙に書けないことだもの。


 あー、それにしても。夢が膨らむわ。

 薬草が成長して、領民たちに行き届くようになれば、病気や怪我で苦しむ人を減らすことができるはず。

 全員を完治できるなんて思い上がったりはしないけど。


 後は、必要なときに必要な調合ができるよう、うちにも研究所だか診療所だかを作りたいな。

 ああでも、痛みがひどいと家から出られないこともあるか。そういう人たちからは一報をもらって――。


 ……………………。


 一報? どうやって? 病人はどうやって伝えればいいの?

 連絡手段がないんじゃない? 「ない」というか、決まっていない……?


 病気だけの話じゃないかも。領地全体に情報を伝える手段って必要じゃない? これは真剣に考えた方がよさそうだわ。

連絡手段についてはまた後日。

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― 新着の感想 ―
 一番はやっぱり早馬か狼煙、鳩だよなぁ。
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