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【書籍化&コミカライズ】転生した私は幼い女伯爵 後見人の公爵に餌付けしながら、領地発展のために万能魔法で色々作るつもりです  作者: もーりんもも
第二章 領地を改革します

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169 マルティーヌのお茶会④

カドコミで第5話①が更新されています。

領地視察におでかけです。

 ショートケーキは全員がペロリと完食した。

 切り分けた後の残りの三切れの行方が気になる……。夕食に四人全員が所望した場合はどうすればいいかな?

 一切れを更に半分に切って、一つと半分をそれぞれカッサンドル家とドーリング家に渡す?

 まあ、マルコムへの申し送り事項に含めておこう。

 それよりも今日予定しているプログラムを進めないとね。結構キッツキツに詰め込んだからね。


「お代わりをお持ちするところですが、せっかくですので、皆様には、あちらに併設している施設で、ハーブティーのブレンド体験をしていただきたいと思います」


「ハーブティーのブレンド体験!?」

「ハーブティーのブレンド体験ですって?」


 おやおや。ソフィアとルシアナが食いついた。母親世代はあまり興味ないのかな?


「ええ。ハーブティーは使用するハーブによって色も変わりますし、ブレンドすることで飲みやすくなりますから、ぜひお好みのブレンドを見つけてみてください」


「ねえ、マルティーヌ。私、ブレンドされたハーブティーを飲んだことがないんだけど、ううん、そもそもハーブティー自体をあまり飲んでこなかったから、ちょっとピンとこないんだけど」


 さすがのソフィアも知らないことまでは応援できないみたい。

 まあ確かにそうだよね。この世界じゃそんなに流行ってないよね。しかも子ども向けの飲み物じゃないし。


「大丈夫よ、ソフィア。私もお母様が飲んでいらしたミントティーくらいしか知らなかったの。でも薬草を学んでいくうちにハーブの知識も増えて、自分で数種類をブレンドして飲んだら思いの外美味しかったから、それを大勢の人に伝えたいと思ったの。何よりリラックス効果が期待できるからイライラしたり落ち込んだりしたときなんかにお勧めよ?」

「そういえばマルティーヌは薬草の勉強を始めたって言っていたわね。ハーブティーにそんな効果があるのね。じゃあ私はまずはマルティーヌのお勧めのブレンドを試したいわ」

「ふふふ。任せてちょうだい。味は保証するわ」


「コホン。私もミントティーくらい飲んだことがあります。ハーブだってドーリング伯爵家には料理に使いきれないほどたくさん揃えておりますわ」


 ん? ルシアナママは何に対抗しようとしているの?


「随分と自信がおありのようですが、闇雲にハーブをブレンドしたところで美味しくなるとは限らないと思いますわ」


 うわぁ。さすが、あのルシアナのママだけあって、はっきり言うね。


「あら。だからこそ、色々試して美味しいブレンドを探すのよね?」

「はい。そういう楽しみ方をしていただければと思います」


 サンキュー、ソフィアママ!


「では皆様、こちらへどうぞ」




 私たちが立ち上がる前から、エディがワークショップの部屋のドアを開けて、待っていてくれている。

 部屋に入ったソフィアたちは、壁面の棚に収納されているハーブの説明書きなどを見てから、母娘でそれぞれのテーブルに分かれて着席した。

 部屋の中央奥に大きな長方形のテーブルがあり、私はその横に立つ。


 エディも部屋の中に入りドアを閉めて、私と反対側の隅でかしこまった。今日が初接客となるので、かなり緊張しているみたい。

 でも私がいるし、何より――。


「皆様。ハーブの効能については私よりも専門家の方にアドバイスをいただきたいでしょうから、今日は私が師事している薬師の方にお越しいただきました」


 調合室に続くドアをノックすると、いつも私をお日様のように優しく包み込んでくれる人が現れた。


「ご紹介させてください。こちらは薬師のジュリアンさんです」


 ジャジャーン。

 今日はちょうどジュリアンさんが来てくれているんだよね。まあお茶会の日程が決まってからジュリアンさんの来訪日を調整したのだけれど。

 えへへ。これ以上ない心強い味方だ。

「ぜひ説明を」ってお願いしたら快く引き受けてくれた。


「ジュリアンさんは、フランクール公爵家の専属薬師でいらっしゃいます。公爵閣下に後見をいただいているご縁で、私もご教示をいただいております」

「ご紹介にあずかりましたジュリアンです」


 ジュリアンさんからは、家名は伏せて紹介してほしいと言われたから、その通りにしたけれど。

 ルシアナママが、「平民に教えてもらうなんて」と嫌がらないか、ちょっとだけ心配。


 でも、こんなに人当たりのいい人ってなかなかいないと思うけどね。イケメンだし。

 そう。「こんなイケメンで物知りな先生に教えてもらっているんだよー」と、ちょっと自慢したい気持ちもあった。ふふふ。


 でもここはあくまでも、「皆さんのお手伝いのために、公爵家のお抱え薬師という信頼のおける人物に来ていただきました」っていうホステスとしての心遣いをさりげなく示すところだよね。

 大丈夫。大丈夫。ドヤ顔はしていない。

 みんなにもそんな風には映っていないよね?


 ……………………ん?

 ……………………え? 

 えぇぇっ!?


 る、ルシアナ?

 ちょっ、ちょっ、ちょっと!!


 何……その顔……。

 とろんとした瞳。(ほう)けたようにボーッとしちゃって。


 ま、さ、か――。

 ジュリアンさんと目が合った瞬間、恋に落ちたの?!

 え? マジで? どうしよう!


 ここで乙女チックな展開なんか面倒臭くて嫌なんですけど?

 どうしたらいいの? 他は? 私以外にルシアナの異変に気がついた人いる?

 

「本日はマルティーヌ様のお手伝いをさせていただくべく参りました。壁面の棚に並べられている薬草やハーブについて何かご不明な点などございましたら、どうぞ遠慮なくお尋ねください」


 いなかった!

 ルシアナ以外はお行儀良くジュリアンさんを見ている。彼が喋っている途中だもんね。

 と、とりあえず、ルシアナが正気に戻るまでこっちに引き付けて時間を稼ぐか。

次にくるライトノベルのエントリーは本日17:59までです。

「転生した私は幼い女伯爵① 後見人の公爵に餌付けしながら、領地発展のために万能魔法で色々作るつもりです」をエントリーしていただけると嬉しいです‼︎

(下にリンクがあります)

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ピンクブロンド第二弾完結しました。*続編ではありません。
私が間違っているのですか? 〜ピンクブロンドのあざと女子に真っ当なことを言っただけなのに〜

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