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【書籍化&コミカライズ】転生した私は幼い女伯爵 後見人の公爵に餌付けしながら、領地発展のために万能魔法で色々作るつもりです  作者: もーりんもも
第二章 領地を改革します

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141 薬草調合室とワークショップスペース

いつも誤字報告ありがとうございます。

書籍化にあたり、出版社から使用しない方がよいワードをご教示いただきまして、

途中から用語を変更しております。馴染みがないとは思いますがご了承ください。

例)馬丁 → 馬手 

  下男 → 下働き、使用人 

 嵐のようなヘイリーさんが去ると疲労感だけが残った。はぁ。


「ありがとう、ローラ。ヘイリーさんて――仕事はできるのよね?」

「はい。そういう評判だったのですが、少し認識を改めようと思います」


 やっぱり?

 でもローラはそれだけ言うと、厳しい表情からすぐにいつものにこやかな表情に戻った。

 ローラも公爵邸で鍛えられたんだね。


「マルティーヌ様。ジュリアン様は三時の鐘が鳴る前にこちらにいらっしゃるご予定ですので、そろそろかと思いますが、到着されましたらすぐに建物をご案内されますか?」

「ええ。まずは一通りご覧いただいてからお茶にしたいわ」

「かしこまりました」


 そう!

 今日は毎月恒例のジュリアンさんの来領日なのだ。

 あー、早く見てほしいなー。

 ハーブ多めの薬草園を作ったんだよ。

 あれやこれやの私の妄想も聞いてほしい!


 三時のお茶はジュリアンさんとこっちでいただくと言ってカントリーハウスを出てきたんだもんね。

 夕方までに帰ればよいので、時間ならたっぷりある。






「あ、いらっしゃったようです」


 ローラの視線の先に目をやると一台の馬車が見えた。




 程なく到着した馬車からジュリアンさんが降りてきた。

 もうテンション爆上がりの私は、うっかり手を振ってお出迎えするところだった。

 あっぶな。

 淑女の仮面の被り方を身につけたというのにね。


「マルティーヌ様。お待たせしてしまったでしょうか?」

「いいえ。工事の進捗確認や打ち合わせなどがあり、私はお昼過ぎからこちらに詰めていたのです。それよりも早くジュリアンさんをご案内したくて待ちきれませんでした」


 そう素直に打ち明けると、「こちらが噂のオーベルジュですね?」と笑われた。


「レイモンさんからお聞きしました。マルティーヌ様の肝いりの事業だそうですね」

「はい! レストランを備えた宿泊施設なのですが、広く認知されるまではレストラン事業を主体に営業するつもりです。あ、それと、ここでも薬草やハーブを育てることにしたのです。そこのレストランのすぐ横はイベントスペースなのですが、その奥に研究部屋というか、調合室を作りました。これからはジュリアンさんにもこちらで作業していただきたいので、ぜひご覧ください」


 ジュリアンさんが承知する前に私が歩き出したので、ローラが慌てていた。

 ジュリアンさんはクスクス笑いながら、「楽しみですね」と付いてきてくれる。やっぱり優しい。

 表に面している部屋はワークショップに使うイベントスペースで、調合室はその奥になる。

 ワークショップスペースに入ってから奥にあるドアを開けて、ジュリアンさんを調合室に案内した。


「ここが正式に我が領の薬草の調合室になる予定です。カントリーハウスの近くの小屋はさすがに設備が行き届いていませんので。昨年見学させていただいたジュリアンさんの研究室を参考にさせていただいたのですが……」

「ほぉ」


 どうかな? 裏の薬草畑と直結だよ? 私なりに頑張ったつもりなんですけど?


「広さも十分ですし、何より明るいのがいいですね。素晴らしいです」

「本当ですか?」

「ええ。こちらのドアは――」

「開けてみてください!」

「なるほど。薬草を摘んですぐに調合できるのですね」

「はい! まだ薬草の種類も少ないですが、ハーブなどもたくさん揃えて、隣の部屋では訪れたお客様にご自身でブレンドティーを作っていただく体験をしていただく予定なのです」

「マルティーヌ様は本当に――なんというか、商売人からお話を伺っているような錯覚に陥ります。まだ学園にも通われていないというのに……。あまりの聡明さに――いえ。ハーブティーを自分でブレンドするという体験は楽しそうですね。私もやってみたいです」


 ジュリアンさん! 当たり前じゃないですか! というか――。


「ジュリアンさん。そういえば相談し忘れていましたが、どんなハーブをブレンドしたらどんな効果があるのか、ジュリアンさんにも一緒に考えていただきたいのです。薬草やハーブについて知識をお持ちでない方でも、気になる効能面からハーブを選んでいただけるように代表的なものは説明付きで並べておこうと思うのです。お勧めのブレンドも数種類準備したいと思っています」


 ジュリアンさんのニコニコ笑顔からは、本当に優しい気持ちが溢れている。全身で浴びると、思いっきりビタミンを摂取できた気がする。

 彼は(うら)らかな春そのもののような顔でうんうんとうなずきながら聞いてくれるので、私もついつい饒舌になっちゃう。


「私は実験が好きなので、相当な数の組み合わせを試すことになると思いますが、マルティーヌ様も付き合っていただけますか?」

「もちろんです! 喜んでお付き合いいたします!」


 何て楽しそうな実験なの! いくらでも付き合います!

7月16日(水)に「転生した私は幼い女伯爵」の3巻が発売されます。

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ピンクブロンド第二弾完結しました。*続編ではありません。
私が間違っているのですか? 〜ピンクブロンドのあざと女子に真っ当なことを言っただけなのに〜

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます!ジュリアン回ほのぼのしててとても好きです〜
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