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【書籍化&コミカライズ】転生した私は幼い女伯爵 後見人の公爵に餌付けしながら、領地発展のために万能魔法で色々作るつもりです  作者: もーりんもも
第二章 領地を改革します

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116/180

116 領地の年越しイベント

ちょっと短めです。

水曜日あたりに続きを更新できるかもです。

「年の越し方ですか?」


 そう。

 マルティーヌの記憶を探っても、これといった情報が無いんだよね。

 だからローラに聞いている。


「……そうですね。新年を迎えると同時に夜の鐘が特別に鳴らされるのです。その日だけは鐘が鳴るまで起きていることを許されるので、私も幼い頃から頑張って起きていました」


 へえ。カウントダウンこそしないものの、やっぱり起きて新年を迎えるんだね。

 そして一年に一回、新年を迎えた合図に二十四時の鐘を鳴らす習慣があるのか。

 普段夜更かしできない分、子どもにとっては楽しいイベントだよね。きっと眠たいのを我慢して鐘を待つんだろうな。


「家族みんなで起きて鐘の音を待つのね!」

「家族というよりも集落全体で、ですね。蝋燭代もばかにならないので、集落ごとに焚き火をしながらワイワイやっている感じです」


 なるほど。外に集まっているのか。

 まあモンテンセン伯爵領は南の方に位置していて、それほど寒くないからできるんだよね。他領はどうしてるんだろう?

 他所(よそ)のことはいい。肝心のお勤めについて確認しておかなくっちゃ。


「レイモン。それで、私は何かすることはあるの?」


 公式行事についてはレイモンに振る。

 日が変わる頃まで起きて、いざ新年を迎えたら『年越しイベント』みたいなものがあるのかな?

 「明けましておめでとう!」とは言わないにしても、スピーチ的なものとか何かそういうのが。


「いいえ。特にございません。新しい年の最初の日が昇ったら、皆、教会に行きますので、その日はマルティーヌ様もフランシス司祭様にご挨拶いただくだけで大丈夫です。代表者たちから新年の挨拶を受けるはその次の日になりますので」


 ふむふむ。元日は教会に行くだけで、顔役たちとの挨拶は二日なんだ。


「そうなのね。ねえ、この屋敷でも皆起きているんだったら、全員ホールに集まって一緒に鐘の音を聞くというのはどうかしら?」


 レイモンがムムッと難しそうな顔をしたので、慌ててメリットを付け加える。


「薪の節約にもなるし、人がたくさんいた方が温かいじゃない?」


 あ、ローラは目が輝いているね。大勢でワイワイって楽しそうだもんね。


「ほらっ、渡す物もあることだし。私は鐘を聞いたらすぐに休んで翌日の司祭様の挨拶に備えるから、いいでしょう?」


 よし。公爵邸の猛特訓で会得した『微笑』からの『笑顔』を披露してみよう。上目遣いよりも効果があるといいんだけど。


「……それでは特別にマルティーヌ様のお席を整えまして、使用人たちは少し離れたところに集めるといたしましょう」


 やったー! サンキュー、レイモン!

 軽食も準備しなくっちゃね。お酒も振る舞いたいな。

 朝番の使用人たちは早めに切り上げるだろうけれど、夜番の人たちは朝日が昇るまでニューイヤーパーティーを楽しむかもしれない。

 まあ何にせよ、一年に一回のおめでたいイベントだから、ちょっとくらい羽目を外しても大目に見てあげてほしい。

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「つぎラノ」への投票ありがとうございました!

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