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魔法使いが愛したロボット  作者: 駿河留守
第1章 魔法使いとロボット
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2話 - ロボット、働きに出る 後編③

「ただいま~」

 ハチは仕事を終えた帰りにホームセンターによって新しいポリタンクと灯油を買って帰ってきました。おかげで店長からもらった初任給はほぼ使ってしまいました。しかし、これでイズミが魔法を使わず冬の寒さから暖を取ることができます。

 よかった、よかったと思い、今に入るとイズミがいました。テーブルには見覚えのあるデザートがありました。

「あ、おかえり」

「…何食べてるんだ?」

「え?おやつだけど」

「お前、それ。いくらすると思ってるの?」

 イズミは冷や汗をかきながら後ずさりしました。それもそのはず。ハチが威圧するように近づいているからです。

「それ!俺の働いてるコンビニで売ってる五百円くらいする大型アイスだろ!それで灯油何リットル買えると思ってるんだよ!」

「べ、別にいいじゃん!おいしそうだったから我慢できなかったんだよ!」

「こっちだって少ない燃料でなんとかやりくりしてるんだぞ!」

「ロボットは人のために働くのが義務でしょ!」

「都合よくロボットの名前を使うんじゃない!まだ、未開封なら返品できる!」

「ちょっともっていかないで!」

「うるさい!生活が厳しいなら節約しろ!」

「返せー!」

 イズミの瞳の色がオレンジ色に変わると掌に炎の塊が生成されました。

「馬鹿か!また、灯油が燃える!俺のバイト代を消し炭にする気か!」

「だったら!」

 掌の炎がはじけて消えると今度は瞳の色がエメラルドグリーンに変わっていきます。すると今のちゃぶ台やテレビや本がふわふわと浮き上がりました。

「アイス返せ!」

 ちゃぶ台、テレビ、本がミサイルのように飛んできました。ハチは身を翻してかわします。ハチに当たらなかったちゃぶ台たちは壁や戸棚に直撃して大きな音を立てます。壁に穴が開き、戸棚は倒れ、部屋がぐちゃぐちゃになっていきます。

「ちょっと落ち着け!」

「おりゃ!」

 イズミが魔法で飛ばした目覚まし時計が直撃コースで飛んできました。ブースターを使えば簡単によけることができますが、そんな燃料は残っていません。

「ならば!」

 右拳を突き出すとその拳が飛んでいきました。ロケットパンチですね。

 ロケットパンチは目覚まし時計ぶつかって軌道を変えます。しかし、ロケットパンチの勢いは止まらず玄関の方へ飛んでいきました。

「おーい。騒がし、ふだぁ!」

 ロケットパンチがたまたま玄関を開けた宮城の顔面を直撃してそのままノックアウトさせました。

「あ」

「あ」

 その後、イズミの魔法で記憶を消し飛ばして宮城をもとの部屋に戻しました。

 ドタバタした日常はまだ始まったばかりです。

「とりあえず、節約すること!わかったか!」

「…とりあえずは」

 生活が厳しいのはずっと前からのようですね。

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