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帰り道

作者: 朝焼 悠

藍色と水色

あとオレンジのグラデーションに染まった

夕暮れの空を

見上げながら歩く帰り道


浮かんでいる雲は

夜の闇に溶け始めて

学生時代に使っていた

墨汁の青色を思い起こさせる


辺りに全く馴染まないくらい

突拍子もなく飛び出た街灯が

自分もここの仲間なんだと

認めてもらいたがっているかように

薄暗くなった道を照らして


遠くに見える工場では

巨大な鋼鉄の芋虫たちが絡まりあって

その節々が近くの鉄塔のランプと同じように

赤く光り始める


空が闇に覆われ始めて

街灯の明かりが頼もしくなって


今日も一日が終わっていく

今日もどうにか

この一日を乗り越えられた


そうして僕が眠りにつく頃に

闘いに出向いて

空が白む頃に帰ってくる人もいて


みんな闘っている

働いていようがなかろうが

外に出ようが出られまいが

独りであろうがなかろうが


それぞれの毎日を

必死に生きている

幸せになりたいと望んで

幸せを守りたいと望んで


僕はどこにいるんだろう

僕はどこに行きたかったんだろう


向かいからやってくる

車のハイビームの激しい光が

僕を現実に引き戻したんだ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 詩的な表現が、良いなと、想いました。 ポイントが少ないけれど、 僕には響きました。 詩の魅力的な表現が、つまった作品。 そんな風に感じました。
[良い点] 雰囲気が素敵好きです!
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