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宇宙宅配便カンパニー「ミゥ」!  作者: いのそらん
2部
67/94

6ー2 保養所、アンドロイド、そして歓談 その1

 

 暴漢に襲われ、辛くも?カンパニー・ミゥの護衛に救われーチャイと茜はリムジンにて保養所に到着した。


「うぁー凄いホテルだね。砂浜がすぐそこだよ。いい場所にあるんだね」

 リムジンを降りるなり、チャイが感嘆の声を上げる。

 つい先ほど暴漢に襲われたばかりなのに、ずいぶんとくつろいでいるようだ。

 舞が、


「ここは、実はホテルではなくて保養所なのよ。伊那笠のメインのホテルは、また別にあるの。そこは、こことは比較にならないぐらい大きいのよ」

 得意げに説明をする。


「ふーん。そうなんだ。でも、ここでも十分に大きいよね」


 確かに、エデンはリゾートコロニーではある。しかし、チャイ自身はこのコロニーでリゾートを満喫しているわけではない。

 むしろ、リゾートに訪れたお客様たちにサービスを提供する側である。当然、普段もホテル暮らしをしているわけでない。


 むしろチャイは、人気こそ出てきてはいるものの、まだまだ駆け出しのタレントで、年齢的にも自立していない。なので普段はプロダクションが用意した寮で集団生活を行っているのだ。

 もちろん孤児院と比べれば、共同生活をしているとはいうものの、寮では個人の部屋を割り当てられている分、十分に贅沢だといえる。

 そういう訳で、チャイがエデンに来てからホテルに泊まったのは、あの事件の時、取り調べの間収監されていたホテルっぽいものを除けば、初めてということになる。


 保養所とはいえ、道路を挟んでほぼビーチに直結しているリゾート感満載の保養所である。

 保養所の敷地内には、所狭しと南国をイメージさせるオブジェクトや南国植物が配置されていた。

 また保養所そのものも、リゾート気分を連想させる白い貝殻のホワイトパール色で統一されたおしゃれなデザインとなっていた。

 保養所からは、アーチ形の歩道橋がビーチに向けて掛かっており、その歩道橋もバンガローかコテージをイメージさせる木材ぽい質感をもった素材で作られていた。

 歩道橋の周辺には、同じく白、あるいは木目調のビーチパラソルとウッドベンチが置かれており、やはりリゾート感満載であった。

 規模は小さいし、建物そのものの形は他のホテルの様に、神殿風や古城風にデコレーションされたものではなかったが、一言に保養所で片づけても良いのか、というものではあったのだ。


 チャイにとっては、このコロニーに来てから初めてのリゾート体験といっても良いかもしれない。

 興奮しないわけがない。


 キラキラした視線をあちこちに向けているチャイをみて、舞は、


「チャイ。しばらくここに滞在するのよ。もう暗くなってきてるわ。今日はまずミゥに早く会って、ゆっくり楽しむのは明日からにしたらいかがかしら」

 そう、再び声を掛けた。今度はチャイではなく、マネージャーの茜が、


「チャイ。仕事でここに来ているのよ。伊那笠様が言うように、まずは中に入りましょう」

 たしなめるように言った。


「まあ、まだ子供なんだ。しょうがないよな」

 皆に反して、カレンはチャイに共感するように頷き、チャイの頭に手を置いた。


 玲華は、一足先に保養所に入り全員の到着をフロントに伝えていた。急に『出来る秘書』のような動きであるが、実はお腹が減っていて早く食事にありつきたく、とりあえずチェックインだけでもしようとしていただけだったのは内緒である。


 5人は玲華の手招きで保養所に入った。目に飛び込んで来たのは、期待を裏切らない、外見と遜色のないリゾート風の内装にと少し暗めに調節された雰囲気のある照明だった。夕陽、リゾート感満載の外観と内装、それと(こう)香であろうか、なんとなく安らぐ香りが広がっている。保養所に足を踏み入れた5人は、否応なしにリゾート気分が高まっていった。


 それぞれが今日泊まる部屋の鍵をもらい、一旦荷物を置いた後食堂に集まり、久しぶりの再会を祝して食事会をすることとなった。要警護状態であれば『部屋に閉じこもって安全に留意しながら食事をとるべきなのでは』と、ツッコミを入れたくなるところだが、既に本社の終業時間は過ぎているし、ここは伊那笠財閥のセキュリティがかかっている保養所である。加えて、先ほどからのリゾート気分。

 まあ、もう皆が集まっていれば、ある意味安心ともいえるのでは?と、いう判断になるのも仕方がない。


 部屋割は、茜とチャイで一部屋。警護することを踏まえてその左右が、玲華とミゥ。徹はミゥのメカニックでもあるため、ミゥの隣の部屋。カレンと舞は、最上階のスィートルームとなった。


 ミゥは壁を隔てていようと侵入者に気づくことができるし、気付けば鍵が掛かっていようと、直ぐに解除できるセキュリティフリーのアクセス権も割り当てを受けていた。そもそも、誰かに気付かれず、伊那笠が管理する保養所に侵入するなど至難の業である。

 部屋までは玲華が護衛し、食堂に戻るときはミゥが付き添う。鉄壁?の布陣である。


 それぞれの部屋にひとまず移動した面々は、荷物を置いてからリラックスできるルームウェアに着替えて、食堂に向かった。


 チャイは部屋に着くなり荷物を放り投げると、そのまま隣のミゥが待つ部屋に向かった。


少しだけ書きためられました。

楽しみながら、頑張っていきます。

皆さんよろしくお願いします。

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