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オーバーラップ  作者: 杏 烏龍
壱:桜ヶ丘高校剣道部の伝説
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プロローグ

樹神(こだま)を護りし者たち、純真、正義の心を以って行うべし、心正しき者におのずと護りの剣をつたへるものなり。邪の心宿りし者、護りの剣をつたふることなし。いかなることがあれど、護るべきことは一つなり』


 小さいとき、俺はこの文をお題目として毎日読まされた。だれにそう言わされていたかは覚えていない。親父だったのか、御爺だったのか……。物心ついた時にはもう覚えていたのでかなり小さいころからだった思う。

 でもいつの頃からかお題目を言わなくても良くなり、すっかり忘れていたはずだった。

 昨日久しぶりに小さい頃の夢を見た。毎日刺し子の剣道着を着て小さい竹刀を振っている自分の姿。お題目を一生懸命叫んでいる自分。親父の優しい笑顔……。辛かったけど楽しかった練習。いつの頃から忘れてしまったこの気持ち……。


『ピピピピピピピピピピピピピピピピッ!』


 ん? なんだ? この無機質な音は?


『ピピピピピピピピピピピピピピピピッ!』


「竜太! 高校初日から遅刻する気なの!!」


「はっ! しまった寝坊した!」


 中村竜太なかむらりょうた十五歳。桜ヶ丘高校の一年生になったばかり。今日から俺の新しい生活が始まる。

「いってきます!!」

 俺は玄関を飛び出して走り出した。

「竜太!! カバン! 道具! 忘れてるわよ!!」

 しまった。手ぶらだった。俺は慌てて母さんから学校カバンと剣道具カバンを受け取って走り出した。

 初日からは遅刻は洒落にならないぞ!

 こうして俺の憧れの高校生活がはじまった。



(第一話に続く)

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