雨に濡れて
掲載日:2021/05/07
突然の夕立
ぼくも彼女も
傘を持ってなかった
急いで
近くの
アクアショップの
軒下へ
遠くで
カミナリが鳴っている
稲妻がひかる
「とってもきれい」
彼女が言う
ぼくは
「カミナリはこわいんだよ」
と、カミナリのこわさを力説するが
彼女は
上の空で聞いている
彼女の
濡れた髪が頬にまとわりつく
後ろの 水槽の
魚たちが
騒いでいる
人魚姫が迎えに来てくれた
ボクたちを
ここから救い出してくれる
そんな声が聞こえてくる
「どうしたの?」
ぼくは夢を見ていたのか?
水槽には 泡がブクブクと浮いているだけだった




