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 低いのか高いのか…分からないな。


「きゅ?」


「いや、なんでもない。結構使える魔法多いんだな」


「きゅっ!」


 なんか得意げに顔を逸らしている…。ドヤッって感じか…まあ可愛いからいいや。


「後は…荷物の確認、だな」


 袋の中には着替え、食料、武器、食器、ランプのようなものかスポンジやタワシまで色々と入っている。

 必要か…? そして着替えのレパートリーを増やして欲しいと思うのはわがままだろうか? ここまでしてもらったのだから文句を言っては駄目だと思うが……。


「なんで下着もズボンも上着も全て同じなんだよ!」


 ——二十点です。


 ………幻聴か?

 そう神の声が聞こえた気がした……はぁ。


「んじゃ街とやらにいくか。ラピスは泳げるか?」


「きゅぁ」


 ん? なんかいつもと違う鳴き声だったが…。


「なんだ?」


「きゅっきゅい。きゅぅ」


「泳げるけど、うまく泳げない、のか?」


「きゅぃ…」


「なら練習だな。俺も尾鰭なんぞ動かしたことなんてないからな。一緒に練習しようか」


「きゅい!」


 先程俺がハマった穴から共に潜る。

 ゆっくり目を開けるが痛みは感じない。それに先程気づいたのだが落ちた時普通に喋れていたのだ。


「あー」


 喋ることができた…。

 恐る恐る口を開けてみると口の中に水が入ってくることはなく、唇のところに空気の膜が張ってあるような…スキルの効果か。


「きゅ?」


「いや、喋れるから不思議でな…。水中呼吸のスキルのおかげなのか?」


「きゅい」


「え、そうなのって…なんでお前がそんなことわかるんだ…」


「きゅ」


 本能です。って言われてしまった。そうか…。


 そしてラピスと泳ぐ練習をした。

 海中は流氷があるせいなのか分からないがかなり暗い、と思われる。【暗視】のおかげかそこまで暗いとは感じないが、海上よりは暗く感じる。

 そして魚の姿がほとんど見えないのだ。ほかの動物も。本当に…どんな僻地に転生させてんだよ。


 なんとなく海水を飲んでも問題ない気がしたが、荷物の中に大量の水が入っていたからたまにそれを飲む。あざらし用かは知らないが深めのお皿もあるのでラピスにも水を飲ませる。真水を飲ませていいかは分からないが…魔物だから大丈夫だということにしておこう。

 そして食事を挟んだり休憩したりして日が暮れた。


「今日はもうやめておこうか」


「きゅい?」


「なんでって…暗いから?」


「きゅい〜」


「確かに見えるけど…」


 どんなに真っ暗でも夕方と同じようには見えるので別に潜れないことはないが、太陽が落ちたからな。休む時間って感覚が強い。

 にしてもラピスがいなかったらどうなっただろうか。こんな何もない雪景色の中、もしくは薄暗い海中を一人で何日も過ごしたかもしれないと思うとゾッとする。


「やっぱり今日はもう休もう? な? たくさん練習したしな」


「きゅ」


 にしても…側から見たら変人だよな。一人であざらしに話しかけている俺…。悲しいな。


「まあいいや。とりあえず休むにしてもどうするか。【寒冷無効】があるから寒くはないんだが…風が鬱陶しいし、壁や屋根がないとなんとなく不安だよな」


「きゅぅ」


「結界魔法があるし…結界を張ってみるか」


 早速実行。あっさりと出来ました。だが透明なんだよなあ。色がほしい。保護色として白とか。


 そう思ったら壁が白くなりました。


「万能だな…」


「きゅいっ! きゅい!」


 すごいすごいとはしゃいで真っ白な壁をペシペシ叩くラピス。癒されるわー…。ラピスを呼んでくれた創造神に感謝。


「そういやお前親は?」


「きゅ? きゅい…」


 知らない…か。そうか。


「悪いな。まあこれからは俺と行動するんだ。家族みたいなもんだな」


「きゅい!」


 その後は夕食。何故か暖かい料理まで入っているこの袋が物凄く不思議だ。あざらしって何を食べるか分からなかったのでいくつか出してみたが割となんでも食べるようだ。魚が一番好きらしいが。二番目は干し肉みたいなやつ。


 とりあえずランプらしき物を出すと説明が書いてある紙が貼ってあった。


『魔力を流してボタンを押してください』


 書いてある通りにするとボワッと柔らかな光がついた。

 魔道具的な物なのか?


 そして敷布団と掛け布団を出す。袋の口より大きいがこの袋物凄く伸びる。そして今更だが袋に手を突っ込むと何が入っているかなんとなくわかるのだ。便利だなあ…。


 ラピスを抱きながら布団に入るとあっという間に睡魔に襲われた。



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