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そのあといくつも質問され、答え続けた。正直意味がわからんが、なんとなく答えたほうがいいと思ったので全ての問いに答えた。
《後二つです。子供と大人どちらが好きですか?》
「んー、子供か? 生意気ざかりのガキは面倒だが…嫌いではないしな」
《わかりました。それではこれが最後です。不老不死と不老と長寿。どれがいいですか?》
「なんだその質問。不老不死にでもしてくれるのか?」
《貴方が望めば。ただ辛いですよ? 百年二百年程度なら問題ないでしょう。長続きする趣味があるのでしたら千年くらいなら問題ないかと。ですが何千、何万年となると華やかな思い出は薄れ、不老や長寿の者も自殺してしまい知り合いが消え、趣味を見つけても何万年、何億年と続く先のことを考えると何もやりたくなくなっていき大抵廃人になりますね。死ねませんが》
怖いわ。体験談なの? 言葉に物凄い重みがあるんですけど。
《私の体験談ではありませんよ。とは言ってもそれなりに長く生きていますが》
「そうか…。不死じゃなきゃなんでもいいよ。短命は嫌だが」
《わかりました。これで質問…もといアンケートは終わりです。何か質問はありますか?》
「じゃあ転生する世界のことや魔法について聞かせてくれ」
《……ヘミスフィアの世界についてはお楽しみにしましょう。魔法は…そうですね。あらゆる魔法があります。ファンタジー定番の火、水、風、土、光、闇。他にも氷や雷、木や空間、音や振動、熱、海、河…などなど、たくさんありますね》
「何が違うんだ」
《出来ることも違います。同じ物も多いですが魔力効率と威力、影響力、干渉力が違います。水魔法は魔力によって水を生み出し操る魔法。氷魔法で生み出すのは氷ですが、温度を上げれば水になるので水を操ることもできます。まあ自身が生み出した氷から水になったものだけですが》
へぇ?
《海魔法では水を作ることもできず淡水なども操れません。海の水…塩水が含まれているものしか操れません。つまり塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどを含む水しか操れないということですね》
「限定されすぎだろ!?」
《ですが海を操るだけあって影響力や威力は凄いですよ?》
「そりゃそうだろうが…呪文とかいらないのか?」
《はい。基本的に魔法とか魔力を用いて生み出し操る。もしくは既存のものを操るだけですので、魔力と想像力、出来ると信じる気持ちがあれば実質なんでも出来るかと》
「簡単なんだな?」
《まあ普通の人間では海魔法は覚えても魔力量的に使えませんが》
………使えねぇ。
「つか魔法ってどうやって覚えんだ? 呪文とかないなら勉強するとかないだろ」
《産まれる時に使える魔法の種類が決まります。生まれた環境や前世、遺伝によって変わりますね。または教会で祈ってれば何れかの神が使えるようにしてくれるかもしれません》
「?? 神ってお前なんじゃないのか?」
《私以外にもたくさんいますよ。私は創造神で他にいる水を司る神とか担当が決まっています。つまり部下ですね。そういう神は私が生み出したり、自然界にいる力を持った生物を神の位階まで引き上げて管理させています》
上司がこんなんじゃ部下は苦労するだろうなあ…。
《失礼ですね。私これでも慕われているんですよ?》
「そりゃ意外。ヘミスフィア? だっけか? ヘミスフィアの管理をほっぽって地球の神に手伝わせて地球に遊び行っているのに」
《ついこの前やったのが初めてですし、部下たちはヘミスフィアが崩壊しないなら旅行楽しんできてください。って送り出してくれたんですから。一万年くらい遊んできてもいい、と言われたのですが流石にそんな長期間離れられませんし、地球の神もそんな長く管理の手伝いをしてくれませんから》
…。
《そしたら部下達も私のことを自分のことのように思ってくれて悲しそうな顔をしてくれました。上司想いのいい部下です》
………それ厄介払いされてるだけだろ絶対。
《そんなことありません。……ありませんよね?》
「なんで不安になってんだよ」
《いえ、そんなことないはずです。ヒロミさんの方が心の機敏というものを理解できるでしょうから、そうなのかも、とは思いましたが…ヒロミさんは彼等と会っていませんからね。そう思うのでしょう》
…そうか。
《さて、寂しいですがそろそろ転生させましょうか。あまり長い間ここにいて魂が変質しては面倒ですし》
怖いこと言うなよ。変質って…どうなんだ。
《この空間に定着して転生できなくなります》
「大問題じゃねーか!」
《別に直せるので問題ないですよ。ただ手間がかかるだけで。では…適当に現地の常識をインプットして転生させますね。たまに夢に会いに行きますので死なずにちゃんと睡眠取ってくださいね》
「…………わかった」
《では…行ってらっしゃい》
だんだん頭がぼーっとしてきた。寝る時の感覚だ…。
《世界を楽しんで。一番大切なのは貴方が楽しんでくれることです。そしていつか美味しいご飯や面白い文化を私の世界に広めてくださいね》
そう、今までのような感情の起伏がない声ではなく優しい慈しむかのような声が最後に聞こえた。




