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アクセスありがとうございます!(о´∀`о)
拙い作品ですが読んでくれると嬉しいです!
《おはようございます》
……………目の前の鏡に映った俺が…喋った? 俺喋ってないよな?
周りを見てみると何もない。ただ真っ白な場所だ。
《鏡じゃないですよ。そして喋ったのは私です》
手を伸ばすとひんやりとした柔らかな感触を感じた。
鏡じゃないのか? じゃあ目の前に俺のそっくりさんがいるってことか。
………というか何で俺は横になってるんだ?
《それは寝ていたからですね》
そうか…やっぱり幻聴じゃないのか…? 俺何も喋ってないと思うんだが…なんでか返事があるよな。
《はい。幻聴ではありませんし、貴方は喋ってませんね。そろそろ意識がはっきりとしてきましたか?》
………身体を持ち上げると鏡…だと思ったもう一人の俺も移動した。
「お前なんだ? 夢…にしては意識がはっきりしすぎてるし、身体が動くし」
《はい。それでは説明させていただきますね。まず私は貴方も鏡でもありません。私に特定の姿がないので貴方の姿を模倣しただけですので気にしないでください》
………
《混乱しているようですが喚かないので良しとしましょう。それで何故口を開いてないのに意思疎通ができるか…それはそういう能力があるのと私が口を開くのが面倒だからです》
口を開くのも面倒とか…比喩じゃなくて実践してテレパシー飛ばすやつに初めて会ったわ。
《貴方も口を開いてませんけどね》
「……。あ」
《一緒にされては嫌だからとりあえず口を開くのはいいですが、「あ」ってどうかと思います》
「……んで俺の真似してるのはどちらさん?」
《真似…確かに姿形を模倣していますね。ですがこの姿形の方がここで貴方と意思疎通するのが楽なので諦めてください》
「それはいいが…いやよくはないが…とりあえず記憶が曖昧だし、この場所についても聞きたいし、貴方が何なのかも知りたいから説明たの…みます」
自分に敬語で話すとか違和感しかない…。
《普通に喋っていただいて大丈夫ですよ。それでは説明しますね》
「……ああ」
《まずここは私の作った異空間です。仮住まいですね》
どうでもいい…。
《本来の住まいはこんな殺風景ではないんですよ》
…物凄くどうでもいい。
《やれやれ》
自分と同じ顔をしたやつが目の前で両手を上に向け肩を軽く持ちあげ、呆れたように首を振る。
物凄く腹が立つ…というか気持ち悪いな。
…というかよく見るとまじできもいな!? なんでこいつ俺と全く同じ顔してんの!? つか仮住まいが真っ白な空間ってどういうことだよ!
《意識はっきりしました?》
え?
………してるぞ?
《さっきまでぼんやりしてましたよ》
してた…かもな。
《ツッコミの才能はあまりないようですね》
「知るか!」
《冗談はこれくらいにして》
こいつうぜぇ。まじなんなんだよ。
《とりあえずここは私の異空間。そして貴方をここに連れてきたのは私です》
………。
《静かなことはいいことです》
うぜぇ。
《さて…えー、神通川 大海さん。仰々しい感じのお名前ですよね》
ほっとけ。
《神通川 大海さん。30歳。犯罪歴なし。短所は器用貧乏。長所は…器用貧乏》
短所と長所どっちだよ。器用貧乏って短所だろ。
《本来ならそうなんですが、えー、ヒロミさんとお呼びしても?》
…いいけど。
《ではヒロミさんで。…えー、器用貧乏に関してでしたよね。まあそのうちわかるので割愛します》
割愛するなよ…。
というかこの感じ…誰かに似てる気がする。
《よく気がつきましたね?記憶は封印したはずなのですが…》
「なんか物凄く不穏な言葉が聞こえたんだが」
《記憶を封印したことですか? まあ気にするような記憶じゃないですよ。私が地球で活動していたときに貴方の身近にいたってだけですから》
気にするだろ!?
《話が進まないのでそれは置いておきましょう》
………。
《ありがとうございます。では続きを。今、話したように貴方の身近に私は居ました。それなりに親しくなったつもりです。そして親しくなった貴方が何やら息が詰まるように日々を生きていたので私の管理する世界に招待することにしました》
「……そりゃあ息が詰まるような生活ではあったが…そんな物多かれ少なかれ全ての人間が感じているだろ」
《そうかもしれません。ですが親しくしてくれたのはヒロミさんだけでしたので他の人間は知りません。まだ地上に降りてそんな経っていませんし》
…つまりこいつは天使や神様みたいな存在ってことか?
《そうですね。人間の定義的には神ですね》
「?」
《私は一つの世界を管理しています。その世界は魔法があるせいか、地球とは違った起源を持つせいかわからないのですが、全然発展しないのです。私は基本、供物などをいただいたり、自分で管理している世界の物なら再現はできるのですが…》
ですが?
《地球とは比べ物にならないのです。なので、私の住まいに遊びにきては、地球のさまざまな文化を自慢気に語り、食べ物を持ってきては私の分を用意せず見せびらかすように食べる地球の神をボコ…話し合って私の日本での滞在を許可させ…してもらいました》
所々不穏な単語が混ざっているんだが…?
《ヒロミさんが気にするようなことはありません。それでですね。地球の文化を学びに遊びに行きました。そこで初めて親しくなった、 …人間との接し方がわからない私と仲良くしてくれたのがヒロミさんでした。というわけでヒロミさんを拉致…では無く…いえ、拉致ですね。特に他の言い様はありませんでした》
おい。拉致って言ったか? 言ったよな? 俺拉致られたの?
《つまり、なんか息が詰まるように生きていたヒロミさん。地球の文化を私の世界…ヘミスフィアに持ってきたい私。私に借りがある地球の神。三者の想いをまとめた結果こうなりました》
いや、まとめてないけどな? まとまってないからな? 絶対。
《そうでしょうか?》
「つか自分で地球の文化を自分の世界に持ってけばいいじゃねぇか。地球に来てたんなら」
《言ったではないですか。遊びに行っていたと。能力を人間と同等まで落とし、地球の神というバックアップがあるからできることであって、私が自分で自分の世界に行ったら管理する者がいなくなり、自ら能力を封印したらその封印を解くのも一苦労です》
「能力を封印しなきゃいいだろ」
《…封印しないと私がいる場所を起点として自然災害が多発します》
……歩く災害だな。
《そうなのです。なのでヒロミさんなのです》
すまんが、なのでの意味がわからん。
《器用貧乏でなんでも一通り熟せるヒロミさんなら色々な文化を広めるには適任です。極端に秀でた知識があると影響が大きいですし、急速な変化は好ましくありませんから。薬や病の知識はあれど研究者のような知識はないですし、パソコンの扱い方や情報の活用の仕方は知っていても、一から作ることはできない。拳銃や火薬の扱い方は知っていても構造を熟知しているわけではないから作れない。そういう、多くの知識技術はあれど、何処か足りない、そして何より物事に対するこだわりが弱く、革命をしようなど思わないようなヒロミさんが必要なのです。ふぅ…一気に話すと疲れますね》
「口動かしてねぇんだから疲れるも何もないだろうが」
《まあまあのツッコミです。ただ勢いが足りませし、もう少し短く…》
「どうでもいいわ!」
《む…。最近私お笑い番組というやつにハマっていて…》
「もっとどうでもいい! 脱線するな!」
《やれやれ…》
腹立つな…。
《まあそんなわけです。他に理由を上げるなら、私が初めて親しくなった人間というのと、ヒロミさん自身が刺激を求めていたという点、そして近しい家族や恋人など扶養する対象もいない。更には地球の神から薬にも毒にもならないから持っていって良いと言われましたので》
おい、地球の神。何してくれてんだ。
《まあそれに貴方はこの状況でも怪しんではいますが頭から否定はしませんし、喚き散らしませんし、適応能力が高いのでその点でも適任かと》
…いや、考えるのを放棄してるだけなんだが…。
《放棄してると言っても全く考えてないことはありませんよ。自分で気づいていないだけで表面ではなくもっと深いところでは色々考えています》
自分でわかってないんだから考えてるとは言えないだろうに。
「まあいい。それで?」




