【⑪ ショットガンゲーム】
燃やされて死にかけた時。僕はポーションの回復力にものを云わせて凌ぎ切った。
だけども、もう、僕はポーションを持ってねえです。ドワーフのアデラインやら、ポルクのデューベンは持ってっかも知れねえですけど。
なんにせよ、今回は、被弾覚悟なんて戦い方は出来ねえです。1人が崩れたら、パーティー全体が瓦解するかも知れねえのですから。
僕の仕事は、火力担当のメインアタッカー。そんで、回避主体のタンクをも兼ねます。
ヘイトは上手に管理。それが、僕の仕事ですから。
「シネマティックにいきますよ!」
宙へと放るフラググレネード。相手が鉄の塊だろうが、ノーダメなんてこたぁねえっしょです。
ま、肉の身体だったなら、効果は抜群だったでしょうがね。だけど、隙間はどこにだってある。
ましてや、【サイレン】は、このスクラップ山脈で生まれた。然して、設備の揃っちゃいねえ、スクラップ山脈で。
たぶん、暴走個体達によって。毎日コツコツ。
廃棄された鉄屑から生まれた巨人。共和皇国産ならいざ知らず。
「替え玉一丁!」
アタッチメントを取り替え、グレネードピストルを放つ。
「全く、賑やかでいらっしゃる!」
サイレンが戦慄く。それに呼応するかの様に、暴走個体が集まり始める。
前回は、これにやられた。この物量に。
数の暴力に。サイレンに近付けてしまうと、取り込まれ、サイレンは回復し、破壊していけば、弾を消費し、戦う程に体力を失う。
敗北に至る持久戦。…………そいつは、僕に手札がなけりゃの話でしてね。
「儂の出番というわけじゃなあ!」
ドワーフの戦士アデラインの登場だ。彼女は、豪腕が操る手斧で、次々に暴走個体を破壊していく。瞬間火力はねえのですが、殲滅力は確かなもの。
「私『達』ね」
グリゼルダの弓矢が、暴走個体を射抜く。エルフ特有の天性の弓捌き。
速度、精密度……そのどちらもが、一級品。遠距離戦において、彼女は僕に並ぶ。
ほんと、ほんとーに、頼りになるよね。ありがてえよ。
「あたし、戦闘は専門外なん、だけどっな!」
グリゼルダのすぐ横にいるのは、ポルク族のデューベン。取り回しの利くボウガンで、グリゼルダの射ち漏らした、或いは、グリゼルダに接近する暴走個体の存在を報せたり、撃退したり。
ボウガンが間に合わなけりゃ、ブラックジャック。
布製の小袋に、鉄屑を詰め込んで、叩き付ける。
相手が人間だったなら、兜越しでも痛ぇだろうですよ。お手軽な殺意、即席の殺傷能力。
非力な彼女でも十分に扱えるでしょう。機械相手じゃ怯ませるくらいでしょうけど。
次回更新予定日はホワイトデー




