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〜私の恋は一瞬でゴミ箱行き〜
「あっ、しまった。英和辞書忘れた」
何気ない、本当に日常の一言のつもりだった。
部室を抜け出して、長い階段を降りて小走りに隅の教室へ向かう。
ドアの小窓から見える夕暮れの教室。日当たりのいい場所だから、夕日がきらきらカーテンに当たってドラマのワンシーンみたいに綺麗な色を創り出してる。それなのに、教室の電気は付いてなかったからどこか寂しい。
ガラッ
硬いドアの乾いた木の音。これだって毎日と変わらない、普通のことだ。それなのに、
目の前の、男子二人がキスをしていたら、あなたはどうしますか?